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小説好きのあなたに近未来を届けます。

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

現在の支援総額

18,000

1%

目標金額は1,000,000円

支援者数

4

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

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18,000

1%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数4

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

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「衆議院が解散しそうだ。マスコミは解散を前提として、何時首相

が解散権を行使するのかばかりを報じている。こうなると流れは止

まらない。解散となれば四〇日以内に総選挙が実施される。選挙権

を持っている者は挙手」

 政治経済の木村が挙手を求めた。半分弱が挙手。

「九月末日までに一八歳を迎えると選挙権を持つ。棄権するなよ」

 氷空ゆめは「は~い」と返事したものの、どの党に、誰に投票す

るのか、決まらない。決められない。判断不能状態。それはクラス

の全員の戸惑いだった。街には各政党の政策宣伝車が繰り出し、自

党への支持を訴え、新聞は特集を組み、各選挙区からの立候補予定

者を掲載していた。此処は北海道一区。

「棄権するなよ」とは木村に脅迫されている。棄権したら、思慮が

足りない、だらしない、いい加減。何も考えていないパープリンだ

と。そもそも日本人は棄権が嫌いだ。途中で棄権したら本人は罪悪

感に苛まれるし、周囲も、今までどんな練習をしてきたのか…。何

て根性のない奴、と眼が冷たい。特に駅伝ではそれが著しい。

 氷空ゆめはパープリンと周囲の冷たい眼を想った。

 罪悪感は無視した。選挙権は自ら望み、手にした権利ではない。

降って湧いたような与えられた権利。先進国の選挙権は一八歳から

が趨勢。投票者数と、あわよくば投票率を上げようとする政治家と

役人の思惑からの権利。そんな権利なら、どのように使おうがわた

しの勝手。わたしだって棄権したくない。棄権しないとは、誰かに、

林立している党の何れかに、投票しなければならない。その投票先

が見つからないのだ。

 氷空ゆめは教員室に木村を訪ねた。

「どうしたんだ。ゆめ。おっかない顔して」

「先生。教えて欲しくて。投票する先が見つからない時はどうした

らいいんですか」

「そうなったら何も書かないで白紙で投票箱に入れるんだ」

「それって棄権と同じじゃないですか」

「いや。違う。立派な投票行動だ。無効票として扱われるが投票し

たとカウントされる」

「無効票って間違って書いたとか、イタズラ書きしたとか」

「そうだ。それでも投票率を上げるのに寄与する」

「それって何かムダ。棄権と変わらない。わたし。投票率を上げる

為に投票したくない」

「ゆめ。政府も総務省も投票率にはとても敏感。投票率を上げよう

と常に考えている。民主主義の根幹だからなんだ」

「先生。白票がどのくらい増えると選挙結果に影響が出るの…」

「取り決めは無い。これは私の考えだが、無効票が投票数の一〇%

を越えたら大騒ぎなるだろう。しかしそれでも選挙結果は変わらな

い。白票が増えて投票総数の四分の一を当選者が獲得できなかった

場合には当選が無効になるが…」

「当選したけれど四分の一に満たなくて無効になった例は在る…」

「国政選挙では無い。小選挙区制ではこれからも発生しない」

「やっぱ白票には意味が無い。後ろ向き。先生。わたし。自分が投

票したくなる政策を創ってみる。出来たらまた来る」

「ゆめ。おまえ。凄いこと言うなぁ」


 氷空ゆめは学校を出ると書店に向かった。普段は停まらないコー

ナーに立った。『社会科学』。何時もは雑誌とコミック。ブックケ

ースの背には有斐閣とか第一法規、岩波書店と馴染みのない名前。

一冊を取り出し値段を見た。二五〇〇円。他の厳めしい本もすべて

二千円以上。中には三千円を越えていた。何れも写真やカットが無

い。文字が小さい。そして文字だらけ。馴染まない。講談社とか集

英社とか小学館を探すことにした。平積みの冊子に『日本の一〇の

課題』が在った。九八〇円。写真とイラストが気に入った。

①安全保障と憲法改正

②少子化と待機児童

③高齢化

④所得格差の拡大(相対的貧困)

⑤北朝鮮問題

⑥日本の借金

⑦女性が輝ける社会

⑧原発

⑨地球温暖化

⑩南海トラフ


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