【ご質問への回答】他の交通手段ではだめなの?
Facebookにて、ご質問がありましたので、
回答させていただきました。
大西琢也より)
なるほど。率直な想いを書いてくれて、嬉しいです。
これを読んで現状を理解したり、相談できる機会が増えるかもしれません。
ありがとうございます(^O^)/
まだまだ長い眼で継続していくには、
子ども達や保養に送りだしているご家族、ご支援いただいている方々、
私達にとっても改善していく点があるからです。
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送迎が必要なことは共感できるけれど、
高額になることで心配していただいているのでしょうか。
> 他の交通手段ではだめなの?
ダメなのかと言われれば、ダメではありません。
まず、震災直後は各家庭が自家用車で送り迎えとなっていました。
しかし、後述しますが、距離や時間を考えれば、
往復する親御さんの負担はかなりのものです。
他にスタッフが自家用車で送迎することは×ですね。
レンタカーという手もありますが、昨今のバス事故などもあり、
長距離運転はできるだけプロフェッショナルにお願いしたいのは、
子どもをもつ親の心情として私も理解しやすいです。
送迎バスの見積もり額が以前と違って各社一律で共通になったのは、
国からの通達によるものです。
その他で考えれば、
いわき市から電車や高速バスといった「公共交通機関」があります。
実際に私達も数人程度の場合は送迎バス以外の交通手段として
何度も使ってきた実績があります。
金額としては、もちろんこちらの方が安くなります。
ならば!!という皆さんの疑問も理解できます。
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しかし、現実的には「お金」だけが課題ではないのです。
まず、これは変えようがない事実ですが、
◆福島県は広い!東西への移動がしにくい。
北海道、岩手県に次いで全国で3番目に広い福島県。
県内は、縦(南北)へ移動するほうが容易な交通網。
横(東西)への移動は道路や鉄路が限定的になったり、時間がかかります。
◆移動手段によって距離と時間が大きく違う
送迎バスならば3時間のところを、
公共交通(高速バス、電車)を使うと、距離は1.2倍になり、
時間は2倍弱の5時間以上になります。
これは結構シンドイ。
できれば移動は短く、
体験(外遊び)と保養(心と身体)は長くしたいのです。
◆送迎スタッフの負担と不足
公共交通機関を使う場合は、
早朝の集合に合わせて近くに前泊したり、
送った後に泊まる必要も出てきます。
当然、費用も人財も確保する必要があります。
平日の仕事が終わって、最終電車で移動して準備してくれるスタッフもいますが、
毎回は、集合解散場所の市町村に住んでいるスタッフや
協力者がいない場合もあります。
その場合は、保養キャンプの事業責任者である大西が送迎を担当します。
事前準備や後片付けもあるので、最終手段としたいところですが、
最近は回数が増えてきました。。。
◆大きな荷物を運べるか?
1泊2日ならまだしも、たとえば2泊3日以上で6泊7日にもなると、
着替えだけでなく、雨具や水着や靴、懐中電灯など、
小物が積み重なって、
大きな荷物はかなりの重量になることを想像いただけますか?
幼児から小学生が自分でもてない場合で、公共交通機関の場合は、
同行するオトナが助けることになりますが、それも限界があります。
送迎バスならば、集合解散場所から、現地こめらの森まで楽々です。
◆敷布団や工作物は?
こめらの森は古民家である良さを最大限に活かして、
体験活動をしています。
その反面、構造的に収納が少ないために「敷布団」は
各自が持参することになっています。
電車や高速バスに乗って、敷布団を持参することは難しいです。
同時に、プログラムの選択肢や幅が広いため、
子ども達が創った弓矢や木の椅子や木の家などなど。
そうした作品は送迎バスに載せていくほうが、
子ども達にとっても、スタッフにとっても安心です。
◆放射性物質は広範囲に降下
ご存じのとおり、放射性物質は福島県だけでなく、
日本列島の広範囲に降下しており、海外にも及んでいます。
福島県内とその周辺(飛び地もありますが)は、
残念ながらかなり広く濃い状況です。
もう大丈夫とか、復興とか、風評だとか言われることもありますが、
実際はどうでしょうか。
こちらもよろしければ、ご覧ください。
そうした中で、
◆参加者の居住地が多様
「こめらの森・南会津」では、
どこか一つの市町村からまとまって参加していただくのではなく、
県内外のどこからでも参加できるように募集をしています。
その時々にはなりますが、
いわき市だけでなく、福島市、郡山市、須賀川市、白河市、
塙町、矢吹町、相馬市、本宮市など参加者は県内各地から集まります。
◆なぜ居住地を限定しないのか?
それは「福島県」というくくりではなく、
どこに住んでいても子どもが
子ども時代に外遊びを思う存分にする経験が
豊かな人生の糧になると思っているからです。
核事故でFukushimaという世界でも前代未聞の状況にあって、
福島県民だけが参加できるとか、支援しますというくくりをすればするほど、
社会的には他人事になっていく方々も増えます。
差別の温床になるのは、
自分は関係ないという「驕り」や「無関心」だと思います。
この現在進行形の核事故を、世代や地域を越えて、
明日は我が身どころか、今ココが未来の始まりであることを
共有して一緒にできることを考え、日々実践できたらと思っています。
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公共交通機関の安さも念頭におきつつ、
今は送迎バスを選択している現状を
ご理解いただけるとありがたいです。
お金だけではない「関わり」を育むことが
子ども達の未来への希望になっています!!
ぜひできること、できる理由を探して、
関わってください。