はじめに・ご挨拶
はじめまして。
埼玉県の小川町で活動している「特定非営利活動法人あかりえ」の代表・谷口西欧(せお)です。
2019年6月にNPOを立ち上げて、有機の里・小川町で “個性を尊重して、多様性を認め合う地域社会の実現” を目指し、空き家を改修し町全体をひとつの宿に見立てて経済を循環させる古民家民泊の「まちやど」施設運営などの活動をしてきました。
そして、2021年4月からは、小川町駅から徒歩5分の場所にある、全国最大級の貴重な大谷石の石蔵をリノベーションしたコワーキングロビー(サテライトオフィス)の運営を始めます。
この石蔵では、これまでも映画上映会を行い、表現活動の舞台としての可能性を探ったり、「まちやど」の朝食会場として、シェフに地域の食材を使った新しいメニューを考案してもらうなど、実験的に活用してきました。
そんな石蔵を働くだけの場所ではなく、この場所を拠点に、利用者が町の外に飛び出して、この地域なではの自然や伝統的な生活文化と繋がっていく拠点にもしていきたい。
そのための仕掛けとして「薪ストーブ床暖房」を設置するクラウドファンディングに挑戦させてもらいます。
有機の里・埼玉県小川町とは
まずは小川町について説明させてください。
私たちが活動をする埼玉県比企郡小川町は、埼玉県のほぼ中央に位置する人口3万人ほどの小さなまちです。かつては、絹の道と呼ばれた八王子道、江戸時代に六斎市が立った秩父往還などの街道が交わる宿場町として物が集まり栄えた歴史を持っています。
また近年では、有機農業のパイオニア的存在の金子美登さんを中心に、1971年から半世紀にわたって「有機の里」としての文化も紡いできました。
そして、面積の半分を林野が占めるほど山々に囲まれた盆地の町でもあり、東京池袋から約70分の場所にも関わらず日本の原風景が広がっています。
一方で、小川町の里山では材木の出口が作れないために管理コストを捻出できないことが社会問題にもなってきています。埼玉県内の消滅可能性都市ランキングではワースト2位になるほど少子高齢化も進んでおり、山の管理の担い手が不足しているのも事実です。
そんな状況でも、町の里山や山林と働く空間を結び、働く人の活力と創造性に繋げたい。
またこの地域で学び、育っていく子どもたちが、様々な働き方や生き方に触れ、働くこと生きることに希望をもったり、ワクワクしたり、自己肯定感をもってのびのびと生きられるような場を創りたい。
そのような想いで、我々あかりえは活動をしてきました。
なぜ「薪ストーブ床暖房」を設置するのか
そこで、今回の石蔵コワーキングロビーを始めるにあたり、町産材を地域内で循環させてエネルギー自給を促進するための仕掛けとしての「薪ストーブ床暖房」を設置することにしました。
小川町内でシンボル的な石蔵に薪ストーブを導入することで、周辺地域での認知を広げ、より多くの薪需要を生み出すきっかけとなり、町内の里山における間伐材利用が増えればと考えています。
また、石蔵コワーキングロビーで町産材の薪を積極利用をすることで、町内での薪製造が活発になり、薪製造自体が町民の交流の機会になることも期待しています。
さらに、薪ストーブを暖房設備として設置するだけでなく「床暖房」として導入することで、盆地で底冷えしやすい小川町でも、利用者にとって快適なワークプレイスとなります。
石蔵コワーキングロビーの利用イメージ
薪ストーブ床暖房を設置する石蔵コワーキングロビーは、「コワーキングスペース」と「レンタルスペース」の2Way利用で運営していく方針で考えています。
具体的には、以下のような会員制料金になる予定。
また、「都市で働く人のインスピレーションを刺激して都市と里山文化が出会い化学反応が起きる場所」となるように下記のような施策も取り組んでいこうと考えています。
・SDGsや日本の文化などにフォーカスした研修会や講演会
・ソーシャルマインドをもった社員の育成プログラム
・町内の田んぼや畑での農業体験
・食の自給が体感できるような食事会
・多様な文化にふれる映画上映会
・里山エリアにも足を伸ばせるレンタサイクル
大谷石の厳かで有機的な空間が、働く人のより強いインスピレーションの源となり、想像力と創造性が高まる「野生のワークプレイス」になったら面白いんじゃないかと考えています。
資金の使い道
今回の薪ストーブ床暖房を設置するのに必要な初期費用は総額250万円です。予算内訳は、以下の通り。
薪ストーブ及び煙突の設置 :150万円
温水式床暖房の設置 : 50万円
その他経費(リターン等) : 50万円
———————————————————
予算合計 :250万円
