白雪牧場プロジェクトへの応援ありがとうございます。
プロジェクトオーナーの坂口 創作です。
本日は晴れ。前日の雨も上がり今日はすっきり晴れています。
白雪牧場を応援し、地域の未来を一緒に作ってゆく仲間たちを紹介するシリーズの第二回目は、立山芦峅寺にある「まんだら食堂」です。
「まんだら食堂」は、以前は保育所だった施設を改装して生まれた郷土料理の食堂です。立山アルペンルートに行く途中にあって、週末には多くの観光客で賑わっています。
「まんだら食堂」のある芦峅寺集落は、越中一宮である芦峅寺雄山神社を抱え、日本三大霊山のひとつである立山への登拝者を古くから受け入れて来た山岳信仰の集落です。
立山信仰が盛んであった往時には、宿坊が集落内に立ち並び、日本各地から来た巡礼者たちをもてなしてきた歴史があります。明治の廃仏毀釈による立山信仰の荒廃で、現在現役の宿坊はありませんが、当時の信仰者たちを接待してきた精進料理はいまも伝わっており、看板メニューである「あしくら御膳」として出されています。立山連峰まで広がる芦峅寺は季節になると山菜の宝庫となり、その山の幸を贅沢に使った「あしくら御膳」を頂くと、盛大にもてなされたかつての立山登拝者になったかのような気分を味わうことができます。
一方、観光客だけでなく、「まんだら食堂」には近くで働く人など、地元の人も沢山訪れています。そば、ラーメン、カレー、オムライスなど大衆的な定番メニューが用意され、普段使いの食堂としても愛されています。
ところで、立山登拝の宿坊で栄えた江戸時代、各宿坊が全国にある持ち場を巡り、立山信仰を説いては立山への巡拝者を集めていたそうです。富山の売薬商人のように全国をまわってきた伝統もあって、芦峅寺には、外のものや新しい可能性に開かれた所があります。
その現れの一つが、最近登場した立山の血の池地獄を模した「血の池」シリーズ。真っ赤に唐辛子で染まった激辛の「血の池ラーメン」や「血の池カレー」が、好奇心旺盛なお客さんたちを楽しませています。昔ながらの伝統的な精進料理だけに安住することなく、こうした斬新で冒険的なメニューを出す面も「まんだら食堂」にはあります。また、週末には、手作りオーガニックスイーツの「まんだらおやつ堂」も門前で店を構えており、こだわりの甘味を楽しむこともできます。
伝統と革新。観光客と地元客。普段と非日常。辛味と甘味。こうしたものが混在するのが、「まんだら食堂」であって、森羅万象全てを含んだ曼荼羅のごとくあります。
さて曼荼羅には大日如来や阿弥陀如来などのご本尊が描かれますが、「まんだら食堂」にもご本尊がいます。長年食堂を支えてきた佐伯照代さんです。名前の通り、食堂の太陽として、その存在が食堂を照らしています。サービス精神旺盛で世話好きな好々婆は、地元内外にたくさんのファンを抱え、食堂の賑わいを生んでいます。
10キロ以上離れた白雪牧場で飼われるポニー親子も照代さんの恩恵に実は預かっており、精進料理で使われるニンジンの切れ端を、訪ねるたびに沢山頂いています。食堂賑わい馬肥ゆる。「まんだら食堂」と「白雪牧場」はこうした関係にあります。
かつての立山信仰を支えた芦峅寺集落の宿坊の伝統はいまどこに伝え残されているか。当時の宿坊に泊まった経験はありませんが、郷土料理だけでなく、素朴なおもてなしで、その面影を伝えるのが、「まんだら食堂」であり、佐伯照代さんではないかと思っています。宿坊の味と心を継ぐ「まんだら食堂」に、立山来たらぜひ来られ〜
【まんだら食堂】
立山芦峅寺ふるさと交流館
https://ja-jp.facebook.com/ashikura.kouryukan/
月火定休日 11時〜15時