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小説好きのあなたに近未来を届けます。

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

現在の支援総額

18,000

1%

目標金額は1,000,000円

支援者数

4

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

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18,000

1%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数4

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お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

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 その夜、氷空ゆめは若君の夢を観た。新月では無かった。念じず

とも儀式せずとも若君が現れる予感があった。その通りになった。

夢の中で「やっぱり若君だ」と神さまに感謝した。若君は舞台でギ

ターを弾いている。何時もの戦国ヘビメタ衣装で歌舞伎のメイク。

爺も殿も若君の後ろに控えている。姫がマイクを持ち観客に語りか

けている。『バンド甲子園』の横断幕が舞台の上に吊るされていた。

 毎年冬休みに入ると直ぐに『バンド甲子園』の札幌地区予選が開

かれる。ここでの二位までが道予選の出場権を得る。北海道予選で

グランプリに輝くと元旦の東京での全国大会に出られる。ここから

メジャーデビューしたバンドも少なくない。謂わば登龍門。 

 ほら貝が鳴った。太鼓が打たれた。打音が早まる。戦さだ。若君

と爺と殿のフォービートに乗り、キーボードを前にして姫が唄う。


——わたしは静かに時を待つ 

  むやみに騒ぐのは愚か

  その時を待つ 

  その時には牡丹の花が咲く

  その一瞬を待っている 

  その一瞬に生きている

  この一瞬があれば生きてゆける

  牡丹の花が開いた

  シアワセになれなくても 

  わたしはシアワセ

  わたしの傍らで情熱の牡丹が花開くなら——


『情熱の牡丹』の新しいバージョン。元気そうだ。前よりも綺麗に

なっている。色白。笑顔が可愛い。妖精に観えてしまう。わたしと

云えば色黒。ソフトボールかサッカー部。おまけに足軽。悲しいか

な顔つきも身体つきも幼い。女子力では到底かなわない。若君とは

夢の中でしかつき合えないのかも…。予知夢は『戦国時代』が予選

を突破したのかを教えてくれなかった。年が明けると、みんな、受

験。若君も進学するに違いないけれどどうするのだろう。                          

 若君に助けられて今のわたしが在る。「好かん」に打ちのめされ

ても、「頼っているから」と言われても、「嬉しくない」とダメ出

しされても、「オナゴとはつき合わない。気が緩む」と拒絶されて

も、わたしが、今やらなければならないのは諦めないこと。次を考

えること。コクって「やったぁ~」と浮かれたかったけれど、嘆い

ては居られないのだ。新しい世への突破口を考え出さなくては…。


 氷空ゆめは人を動かす、人を変えるにはどうしたら良いのかを考

え続けた。若君の斬新もヒントになる。人間は感動できる。魂を震

わせる感動に打たれたいと願っている。無意識で何時も感動を求め

ている。感動してもらうにはどうしたら良いのだろうか…。

 新しい世を創るには感動が…と考え始めた。何とかせねばならぬ。

考えても考えても答えが出ないのは知っている。それでも考えさせ

られる。具体的な追及無くしてこれらの答えの方向性が見えて来な

い。これも分かっている。若君も考えているのだ。

 日本が今イチバン困っているのは何だろう。地震と津波が浮かん

だ。今でも困っている人たちが居る。肉親を亡くした多くの人たち

の悲しみが渦巻いている。故郷に戻れない人たちも多い。町ぐるみ

で戻れない。地震と津波は防げない。発生後の対策しか取れないの

が実際の処。人知で解決できて困っているのは原発だ。今すべての

原発を止めても処分場が無い。無いから続けているんだ。高レベル

核廃棄物恒久処分場。これが日本が最も困っている処。何時か何処

かに建設しなくてはならないのに全く目途が立っていない。

 先ずは地盤がしっかりしていて活断層が無い処。火山と無縁の処。

冬の寒さが厳しい処。人口が集中する大都市から離れている処。港

からの交通アクセスが良い処。地域住民の合意形成が可能な処。

 ここまで考えると氷空ゆめの脳に灯りが点った。


…在った。やったぁ~。母さんの故郷占冠。爺ちゃん婆ちゃんと二

人の叔父さんと連れ合い。四人の従妹が暮らしている。百頭以上の

牛も。二匹の犬も。十五羽の鶏と二〇頭の豚が暮らしている占冠…



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