また、本プロジェクトは All-in方式 で行いますが、石蔵を「まちなかと山をつなぐ場所」にしていくために、不足が生じた場合でも自己資金で実施いたします。
加えて、薪ストーブ床暖房の維持管理には、年間20万円程度の薪代と年間5万円程度のクリーニング代がかかります。今回のクラウドファンディングのリターンに「薪を贈る」というメニューを含めていますが、そちらの支援で集まった薪代は2021年冬季に必要な薪の購入費に充てさせていただきます。
もし目標額以上の支援が集まった場合には、今回予算の都合で実現できなかった薪置き場の設置や薪割り機の購入など、薪の利用を促進して小川町の森林保全に繋げていくための費用として使わせていただきます。
なお、また石蔵コワーキングロビーは、2020年11月に着工しており、2021年4月中のオープンを予定しています。薪ストーブ床暖房も、ほぼ同じタイミングで設置導入される予定です。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
本プロジェクトは、特定非営利活動法人あかりえにとって大きな挑戦となりますが、石蔵オーナー、小川町役場、株式会社竹中工務店をはじめ、たくさんの町内外の方々の支えがあったことでスタートを切ることができました。
今回の「薪ストーブ床暖房」を設置することは、石蔵コワーキングロビーを快適な環境にしていくことはもちろん、その場所を越えて、利用者と地域資源とを結び、持続可能な社会のモデルとなる、新しい循環の仕組みをつくる一歩だと信じています。
小川町に縁の深い人だけでなく、小川町にまだ来たことのない方とも、
一緒に小川町で多様な地域社会を持続的に作っていけたら嬉しいです。
ぜひ皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。
プロジェクトメンバーからのメッセージ
応援のコメントが届いています
▶︎ 鈴木菜央(Nao Suzuki)| NPO法人グリーンズ代表理事 / greenz.jp編集長
▶︎ 岩本唯史(Tadashi Iwamoto)|ミズベリングプロジェクト ディレクター / 建築家
▶︎ 岡野春樹(Haruki Okano)|一般社団法人 Deep Japan Lab 代表理事 /
一般社団法人 長良川カンパニー 代表理事 / 株式会社電通 社会創発室
▶︎ 長谷川 欣則 (Hasegawa Yoshinori)|建築家 / 一級建築士事務所 UENOA architects 代表 / 東京藝術大学 coi拠点 特任講師
▶︎ 市来 広一郎 (Koichiro Ichiki)|株式会社machimori代表取締役 / NPO法人atamista代表理事 / 一般社団法人ジャパン・オンパク理事 / 一般社団法人日本まちやど協会理事
▶︎ 小原 壮太郎 (Sotaro Obara)|一般社団法人the Organic 代表理事/全国有機農業推進協議会 理事/環境省 森里川海アンバサダー
▶︎ 林 千晶 (Chiaki Hayashi)|株式会社ロフトワーク 共同創業者 取締役会長
▶︎ 川口瞬(Shun Kawaguchi)・來住友美(Tomomi Kishi)|真鶴出版
よくある質問
本文中で伝わりにくかった部分として質問された項目について、回答をまとめました。
その他、疑問点などありましたら、お気軽に質問をしていただければ幸いです。
Q1. 宿泊付きリターンに食事は付きますか?
あかりえの運営する古民家民泊の宿泊付きリターンは全て「素泊まり」となっています。
別途、朝食は石蔵コワーキングロビーで提供可能ですので、ご予約の際にお知らせください。
また、近隣の飲食店やスーパーなどはご案内できます。小川町の暮らしの擬似体験を楽しんでいただければ嬉しいです。
Q2. 石蔵コワーキングロビーのウェブサイトはありますか?
現在作成中です。完成次第サイトリンクを貼らせていただきます。
Q3. 石蔵コワーキングロビーの場所はどこですか?
小川町から徒歩約5分、小川町役場の近く、小川町商工会の建物の奥です。
住所:埼玉県比企郡小川町大塚7付近(Google Map)
Q4. 石蔵コワーキングロビーの内装はどのような雰囲気になりますか?
現在工事中ですので、活動報告で進捗を随時共有させていただきます。
Q5. 有機地酒をリターンに含められていますが酒類小売業免許はありますか?
このクラウドファンディングは、下記の小川町内の酒造会社に共同起案者として参画していただいています。
・晴雲酒造株式会社
・武蔵鶴酒造株式会社
・松岡醸造株式会社
・武蔵ワイナリー株式会社
Q6. 薪ストーブ床暖房はどのようなものですか?
