
「オワコンを、ゾッコンに。」
ホラを吹き続けていたら、本当に法螺を吹くことになりました。
先日、3年に一度行われる**「布橋灌頂会」**にて、法螺貝を吹く役を務めさせていただきました。
いやぁ、本当にありがたい経験でした。
終わってから改めて振り返ると、
人生って、どこでどうつながるか分からないものですね。
僕が里山で活動を始めた頃から、ずっと言ってきた言葉があります。
「オワコンを、ゾッコンに。」
有名な観光地でもない。
立派な観光施設があるわけでもない。
どこにでもありそうな、小さな里山。
でも僕は、そんな場所にゾッコンになりました。
始まりは自転車ではなく、歩くことでした。
地域のおじいちゃんたちと山へ入り、
「昔はここに道があった」
「この先には洞窟がある」
そんな土地の記憶を教えてもらいながら、とにかく歩く。
地図にはない道、洞窟、言い伝え、暮らしの跡。
そして何より、里山にはまっすぐなものがほとんどない。
木も、水も、道も、地形も曲がり、植物や虫や獣、いろんな生命が生々しくひしめき合っている。
そんな場所に身体ごと入っていると、普段の暮らしの中で忘れてしまった、人間の中の**「縄文的な何か」**まで呼び覚まされるような気がする。
……まあ、これは今になって思うことかもしれません(笑)。
その面白さを、人にも伝えたい。
ただ、里山はとにかくアップダウンが続く。
そんな時に初めてE-MTBに乗って、
「あ、これなら行ける。」
と思いました。
速く走るためでも、坂を攻略するためでもない。
その先にある景色や道、歴史や暮らしまで、初めての人と一緒に楽しみに行ける。
先に里山があった。
そこに人を連れていく方法として、E-MTBと出会った。
そこから道を整え、人を案内するようになり、僕はほぼ毎日のように山へ入るようになりました。
そして、ツアーの先にある大岩日石寺へ協力をお願いに伺ったことをきっかけに、ご縁が生まれました。
その中で、お寺の管長さんから一本の法螺貝を託されました。
それから僕は、山へ入るたび、山頂で法螺を吹くようになりました。
一方で、山を歩き、人を案内するほど、この土地の歴史にもどんどん惹かれていきました。
立山信仰を調べていくと、かつて山へ向かう人たちがいて、その人たちを山を知る人が案内していた歴史が見えてくる。
もちろん、時代も意味もまったく違います。
それでも、道を整え、人を山へ案内し、その土地の歴史や物語を伝える。
「あれ? 今、自分がやっていることにも、どこか重なるものがあるな」
そんなことを感じるようになりました。
そして今回、布橋灌頂会で法螺を吹くお話をいただきました。
もちろん僕は山伏ではありません。
正式な修験の修行をしたわけでもありません。
だから最初は、
「いやいや、本当に僕でいいんですか?」
という気持ちもありました。
それでも、芦峅寺でこの行事を大切に受け継いできた方々とのご縁から、
「佐藤さん、法螺お願いね」と。
そして気づけば、山伏装束を身につけ、
布橋灌頂会で法螺を吹いていました(笑)。
里山を歩き始めたこと。
土地の人から記憶を教えてもらったこと。
E-MTBと出会ったこと。
道を整え、人を案内するようになったこと。
一本の法螺貝を託されたこと。
そして、立山信仰を深く調べるようになったこと。
その時々では、全部別々の出来事でした。
でも振り返ると、
一つひとつの「因」があり、
たくさんの「縁」が溜まり、
いつの間にか一本につながっていた。
そして何より――
「オワコンを、ゾッコンに!」
なんて言いながら、小さな里山で散々ホラを吹いてきた僕が、
まさか、
3年に一度の布橋灌頂会で、
本当に法螺を吹くことになるとは(笑)。
人生、面白いですね。
今回、この大切な役を任せていただいたこと。
そして、ここまでたくさんの因と縁をつないでくださった皆さんに、本当に感謝です。
これからも小さな里山へ入り、道を整え、人を案内し、
「ここ、めちゃくちゃ面白いですよ!」
と、まだまだホラを吹いていきます。
オワコンを、ゾッコンに。
そして山頂では――
今日も、ホラ吹こう。



