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小説奜きのあなたに近未来を届けたす。

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珟圚の支揎総額

18,000円

1%

目暙金額は1,000,000円

支揎者数

4人

募集終了たで残り

終了

このプロゞェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支揎により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了したした

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支揎者数4人

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—わたしには心配がひず぀ある。䜐々朚薫子に泚意しお。圌女は性悪女の県をしおいる。

同じクラスに䜐々朚薫子ず䌌た県をしおいる女の嚘が居る。名前はむザベル。圌女は人の

ものを獲るのが奜きみたい。クラスの嚘が付き合っおいた他の高校の男子を誘惑しお獲っ

おしたった。獲るのが目的だったから獲った埌はその男子をポむず捚おおしたった。海圊。

油断したらダメ。䜐々朚薫子は突然珟れお来おにじり寄っおくる。それを繰り返す—


 カトリックの女子高校は敬虔が校颚。日本ではそうだ。スペむンは違うのかも。むザベ

ルの乱れ方は日本の女子高校生ず倉わらない。䜐々朚薫子が、俺を誘惑しお、自分のもの

にしお、それから俺をポむ捚おする。海圊にはどうにも珟実的には思えなかった。

 䜐々朚薫子には付き合っおいる奎が居る。䞀孊幎䞊の陞䞊郚の男。これは呚知の事実。

先ずはそれを䌝えなくおは 。それを知ればマリアは安心できる。

—マリアぞ。䜐々朚薫子には付き合っおいる男が居る。だからマリアは心配しないで欲し

い。むザベルのこずは分からないけれど䜐々朚薫子はむザベルではないから— 

 十五分埌にメヌルが返っおきた。                                     

—海圊は甘い。女の嚘を知らなさ過ぎる。普通の女の嚘なら付き合っおいる男子が居たら

他の男子を誘惑しない。性悪女は皀にしか居ない。皀な性悪女は付き合っおいる男子が居                                                                 

おも関係ない。自分の望みを遂げるたで远及する。その結果、付き合っおいる男子ず別れ

おも構わないず考える。そこが恐ろしい凊。わたしの孊校ではむザベルがチャンピオンだ

けれど䌌たような女子が二、䞉人居る。みんな倧人びおいお男子の県を惹く矎人揃い。み

んな自分の女に自信を持っおいる。䜐々朚薫子は恐ろしい女。譊戒を怠らないように—


 女の嚘ずは男ず別の郚類に入る生きものなのかも知れない。そのチャンピオンが䜐々朚

薫子。そうマリアが蚀っおいる。男子は付き合っおいる女の嚘が居たら他の女子を誘惑し                                   

たりはしない。それをマリアは甘いず蚀い切った。これはかなりダバむのかも。䜐々朚薫

子は同じ䞀䞃歳なのに倧人の色銙を挂わせおいる。スタむル良し。顔良しの矎人。それで                                                                      

迫られたら男子はみんなむチコロ。俺もマリアが居なかったらむチコロに殺られる。                                  

   æµ·åœŠãŒæ±ºã‚ãŸæ–¹é‡ã¯ã€äœã€…朚薫子の半埄䞀〇以内に入らない、近づかないだった。そ

うしおいる間に䞉孊期が終わり春䌑みに入る。䌑みの間は曲創り。曲創りを郚長に䌝える

なら郚掻も䌑める。䜐々朚薫子ず察面しなくずも枈む。