薪ストーブの熱で暖めたお湯を床下に通した金属ホースに流すことで床全体を温める「温水式床暖房」を採用する予定です。詳しくは活動報告の中でお知らせさせていただきます。
最新の活動報告
もっと見る平日のCAFE「石蔵喫茶」がOPENしました!!
2021/10/12 17:45寒くなったと思ったら夏日のような暑さになって…でも、コスモスが咲いたり、柿が熟れたりする様子を見ていると、着々と秋になっているのだなと感じます。NPO法人あかりえです。10月4日より、”石蔵喫茶”がオープン!週末限定で営業していただいていたBrown Rice Cafe Weekendsさんのプロデュースで、平日もドリンク・軽食が楽しめるようになりました。オーガニックコーヒー&ティー&ハーブティーや、カフェインレスドリンクを準備していただいています。また、ラテを注文すると、4種(ミルク・ソイ・アーモンド・オーツ)から、お好きなミルクをチョイスできるので、自分の好みやその日の体調に合わせたカスタマイズが可能です!おすすめメニューは、営業時間中いつでも頼める“ずっとモーニング”。内容はその日のお楽しみだそうですが、写真の日は、トースト&ゆで卵のモーニングプレートでした!トーストメニュー例)ピザトースト/チョコレートソース/はちみつ&トリュフ塩なんと、NESTo会員であれば、ドリンクを頼むと、無料でモーニングプレートが付きます!カフェのみ利用のお客様でも+100円です。1日の始まりに、石蔵で朝食はいかがでしょうか?皆さまのお越しをお待ちしております♪<石蔵喫茶|詳細>営業時間:10:00-15:00*15時以降は、ドリンクのみのご提供になります。https://instagram.com/brcweekends?utm_medium=copy_link もっと見る
9/17(金)@Zoom「築100年の大きな石蔵がコワーキングロビーに生まれ変わるまで」
2021/09/07 15:33大変ご無沙汰しております!皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか?小川町では、残暑が続くと思いきや、気温22-23度前後と涼しく過ごしやすい日々が続いています。オープン、トライアル期間が終了し、やっと少し落ち着いてきたNESToでは、【9月17日(金)19:00〜21:00】Zoomウェビナーにて、オンライントークイベントを開催することとなりました!テーマは、石蔵がコワーキングロビーNESToとして生まれ変わるまでのストーリー。現在は、大谷石や100年の梁の存在感をしっかり感じられ、かつ、スタイリッシュで過ごしやすい素晴らしい空間に仕上げていただいて、来場される方からもよくお褒めの言葉をちょうだいします。しかし、その裏には期間・予算・施工条件…など、さまざまな厳しい条件がありました。薪ストーブ床暖房をクラウドファンディング経由で応援いただいて設置しよう…!という案が立ち上がったのも、一部には、それらの制約がきっかけとなっています。※施工条件については、こちらの活動報告で簡単にレポートしていますので、よければ振り返ってみてください。▶︎ https://camp-fire.jp/projects/367631/activities/259806#mainご登壇いただくのは、・プロジェクト開始から現在まで伴走し続けてくださっている竹中工務店の蓑茂雄二郎さん・細部にまで気を配って設計と管理を担当してくださったセンティードの埋田邦彦さん・前代未聞の工事を地元工務店として覚悟を決めて受けてくださった杉田工務店の杉田傑さんの3名。また、ファシリテーションを、あかりえのメンバーでもあり、公共R不動産の矢ヶ部慎一さんが担当します。矢ヶ部さんが、協議会の設立から耐震補強、クラウドファンディングまでの流れを「公民連携」の観点からまとめた記事もあります。(小川町の他3施設についても続編で出ているので、ご興味のある方は…!)▶︎ https://www.realpublicestate.jp/post/nesto/ 【9月14日(火)】までのお申し込みで、参加者全員に「NESToお試し(1Day or 会議室 or 1ドリンク)利用券」&「埼玉県小川町で有機農業を営む「Love the Farm」のハーブティー」をお届けします。また、すでに会員登録されている方は、会員番号のご入力で参加費が¥500になります。(一般¥2,000)濃い内容になると思いますので、ぜひ、ふるってご参加いただければと思います!***築100年の大きな石蔵がコワーキングロビーに生まれ変わるまで【NESTo トークライブ】日時 9月17日(金)19:00〜21:00詳細・お申し込み ▶︎ https://peatix.com/event/2891731*オンライン zoomウェビナーで開催=======================================その他〈NESTo 営業日のお知らせ〉◉ワーキングスペース 平日:9:00 - 18:00※祝日はお休みのため、9/20(月・祝) 、9/23(木・祝)は定休日となります。◉カフェ Brown Rice Cafe Weekends 土日:11:00 - 18:00※イベント貸切のため、9/18(土)、9/19(日)はお休みになります。〈平日のカフェ営業について〉10月より新しい店舗が入るため、9月は準備期間として臨時営業をしております。8月末をもって、エフアローンNESTo店の営業は終了いたしました。日頃よりご愛顧いただき、誠にありがとうございました。新店舗については、改めてご案内いたします! もっと見る
トークイベントやアート展示で石蔵をご利用いただいています!
