2021/06/16 08:00
日韓関係が過去最悪といわれた二〇一九年の内閣府の調査で、日本の三〇歳未満の四五%が韓国に親しみを持っていると答えた。朱鞠内での活動にも両国の若い世代の参加が増えていると聞く。
豪雪、蕎麦の生産量、日本最大の人造湖――。三つの日本一を誇る幌加内の町にもうひとつ目に見えぬ日本一を加えるとすれば、市民が育くんできた日韓の交流の深さだろう。狭い海峡を隔て引っ越しのできぬ間柄。互いに永遠の隣人という宿命からは逃れられない。
どんな誤解も、直に会って語り合えば解けていく。コロナ禍の最中、人々が国境を越え、再び手を握り合える日がくることを願う。
(日本経済新聞・二〇二〇年四月二八日掲載文より一部改編)
ノンフィクション作家
堀川惠子