『薬が無料で配布するようになったら、悪用する人が出てくるのでは・・・?』
今回はそんな疑問にお答えしていきたいと思います。
ー薬を悪用する人がいるのではないか?
まず前提としてですが、悪用される可能性が100%払拭できないとしても、オンライン処方と無償提供を行うべきであると考えています。「病院が遠い」「障害があるため、誰かの付き添いなしでは病院にいけない」など、オンライン処方&無償提供が必要な若者たちには様々な理由があるので、薬が100%悪用されない仕組みができるまで何もしないよりも、まずはそのような立場にいる子たちが薬を手に入れられる環境を作る必要があります。障害がある方は抵抗が難しかったり、逃げられないなどの理由で性被害にあいやすいという調査や実感もあります。(視覚障害者女性に向けた性被害実態調査アンケート)
その上で想定している悪用と対策は以下の通りです。
悪用例1. 売春を目的とした人が薬を購入する
薬を処方するときには、個人情報の登録・証明とオンライン通話での診察を必須にしています。ちなみに今の日本でも、売春目的の大人がお金を渡して緊急避妊薬を飲ませているケースはあります。そして、現状のその状況を脱するためには、売春される立場にいる女の子に支援と知識を届けることが必要であると考えています。つまり、この状況であっても、私たちが行おうとしている「困っている子たちの可視化と継続的な支援」「安全に過ごすための知識や勇気を届ける」ことが重要であると言えます。
悪用例2. 大量に使う子がいる・大量に手に入れて転売する
薬の処方をしたら履歴が残ります。異常な数の薬を処方されている子には、緊急避妊薬を実際に飲んでいる場合も、それを転売している場合にも何かしらのサポートが必要な状態であることが予想できます。「無自覚に犯罪へ加担」しているケースもありますが、それは、むしろ私たちが行おうとしている「困っている子たちの可視化と継続的な支援」につながります。
私たちの今回のプロジェクトにおける一番の目標は薬を届けることではなく、それを通じて困っている若者とつながり、継続的な支援を届けられる仕組みを作ることです。
もちろん、私たちのプロジェクトが悪用されることは全く本意ではないですが、悪用されることを恐れて本当に困っている若者に支援が届かないのでは意味がありません。
そのため、たとえば売春の被害にあっている、または何度も緊急避妊薬を使う必要のあるといった若者とはむしろ積極的につながりを持ちたいと考えています。
多くの方の理解を得るためにも、困っている方に届け続けていくためにも、
悪用を防ぐための工夫も常に怠らずにまいりたいと思います。