いつも応援してくださる皆様、クラウドファンディングは現在74%まで達成しました。心からありがとうございます。そして、教科書にしてあと620冊、なんとか子供たちに届けられるよう、これからもご支援、シェア、よろしくお願いいたします。
さて、今日はタンザニアのコロナ事情についてお伝えしたいと思います。
アフリカでのコロナ事情はあまり日本では報道されませんが、タンザニアでは特殊な対応が取られていました。
ご存知の方も多いかと思われますが、今年3月に亡くなった前大統領のジョン・ポンベ・マグフリ氏が一貫して感染の流行を否定する主張をしてきていたのです。昨年6月にはなんと収束が宣言されました。
感染者数など新型コロナに関する統計の公表も昨年4月~5月に中止され、現在でも感染者数は509人、死者は21人のままです。こうした彼の政策は多くの批判を浴びました。(ただ、彼自身の死因は新型コロナではないかともいわれています。)
一方で、以下の2点から、日本とまったく違う状況が浮かび上がってきます。
① 日本と比べて感染が広がりにくい地理的条件
タンザニアは、都市部に暮らす人が全人口の3割ほど、残りの7割は都市部から離れた村に住んでいますが、そもそも村と都市部など、よその地域との往来はそれほど頻繁ではありません。さらに現在は大雨季。大雨による影響で、移動しようにも道路が使えない状況とのことです。
② 村の人々の生活は、自給自足のような形態をとっているところが多い(現金収入に頼っていない)
観光客がいないため、観光業に携わる仕事での現金収入や、国全体の収入は激減しているものの、暮らしに必要な食料などは自分たちの畑や遊牧しているおかげでなんとか賄えるため、日本のように職を失い食べていけない、という人はそれほど多くないようです。
ところでマグフリ前大統領は生前、「ハーブの薬と祈りによって新型コロナの感染から守られる」と主張していたとも言います。
日本に暮らす私たちが「そんな対策ありえない」と一蹴することは簡単ですが、そもそも、私たちと同じように誰もがきれいな水で手を洗えるでしょうか?
マスクを入手できるでしょうか?
フェイスシールドやアクリル板など見たこともない人が多いでしょう。
農村部に住む人々が目に見えないウイルスにパニックを起こして診療所に詰めかけたらどうなるでしょうか?
根っこにある問題を改めて考えると、日本の常識で判断してはいけないことが分かります。
その一方で、前大統領の死後、新しく選ばれた大統領は女性、という一面もあります。(日本より進んでいる?)
新大統領は、コロナ対策として、水際対策を以前よりはるかに厳しくし、様々な改革を行っています。女性の大統領というよりは、“ママ”、つまり国民を心配する母というイメージで賛同を受けている大統領の手腕に注目が集まります。
ちなみに、2020年2月にTOFAのメンバーが視察した時、ニャンブリ村の診療所は、よその村から応援で来ている医師が一人で長時間にわたって診察を行っていました。(ボーダーのシャツを着た男性です。)
医療器具も十分にはなく、薬の棚は空っぽ。診療所の外には、診察を待つ大勢の妊婦が列を作っているような状況です。
医療に関する基本的な知識、そういったところにも教育を受けているかいないかで大きな差がでてくるのは間違いないでしょう。
慢性的に不足する医師や看護師を育てる教育、感染症予防に必要な最低限度の教育、感染症の予防に繋がるインフラ整備の技術者養成のための教育・・・
そしてここでも教育、何をするにしても教育の問題は避けて通れません。
そのために、私たちはまず、子ども達に教科書を贈ります。
まだまだ先の長い道のりですが、挑戦は始まったばかりです。
私たちの教科書で学んだ子供たちの中から、ニャンブリで初めてのお医者さんが生まれたら、どんなに素敵だろうと夢見ています。
この種がいつか必ず結実するように、引き続き、ご理解とご支援を宜しくお願い致します。