【講師派遣のご報告】
6月7日に現地活動開始をお知らせしておりましたが、先日オンラインミーティングが行われ、現地で講師を務めたフェラナさん(写真中央の青いTシャツ)より、無事予定の活動を終えたことが報告され、また次回の派遣に関する計画変更が提案されました。
今回の派遣では、既に世界各地で実績のある”地域資源を活用した普及手法(一般的にはPRRIE、マダガスカルでは”LIFEモデル”として普及されています)”の概論と技術的な研修、改良かまどの製作と普及の研修、そして新型コロナウィルス対策の啓発を行うことが目的でした。
研修を担当したフェラナさんは、別の地域で行われたJICA事業でも同様の業務を担当しており、経験も実績も十分にあるので、計画の段階から具体的なアドバイスをくれてとても頼りになりました。地域で講師となるローカルトレーナーの人選や、様々な状況に対応できるよう訓練するワークショップなどをもりこみ、”継続的な普及のための肝”を押さえた研修によって、ここ数年滞りがちだったLIFEモデルを活用した活動(今回は改良かまどの普及)が、パワーアップして再開することができそうです。
この地域で”改良かまど”の普及が始まったのは今から5年以上も前のため、すでに聞いたり見たことがある人も多いのですが、フェラナさんのワークショップによって、講師の考えの押しつけではなく参加した住民の自発的な行動を促すような研修会を開けるように、訓練されました。
先行事業でとかまど製作の経験をつんできた住民7名と新規の方3名、計10名のローカルトレーナー(住民講師)が誕生しました。事前に作成したポスターは、彼らトレーナーがひらくかまど研修会でも活用されますが、この他に人通りの多い役場や病院など地域の施設7箇所に、所有者の許可を得て掲示してもらうことになりました。
今後は、ローカルトレーナーら地域の人が主体となり普及と研修活動を回してもらいます。彼らだけで解決できないような課題には、適宜私達も介入して対応するようにしていきます。
現在マダガスカルでは新型コロナウィルスの流行が落ち着いてきており、都市部でも感染者数が減っているようです。しかし、皆さんもご存じの通り、新型コロナウィルスは世界各地で変異を続け、感染再拡大の兆しもあることから、活動に携わるエリアマネージャーとローカルトレーナー、そして彼らの実施する研修に参加する一般住民の方々には、最低限の対策を講じられるようにお願いしています。
今回の講師派遣は現地4日間の強硬スケジュールとなりましたが、フェラナさんのおかげで予定通りほぼすべての任務が達成できました。
そしてフェラナさんからの提案で、これから行う予定だった講師派遣2回目(地域振興のための取り組み:養鶏技術の普及と仲買人育成がテーマ)と3回目(有用樹の植林促進:住民と学校での植林技術の普及がテーマ)を合体させ、浮いた予算で養鶏と植林のローカルトレーナーの人数を予定より数名ずつ増やそう、という話になりました。旅費を削減して活動地域に落とされる予算を増やすことができるこの案には、日本人メンバーも大賛成です。
これから、予算の再計算と9月あたりに実施予定の次回派遣の準備にとりかかりつつ、引き続きアンジアマンギーラナからの進捗情報を集めていきたいと思います。
文責:田中