白雪牧場プロジェクトへの応援ありがとうございます。
プロジェクトオーナーの坂口 創作です。
今日の立山は曇り。涼しい過ごしやすい天気です。
白雪牧場を応援し、地域の未来を一緒に作る仲間たちを紹介する連載。第三回目は「立山結の会」です。
「立山結の会」は、白雪牧場のある立山町大善寺の耕作放棄地で、有機農法でお米を作っている有志の集まりです。「みんなで作って、食べて、売る」をモットーに、自家用に無農薬で米作りをするだけでなく、知り合いを中心としたお米の販売を手がけています。
立山町大善寺は、イノシシによる獣害が出たり、区画整理がされない小さな田んぼばかりであるため、一帯は耕作放棄地が広がっていました。その現実を前に、この耕作放棄地を無農薬米の田んぼとして再生できないかと、近くの集落に住む市井の農業研究者である寺西さんが呼びかけ人となって2020年から2反の田んぼで作付けを開始。2年目となる2021年は8反の田んぼでお米を栽培しています。
集まってくる有志メンバーは、大体10人前後。稲作歴何十年の大ベテランから、稲作について殆どしらない素人まで、米作りの経験はまちまちです。また、平日に活動をやることも多く、私を除けば、終戦前後に生まれた年配のメンバーが多いことも特徴です。話好きのメンバーも多く、集まるとわいわいやっています。
発起人である寺西さんの、地域の耕作放棄地を何とかしたいとの一途な使命感があって、結の会が手がけるのは、誰も見向きしない荒地ばかり。そのため、作付け前には、繁茂した雑草の草刈にはじまり、新たに畦を作ったりといったさまざまな対応が必要です。作付け後も、有機農法で除草剤、殺虫剤、殺菌剤が使えず、通常の農法にない苦労もあります。さらに、昔ながらの農法もやってみようと、一部の田んぼではコンバインを使わず「はさがけ」をやったりと、恐らく立山でも指折りの手のかかる米作りをやっています。
植える前にも植えた後にも、こうした手間に手間をかけた農業ではありますが、「結の会」には人が集まり、楽しく雑談しながら作業をしています。「結の会」には、幼少期を満州で育った石川昇さんというムードメーカーがいらっしゃり、ちょっとやそっとのトラブルがあっても、「いや〜、困ったね〜」といいながらも笑みを絶やさない。精神的な支柱である石川さんのおかげで、多少のことは気にせず先に進んでいく、大陸的なおおらかさとたくましさが会にはあります。
田植えや稲刈といった作業の節目節目には、石川昇さんと奥方である石川たかねさんが呼びかけて、収穫祭といった親睦の集まりを企画。作業終わりにわいわいやる楽しみの花を添えてくれています。石川ご夫妻が育む集まりと人のつながりによって、会の土台に連帯感があることも楽しく取り組めている秘訣かもしれません。
結の会と白雪牧場とは同じ道沿いにあるお隣さん。耕作放棄地を開拓する同志でもあります。寺西さんはお米づくりの師匠であり、石川ご夫妻は何かと面倒を見てくれる先輩移住者というつながりもあって、自分の田んぼをやりながら、「結の会」にも参加しています。いまの主な役割は、販売や広報の仕組みを作ることですが、今後の役割としては高齢者中心の「結の会」に少し若いメンバーを加えた新たな形を作ることで、貢献できないかなと思っています。
さて、「立山結の会」には、「子供たちの学校給食に有機米を」という将来の夢もあります。耕作放棄地からはじまり、道なき所を進んでゆくのが「結の会」のDNA。メンバーが楽しみながら力と知恵を出しあう挑戦がこれからも続いていきます。
【立山結の会】
立山町瀬戸新87
世話人 石川 昇
Instagram tateyama_yuinokai