Check our Terms and Privacy Policy.

小説好きのあなたに近未来を届けます。

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

現在の支援総額

18,000

1%

目標金額は1,000,000円

支援者数

4

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

エンタメ領域特化型クラファン

手数料0円から実施可能。 企画からリターン配送まで、すべてお任せのプランもあります!

このプロジェクトを見た人はこちらもチェックしています

小説好きのあなたに近未来を届けます。

現在の支援総額

18,000

1%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数4

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

このプロジェクトを見た人はこちらもチェックしています

 氷空ゆめは書店が入っているビルの『マクドナルド』で冊子を開

いた。『少子化』と『女性が輝ける社会』が気になった。課題が自

分に近い。『少子化』では年ごとの新生児者数がグラフ化。

 わたしが生まれた時の新生児は一、一七七、六六九人。

 平成二八年では初めて百万人を割り、二九年は九四一、〇〇〇人

の予測。これでは人口が減るのは当然。人口減は平成十九年から始

まっていた。一〇年連続の減少。この流れでは今年も減る。平成二

九年は四〇万人以上も減ると推定されていた。

 平成二十二年の人口は一億二八○六万人。それから二〇年後には                           

三分の一が六五歳以上。三八年後の平成六○年では人口一億人割れ。

 地崩れを起こすように人口が減っている。

 氷空ゆめは少子化をテレビで知っていた。

 テレビでは具体的な数字を取り上げていない。いや、取り上げて

いたのかも知れない。わたしの記憶に刻まれていないだけなのかも。

一億人を割り込む三八年後のわたしは五六歳。母さんと同じ年齢。

 氷空ゆめは五六歳の自分と日本を想った。自分の五六歳を想い描

けない。結婚して子供を育て、あと少しで育て上げる年齢が五六歳。

出産が早い女性ならば子育てを終えている。わたしの子供は男なの

か女なのか。子供は何人。夫はどんな男なんだろう。わたしは結婚

していないかも知れない。でも子どもは必ず産む。シングルマザー

の可能性もある。三八年後の母さんは九四歳。生きていないかも。

 二〇年後は三分の一が六五歳以上。とすれば三八年後には六五歳

以上は半分に近づく。こうなると街は老人で溢れている。マックに

座っている半分は老人。今でも母の田舎に行くと村人の半分以上が

老人。占冠には祖父母と二人の叔父と家族が暮らしている。従妹が

四名。今も大家族。母に連れられて弟と一緒に年に二回は行く。祖

父母は楽しみにしてわたしたちを待っている。商店街と繁華街なし。

居酒屋が一軒。コンビニもどきのスーパーを兼ねた商店が二つ。書

店が無い。何処にも新聞を売っていない。道を歩く人が居ない。子

供が居ない。高校生も居ない。老人のほとんどが年金暮らし。それ

も自給自足っぽい暮らし。たまに出会う若者は移住者か役場の人。

 いくら元気でも若者や子供と比べると老人は活きが良くない。老

人は跳ね廻らない。ダッシュしない。歩きが遅い。動きも緩慢。バ

カ笑いしない。夢や目標に向かって突き進む老人と出会ったこと無

し。雪が降り積もった時の除雪は老人の仕事。他にやること無し。

何が楽しくて生きているのか不明。何時も周りを気にしているよう

に見える。それは自分との比較。共通の話題は持病と孫と昔の自慢

話。そして終活。どう考えても躍動していない。走っていない。今

を生きていない。元気のない日本の姿ばかりが浮かんでしまう。

 冊子には、少子化を喰い止め、人口減を防ぐ方策は、記されてい

なかった。氷空ゆめは、自分で考えろ、と言われているように思え

た。どうして日本の若い女性は子供を産まなくなったのだろう。産

まなくなったから少子化が始まり、つれて人口減が発生。高齢化社

会の拡張は医療の進化のお陰もある。平均寿命が年々延びている。

それなのに平成十九年から日本の人口が減り始めた。

                           

『女性が輝ける社会』のページを開いたとき「ゆめ。何やってるの。

突然呼び出して」。仲美子だった。今は隣のクラス。

「わるい。勉強してるんだ」                         

「見れば分かる」

「ごめん。ちょっと聞いて欲しくって。マック。おごるから」

「分かった。シェイクつけていい…」

「うん」。氷空ゆめは木村の話しからの顛末を伝えた。

「私は自分が投票したくなる政策なんて考えない」                                      

「どうして」

「政治は嫌いなんだ。政治家にピュアを感じない」

「そうだよね。ピュアを少し感じるのは小泉新一郎くらい。あとは

魂胆を鎧にまとったジジイばかり。でもね。やるって決めたんだ」                                     

「ゆめ。何をやらかそうと…」                                     

「見て。『日本の一〇の課題』だよ。美子も知っている課題。こん

なに課題があるのに知らないフリできないんだ。だから協力して」

「協力って何さ」

「女子高生の主張。わたしの政策をHPに載せたいんだ。だからH

Pを創って…‼…。格好良いのを創って…‼…。美子はパソコンの

達人。名前を決めたんだ。『未来探検隊』。どう…」

「結構良いネーミングじゃん。創れるけれど問題はゆめの政策」

「大丈夫。何とかなる。何とかなるような気がするんだ」

「何とかしてどうするの」

「今は主張したいだけ。集中して勉強して考えれば『日本の進む路

』が見えてくると思うんだ。精一杯やってダメなら諦める」

「本当にゆめは小っちゃい頃から何も変わっていない。ただやろう

としてやる。先のことは何も考えていない。ひと言で言えばバカ」

「わたし。バカなの」

「バカ。でも私、そんなゆめが好きだからトモダチしているんだ」

シェアしてプロジェクトをもっと応援!