2021/07/12 08:00
美しい朱鞠内で、戦時下、朝鮮人強制労働が行われていました。その事実は消し去るべくもなく、数多の遺骨という形で私たちに責任を突き付けてきます。眼を背けることも、逃げることもできません。
「笹の墓標展示館」は、日本の加害の歴史を伝え、犠牲者を追悼するとともに、加害・被害の立場を越えて、現在の若者が出会い、過去に向き合い、未来に向けた対話を拓く場を提供してきました。
自然環境と人間の歴史が構築してきた場が持つ力というものがあります。そんな力に支えられて、ここから、東アジアに平和を育む種が蒔かれてきたのです。私たちは、そのような稀有な場である「笹の墓標展示館」を守り、維持しなければなりません。みなで力を合わせて、美しい朱鞠内を守り育てましょう。
立命館大学教授
村本邦子