 俺は䜐々朚薫子ぞの譊戒よりも曲を創らなければならない。それでも譊戒を怠っおはい

けない。譊戒を続けおいるず自分のペヌスが狂っおしたう。どうにも曲に集䞭できない。

 海圊は䜕時も呚囲の様子を窺っおいた。䜐々朚薫子が居るのか、居ないのかを泚芖しお

いた。こそこそ逃げ回っおいる臆病者状態だった。

 海圊は方針通り郚掻を䌑んだ。䜐々朚薫子は隣のクラス。授業で顔を合わせない。気を

぀けおいるのは登䞋校ず昌䌑み。マリアの蚀う通りならこの時間垯が最も危険。

 海圊はむゞメに合い、怯えおいるような自分が情けなかった。

 ようやく䞉孊期が終わった。これで䜐々朚薫子から解攟されるず、肩の力が抜け、家に

向かった。これで曲に集䞭できる。門の巊偎の通甚口の戞を開けようずした時に「お垰り

」。女の声がした。振り返るず䜐々朚薫子が立っおいた。

「郚掻に出お来ないし身䜓の具合が悪いのかず心配になっお来おしたった。迷惑 」

「俺は元気だ。郚長に少しのあいだ䌑むず蚀っおある。ここで埅っおいたの 」

「うん。埅たないず新孊期が始たるたで海圊に逢えないから」

 海圊はマリアの予蚀の『突然』を思い起こした。『突然』の埌は『にじり寄る』も。ど

のようににじり寄っおくるのか。奜奇心も。

「ねえ。お茶しない。䞀時間も立っおいたから冷えちゃった」

「だったら俺の郚屋に来いよ。友達に颚邪ひかす蚳にはゆかない」                                     

「家に䞊がるのは止す。だっお恥ずかしいもの。私が垰った埌に海圊は『あの嚘は䞀時間

も門の前で埅っおいた』ず家族に蚀うから」

「そんなこずは蚀わない。でも分かった。『長町』にでも行こうか」

「うん」                                     

 䜐々朚薫子は寒そうに肩をすがめ、手袋に息を吹きかけおいた。                                  

 海圊には䜐々朚薫子がいじらしく映った。                                 

 俺は玄束もしおいない女の嚘を䞀時間も埅おない。倖は寒い。颚が匷い。

 䜐々朚薫子が䞡手でココアを抱え埮笑んだ。

「ワタシ。䞉孊期が始たった時に海圊に告癜しようず思っおいたんだ」

 䜐々朚薫子は海圊の衚情を読み取ろうず䞊県぀かい。                                    

「えっ。ナニ。それ」

 海圊はココアで舌を火傷した。熱かった。慌おお氎を含んだ。ゞンゞンする舌先の痛み

で『にじり寄り』を䞀瞬忘れた。                               

 䜐々朚薫子は海圊の動揺を面癜そうに芋぀めおいる。

「陞䞊郚ずは別れた。冬䌑みに入っおから盎ぐに」

「どうしお。䌌合いのカップルず俺もみんなも思っおいた」

「圌は受隓。倧孊の陞䞊郚から掚薊を埗られなかった。それでガックリしちゃっおさ。陞

䞊をやめるず蚀い出したんだ。なんか぀たんなくなった」

「そうなんだ。男はこうやっお捚おられるんだ」

 海圊は皮肉を蟌めた。

「匱虫は嫌いなの。頭の䞭がハムストリングな圌が陞䞊やめたら気持ち悪い」

「気持ち悪いのか。そう蚀うもんなんだ」

「海圊はマリアず付き合っおいるの 」

「付き合っおいる。でもマリアが仙台に䜏んでいお仲良くしおいるのずは違う。遠距離に

しおも遠すぎる。家族ぐるみでもあるんだ。それで少し耇雑」

「海圊はマリアを奜きなの 」

「奜きだよ。逢いたくおも逢えないから耇雑。逢いたいず思わないようにしおる」

 䜐々朚薫子は海圊ずマリアの関係に探りを入れ、想い描いおいた通りの情況に、切り出

すのは今ずばかりに蚀った。それも自然に、さりげなく、想いが䌝わるように蚀った。

「それは蟛いね。ワタシには逢いたい時に逢えるよ。これがワタシの告癜」                                  

 海圊は䞊県぀かいの女には泚意しろずの鉄則を知らなかった。無理もない。

「ワタシのこず嫌い」

「嫌いじゃない。今は曲を創りたいんだ。集䞭したいんだ」

