【ご紹介】
東南アジアの山岳民族「アカ族」出身のLeeさんは、2007年にタイで「Akha Ama Coffee」という会社を立ち上げました。様々な農家と関わりながら、コーヒー豆の収穫から製品化までに携わっています。タイのスローフードユースネットワークにも所属されています。
もともとはソーシャルワーカーで、 国際チャリティ団体であるチャイルド・ドリーム・ファンデーションというタイでの教育プロジェクトを支援しています。
【起業したきっかけ】
タイの最も遠い村のひとつで育ったLeeさんにとって、教育への壁は高かったけれど、家にとどまるのではなく、人々と社会を繋げるような活動をしたいと思っていました。そこで、奨学金を利用し大学に入りました。「自分のスキルを使って人々と話をし、タイにもっと多くの機会を与え、子どもたちがより良い教育を受けられるようにしたい」いう思いが大きなモチベーションでした。
また、Leeさんはコーヒー農家の息子であったため 、植物の栽培と報酬の獲得との間に大きな違いがあることをよく知っていました。メルボルンでも、シアトルでも、ポートランドでも、 専門的なコーヒーへの人気が高まっており、 かなり高い経済的価値を持ってきていました。にもかかわらず、コーヒーを実際に栽培している農家が今でも貧困状態にあることに疑問を抱き、この状況を変えたいと思ったそうです。
【Akha Ama Coffeeとは】
2007年に、Maejantai村の14人のアカ族が社会的企業「Akha Ama Coffee」を設立しました。 コーヒー豆を仲介業者に低価格で販売する代わりに、それらを自分たちで処理して市場に出しており、製品のより良い価格を保証しています。実際、約30人の農民とアカ族のすべてのメンバーは、持続可能な条件の下で豆を栽培し、世界で最も高い金銭的報酬を受け取っています。
また、彼らは 化学肥料、除草剤または農薬の使用を減らすために、有機的に持続可能なコーヒーの混作システムのシステムに変更することを決めました。 人間の身長の高さまで成長するコーヒー植物は、今や大きな果樹と様々な野菜との間で栽培されています。
このシステムは、土壌生態学に有益であり、腐植を生成し、侵食に対して丘陵を安定させ、乾季には湿気を保持、害虫が植物に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。 西洋の農業では「新しい」システムとして見られていますが、実際には、アカ族の人々がその歴史を通して使用してきたシステムに非常に近く、自然と協力して活動しています。
今日、このプロジェクトはより強いものになっており、Akha Amaコーヒーの品質は国際的に認められています。2010年と2011年には、ヨーロッパコーヒー専門協会によってW杯テイスターズチャンピオンシップに選ばれました。現在1年間に25トンのコーヒーを生産しています。
【活動の軸】
持続可能性や自給自足を見て、農家に直接知識を伝えたい
【活動のモチベーション】
農家やその家族がより高品質な生活を送って、子どもたちが学校に行くために払うことができるように支援したいという思い。彼らが世界に出て良い知識を吸収して戻って来ると信じています。
【今回WFTPに参加した理由は?】
食の世界の仲間たち、特に若者たちから、スローフードに関する創造性などを学び、毎日の仕事で生かしたいと思っています。また、私は農業に関わる全てのプロセスの関係者と関わっており、コーヒー、フルーツ、野菜など様々なものの生産者らと直接共に働く地域企業家です。その経験を生かし、自分が知っているできる限りの事をシェアしたいとも思っています。
【食の世界におけるあなたの役割】
収穫から製品化までというコーヒーの生産過程で、農家に携わること
【達成したいこと】
タイでは、タイのコーヒーに対する汚名があります。 タイの人々さえ、タイのコーヒーはよくないと信じて飲むことができません。 彼らは非常に暗くなるまでローストし、凝縮したミルクと砂糖とたくさんの牛乳を入れたアイスコーヒーを作ることしかできないと思っていますが、この認識を変えたいです。
【リターンとしていただくもの】
コーヒー豆