こんにちは、古白川です。クラウドファンディングプロジェクト終了から約1ヶ月、既に色んなことが進んでおり、報告させて頂きたい良いニュースが沢山あります。が、その前に、どうしても避けて通れないご報告があります。既にSNSなどで目にした方には何度もすみません。先月の半ば、カンボジア正月の元旦に当たる初日に、5年間一緒に苦楽を共にして来た友人であり弊社スタッフであり革職人頭のSok Reachが交通事故により亡くなりました。当初は本当にもう続けられないのではないかと思う程の大きな出来事でしたが、少し時間も経ち、ある程度の気持ちの整理がついたので、その件について一度文にまとめました。外部リンクになり恐縮ですが、自分にとって大切な事を沢山書きましたのでご一読頂けますと幸いです。https://note.com/koshira/n/necfc10fbd40dこの件についてお伝えするまではその他の活動報告もできないと考えていました。既に色々と進み始めており多少時系列的にリアルタイムではなく追っていく形にはなりますが、プロジェクト内容の進捗状況やリターン、日本進出に関してなどこちらの活動報告で随時お伝えしていきたいと思っています。色んなことが起こる毎日ですが、やめないです。良いプロダクトを作っていきますし、必ず良い形にして、応援してくださったみなさんにも応援して良かったと思って頂けるように頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いいたします!
「閉鎖寸前の決断。コロナ渦でこそ実現する同業競合他社との共闘。職人工房存続をかけて」この度上記のプロジェクトを実施させて頂きました古白川です。先ほどプロジェクトが終了致しましたのでご報告させてください。今回みなさまのご支援とご協力により、当初の目標を大きく上回る形で達成できましたことを心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。プロジェクト途中、5年間苦楽を共にしてきた職人である弊社スタッフSok Reachが大きな交通事故に遭い亡くなってしまうなど、予想だにしなかった出来事が起こり、本当にショックで何も考える事ができず、日常生活の中何もできなくなってしまった時期がありました。身体中の力が抜けてしまい、これ以上今の活動を続けられないのではないかと何度も心が折れかけました。しかし、何周も何周も周り、何度も何度も考えるうちに、少しずつ現実を受け止めなければいけないと思うようになりました。考えれば考えるほど月並みな言い方になってしまいますが、彼と一緒に何もないところから始め、文字通りひとつずつ積み重ねてきた5年間を無駄にしない為にも、彼の分まで生きて、どれだけ時間がかかっても、彼と話していた未来を実現できるように、ものづくりを続けていく決心をしました。現在カンボジアはコロナによるロックダウンと、国を挙げた一大工事で状況はますます悪化する一方です。日本でも再度緊急事態宣言が発令され、緊迫した状況だと伺っています。正直なところ、これが何年続くかまだ誰にもわかりません。でも私たちには絶対に辞められない理由ができました。一番大事な事を忘れずに、しかしどんな形でも「続ける」という事の大切さを胸に刻みながら、これからも活動していきます。応援して下さったみなさまには、これからしっかりとお一人お一人にお礼のご連絡をさせて頂く所存です。また、リターンなどについても個別にご連絡させていただきます。※初めましての方や、アカウント名メールアドレスのみの方、普段お呼びしている名前と違う方などは気づかずに失礼無礼になってしまうこともあるかもしれませんが、その際はどうかお許しください。お気軽にご指摘ください…さまざまな取引先がや物流などが業務をストップしまっている関係もあり、ご連絡、発送など少しお時間頂戴してしまうかもしれませんが、記載されている期限までにお渡しできるよう、本日より取りかかります。これを機に新しくつながる事ができた方も、この先長いお付き合いができるととても嬉しいです。私個人は器用な方ではありませんが、ひとつひとつ真摯に向き合っていく所存ですので、もし至らない点がございましたら、いつでもご指摘くださいませ。これからもどうぞよろしくお願いいたします。みなさまが、毎日健康で過ごせますように。Andkow & Co. 代表古白川 真
