夢を見続けることの、楽しさと大変さと大切さを教えてくれる。
関さんと初めてお会いしたのは一昨年の春頃でした。すでに引退されていた会社の先輩から、「自分が今習っているプログラミング教室の社長が、子供向けのエデュケーションイベントを提案したいと言っているので是非会ってくれないか」とのこと。私はとにかく、まあまあお年を召したその先輩が、今更プログラミングを勉強していることに、驚きちょっと(だけ)尊敬しました(笑)
私もプログラミングには全くの門外漢。このようなイベントを開催した経験はありませんでしたが、お会いした彼の持つかなり不思議なキャラクター感と、その反対に熱く伝わるプログラミング教育に対する想いに押され、まあとにかく1回やってみるか、ということで開催することにしました。
準備不足もあり、イベント自体は満足いく結果には至りませんでしたが、私は彼を知ることができただけでもいい勉強になったような思いでした。彼のこれまでの人生やプログラミングとのかかわり方、これからの日本に対して描く将来像など非常に興味深いものがあって、私の周辺にはいない人物だったからです。本書には、そうした彼の思考のDNAがわかりやすく解析されています。
これから日本の将来を担ってゆく子供たちにとって、プログラミングがいかにオープンドアであるか、たくましく楽しく生きてゆくためのツールであるか、見ることのできる夢の広がりがどれほど無限であるか、を優しく語りかけてくれています。
テニスの全豪オープンで見事2回目の優勝を勝ち取った「大坂なおみ」選手が、記者から将来の夢を聞かれた時に、「私を大好きで応援してくれている子供たちが大きくなって、私と対戦することを喜んでくれる、そんな息の長い選手になること」と答えていました。
なぜかふと本書の中の関さんが浮かび、彼もプログラミングを通じてこうした素敵な世代のループを作ろうとしているのではないかと。一人で勝手に感激した春近い晴天のベランダでした。
株式会社テレビ大阪サービス
代表取締役社長 田上 英樹