2021/07/14 19:00こんにちは!7月も半ば、トライアル期間(※)も、残り半月となりました。ご支援いただいた皆さまのリターンチケットも、いよいよ8月からご利用いただけるようになります。(※)トライアル期間…現在、NESToでは、オープン日から7月末まで、ワークスペースを無料でご利用いただける ”FREE TRIAL” を実施中。期間中の平日9:00-18:00は何度でも、ワークスペースを無料でお使いいただけます。受付で会員登録をしていただいた上でご利用ください。*さて、この7月、コワーキングロビーNESToでは、以下の2つのトークイベントとアートの展示が行われました。 1. アフリカのスラムから学ぶ、ファッションとクリエイティブの力 (7/2(金)) 2. オカダマサキ ダンボールアート個展 〜紙捏祭〜 (7/10(土) - 7/24(土))約100年前に人力で切り出された大谷石に囲まれる空間は、ただそこにいるだけでパワーを感じますが、さらに、訪れる方が多様な文化にふれ、何か心動かされる場所にできたら…というのが、当初から私たちの想いとしてあります。今月のイベントでは、まさにそれが実現したということになりますので、皆さまにもその様子をシェアできればと、こちらを書かせていただきました!2つ目の個展「紙捏祭」は、7月24日(土)まで開催されています。もしご予定が合えばぜひ実際にご覧ください。間近で見ると、細部の仕上がりに感動しますよ!*1. アフリカのスラムから学ぶ、ファッションとクリエイティブの力 (7/2(金))▶︎ 詳細はこちらから(イベントは終了しております)ケニア在住32年でスラム活動家の早川千晶さんと、「SHIFT80」ファウンダーでクリエイティブディレクターの坂田ミギーさんのトークイベント。現地+オンラインで開催しました。ーーー〜参加スタッフによるレポート〜スラムのとある市場には、先進国からの支援物資である古着が溢れかえり、地平線が見えなくなるほど置かれている場所があるそう。”アフリカを先進国のゴミ置場にしないでほしい”というメッセージにハッとしました。先進国側が支援しているつもりでも、彼らにとっては支援になっていない、飽和状態にある場合があること。何事も無知にならず、自分の目・耳で確かめた上で判断することが大切ですよね。また、ゲストによって語られた、スラムで生きる2人のストーリーも鮮明に想像されました。孤児になり兄弟姉妹18人全員を養い、食べ物すら満足に得られなかったリリアンさん。家族を失いたった一人で、夢を追い続け、現在はプロとして写真・動画・音楽の制作をするアーティストのトニーさん。それぞれの立場で、身近な資源とクリエイティブの力が掛け合わされていて、環境は全く違う日本国内でも、過疎化や人口減少といった課題を抱える地域では、似たような発想力が必要とされるなぁと感じました。遠く離れたアフリカに一気に身近に感じて、まるで一本の映画を見ていたような感覚でした!以上、参加したスタッフがレポートさせていただきましたトークゲストの一人でもある坂田ミギーさんは、2021年秋にはファッションブランド「SHIFT80」をリリースされます。7/10(土)に、週末限定「Brown Rice Cafe Weekends」をオープンされるので、NESToにお越しいただければ直接お話を聞けますよーーー*2. オカダマサキ ダンボールアート個展 〜紙捏祭〜 (7/10(土) - 7/24(土))▶︎ 詳細はこちらからダンボールアーティスト オダカマサキさんの個展。幻獣や生き物をモチーフとした作品が展示されています!私たちの身近にあるダンボールですが、その迫力のある造形美に驚かれること間違いなしです。期間中の平日は、通常通りワークスペースも利用可能。土日は、7月10日より、「Brown Rice Cafe Weekends」さんのカフェがOPENしていますので、そちらのランチやカフェメニューを一緒に楽しむのもオススメです! もっと見る
コメント
もっと見る