幕下力士が横綱力士ブン投げたり、チビがデカいガキ大将をやっつけたり、弱小無名チームが名門強豪古豪を倒したり、無名の咬ませ犬ボクサーが世界ランカーKOしたり、絶対負けるだろうと舐められ笑われている人間が周りの予想を全部をひっくり返して大逆転してしまう。そんな事に鳥肌が立つような手応えとやり甲斐を感じてしまいます。僕が肌で感じている感覚とは裏腹に、世の中の多くの人がカンボジアという国はまだ手を差し伸べるべき国だと思っている。語弊を恐れずに言うと、"舐められている"。こんな事を言うとカンボジアの人に怒られてしまうかもしれないけど、僕がこの国でイチからものづくりを始めたのは、きっとそういうのを全部ひっくり返したいという気持ちがあったのだと思います。勝手に自分の境遇と重ね合わせて。もしも、モノを作ってどれだけ売れるかという一般的なレースに魅力を感じていたとしたら、既に製造業国として地位を確立している他の国を選んでいたはずです。でもそうじゃなかったのは、大好きになってしまったこの国で、たまたま出会ってしまった仲間達と一緒に、何もない所から始め形創っていく事に強い意義を感じたからです。(僕らが最初に始める前は、いわゆるレザークラフトの会社はカンボジアに1件もありませんでした)技術も道具も何もないほとんどゼロの状態から始めたものづくり。数年前、シェムリアップの決して綺麗とは言えない砂ぼこりまみれの工房から、うちの職人や一緒に働く縫い手のおばちゃん達が一生懸命作ってくれたカバンが、ワンピース1着7万も8万もするような日本のブティックに初めて並んだ光景を初めて見た時は正直こみ上げてくるものがありました。僕たちが一番最初にものづくりを始めた工房最初に一緒に作った幼稚園児のままごとみたいなカバンの事を考えると感慨深くて、凄く嬉しかったんです。この脳がシビれる感覚を口で説明するのは難しいけど、もっと仲間が増えて、まだ見たことない世界の人に認めて貰えたら凄く嬉しい。エシカルとかフェアトレードとか、言葉は何でも良い。ファストファッションも何も問題ないし、どんなスタイルも意味や意志があれば良いと思う。どれもいい。ただ問題はそのしわ寄せが選べない人達に集まって来てる事。それに、技術を伝えたり追求する事はあれど、教育を与えるとか自立を支援するとか、そんな上から目線の事今の職人たちに感じた事は僕は一度たりともない。生きることにおいて彼らは充分にたくましい。シェムリアップで生活していると、ハッとさせられる事の方が多い。でも確かに機会や選択肢がなかったり、そもそも知らなかったり、環境が原因で本来持つ力が発揮できなかった人は、日本で育った僕たちに比べて多いかもしれない。僕の周りにも沢山いる。なんでこんなに凄い奴が誰にも知られていないのだろう。なんでこんなに力がある人間がこんなに恵まれていないのだろう。勝手ながら、そういう事にいつも憤りに近い感情を持っていた。今はその憤りをポジティブな力に変えて、何か良いものに昇華できたら良いなと思うようになった。動機や力のある人が、いつか陽の目を見れるように。生まれた環境とか、経済的理由とか、そういうちょっとしたコトが原因で本来の力が発揮できない人がいるなら、似た様な事を体験してきた人間としてその"ちょっとしたコト"を変える部分に関わって、一緒に何かを成し遂げたい。今は恵まれない環境にいても、機会さえあればそこから抜け出せる。「俺だって、私だっていつかは」そんな気持ちを持っている奴らは沢山いる。動機がある人間の持つポテンシャルの凄さ、そういう奴ほど好きな事に夢中で取り組める環境さえできれば、どれだけ力を発揮するかという事を僕は知っているつもりです。だからこの国で勝負する。好きになった国で、好きになった人達と。大好きな昔の漫画、ドヤ街のドブ川、涙橋の小汚いボクシングジムから世界チャンピオンを目指す「あしたのジョー」みたいに、床が穴だらけのシェムリアップのゴミまみれの埃まみれのボロボロの工房から始めたものづくりで、世界に通用するものを目指している。技術だったりサービスだったり料理だったり、形は違っても周りには同じように世界を目指して戦っている人が世界中に沢山いる。このクラウドファンディングは、カンボジアでよくある「恵まれない人達に良い事をするから寄付してくれませんか」みたいなそういうものではなく、「こういう奴らと一緒に世界目指すので、僕らにBETしてくれませんか」というのに近いのかもしれません。途上国とか、後進国とか、かわいそうですね、自立させてあげますね、って毎年色んな国の人が来て、手を差し伸べてくる。まだまだカンボジアやカンボジア製品が対等に見られる土俵に上がっていない。率直に言うと、舐められている。そんな状況を全部ひっくり返したいと思っている。誰かを否定しているわけではないし、戦う敵を見誤ってはいけない。そう言い聞かせつつも、いつもそういう事に違和感やある種の怒りを持っている。既存の何かを否定したり意見するのではなく、自分達で一つ成し遂げたいと思っています。沢山の時間、お金、労力を使い最初の一番しんどい所はなんとか自力で土台を作りました。筋も通すし責任も全部自分が持ちます。普段言いたくない事、言わなくても良い事も沢山書いたりするかもしれません。どうか僕たちの挑戦を応援していただけませんか。シェアだけでもお願いできませんか。よろしくお願い致します。※この文は初めてクラウドファンディングを行なった2年前の文を加筆・修正したものです。今読むと青臭い事を書いているなと思いますが、根本は変わっていません。私たちのものづくりの根本にあるものをこれから少しずつ、当時の文章を含め、言語化するためにnoteを書いていこうと思います。しばらくお付き合い頂けると幸いです。