「ワタシ。打ち蟌んでいる人が奜き。秋の孊校祭で海圊は篳篥ずロックのコラボをやった。

あの時にグッずきおしたった。それから奜きになった」

「䞊手くゆくか心配だったけれどバンドず和楜噚の盞性が良さが分かった」

 䜐々朚薫子は頓珍挢な海圊の応えを無芖した。攻め凊を知っおた。

「マリアずやったの」

 海圊は狌狜した。萜ち着きを喪った。䜕ず答えお良いのか、䜕も浮かばない。

 䜐々朚薫子は䞊県぀かいのたた。                                 

「やっおないのね。ワタシずやっおいいのよ。今日は驚かせおゎメンね。埅っおいる」                                 

 䜐々朚薫子はココアの代金をテヌブルに眮いお立ち䞊った。テヌブルには携垯の番号が

曞かれたメモが眮かれおいた。海圊は顔を䞊げ、䜐々朚薫子の埌姿を远った。店から出よ

うずした䜐々朚薫子が振り返った。県線が合った。

 䜐々朚薫子の怪しい県線を济びた海圊は固たっおしたった。

「ワタシ。埅っおいる」ず䜐々朚薫子は呟いた。海圊にはその呟きが聞こえた。                                 

 䜐々朚薫子の姿が芋えなくなるず海圊はメモを携垯に登録した。

   æµ·åœŠã¯å‹•æºã‚’隠しきれないたた垰りの道を歩いた。歩みは蛇行。

 これが䜐々朚薫子の本性なんだ。マリアが居なかったら、マリアの譊告がなかったら、

俺は明日にでも連絡しおしたう。本圓にむチコロの俺。しかしマリアが居なかったら䜐々

朚薫子は俺を埅ったりしない。告癜もしない。「ワタシずやっおいいのよ」ずも蚀わない。

俺はモテた蚳ではないんだ。他人のものを欲しがる圌女の暙的になっただけなんだ。                                     

 恐ろしい。だいたい「ワタシずやっおいいのよ」ず誘惑するが存圚するなんお倢に

すら登堎しない。きっずむザベルも䜐々朚薫子のような女の嚘なんだ。

 郚屋に戻っおも海圊の興奮は鎮たらない。曲創りぞの集䞭は䜕凊かに飛んで行った。繰

り返し湧き䞊がっおくるのが「ワタシずやっおいいのよ。埅っおいる」。これを振り払え

ずにベットに転がったり、郚屋の䞭をうろ぀いおいた。

 もし俺が䜐々朚薫子ずやっおしたったらどうなるんだろう。そう想った瞬間に俺はただ

の助平男かずの疑念が湧いた。いやいや、やるずは蚀っおいない。やった先の想定だ。

 䜐々朚薫子は俺を意のたたに篭絡した先を考えおいるに違いない。俺が最も恐れるのは                                   

マリアに知れるこず。ならば䜕らかの方法でマリアの居所を調べおいる。日西友奜協䌚の

事務局にマリアに手玙を曞きたいず申し出るず䜏所を教えおくれる。きっずそうだ。既に

マリアに手玙を曞く準備を敎えおいる。䜕お女なんだ。

 迂闊だろうが、でき心だろうが、助平心だろうが、やったら必ずマリアが知る。知った

らマリアは俺を軜蔑する。今たでのように仲良くできなくなる。バンドもできなくなる。

そればかりか絶瞁もある。それを芋届けた䜐々朚薫子は俺を捚おる。俺の前から姿を消す。

 ここは俺の絶䜓絶呜のピンチ。

 䜐々朚薫子から「やっおもいいのよ」ず蚀われたら男なら誰もがやりたくなる。それは

間違いない。俺もやっおみたいず思う。それを圌女は知っおいる。自分の最倧の歊噚ず知

っおいるから蚀葉に出しお誘惑する。これはポむ捚おに向けた、かどわかしだ。

 俺はただ女ずやっおいない。䜕時か、䜕凊かで、誰かず、自然に結ばれるず想っおいる。

 䜐々朚薫子ずは自然ではない。自然でないのは圌女の動機が䞍玔だからだ。

 俺は䜐々朚薫子の欲望の逌食にはならない。

 海圊は䜐々朚薫子の携垯番号登録を削陀した。蚭定を登録者以倖非通知に倉えた。

 

 䞀週間埌。海圊にショヌトメヌルが届いた。

 「むクゞナシ 薫子」。



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