白雪牧場プロジェクトへの応援ありがとうございます。
プロジェクトオーナーの坂口 創作です。
前回は白雪牧場プロジェクトの工事完成の模様をお伝えしました。振り返ると、6月末に廃屋の解体かららはじまり、整地、ピザ小屋づくり、トイレ・アウトドアキッチン整備と、10月末の完成までほぼ4ヶ月間の工事が続きました。
ところで、白雪牧場プロジェクトは、あらたな牧場を作る取り組みですが、牧場づくりには二つの柱がありました。ピザ窯・キッチン・トイレを作るといった工事が一つの柱。一方、生まれ変わった牧場と様々な人を結びつけて、やってくる人たちの楽しみや地域の新たな可能性を拓くことがもう一つの柱でした。今回は、工事が完成した牧場という箱に、楽しみやつながりを作りながら魂を入れるものとした「立山農芸祭」(11月3日開催)について紹介したいと思います。
少しさかのぼると、2020年9月のSDGウィークにあたる週末、いろいろな人に牧場を知ってもらい楽しんで貰おうと、牧場を開放して「オープンファーム」イベントを行いました。「オープンファーム」では、その年に東京から移住し、近所の古民家で素敵な雑貨店とカフェ「巣巣」を営む岩崎さんによって、コンテナカフェも登場。
原っぱの放牧場にコーヒースタンドがあるだけの素朴なイベントでしたが、秋晴れに恵まれ、友人や地域の人々が集まり、青空の下でコーヒーを楽しんだり、子供たちが虫をとったり馬と触れ合う、のんびりとした時間が流れました。オープンファームが終わって片付けをしていると、「ライブとかあってもいいかもね」と、巣巣・岩崎さんがアイデアをくれました。翌年の夏、牧場工事を進めるかたわら、「新しい牧場が完成したら何かもっと面白いことをやろう」と岩崎さんと構想を練りました。その中で生まれたのが、「田園で農と芸を楽しみながら秋の豊かな時間を過ごす」フェス「立山農芸祭」( Farm & Art Fest 21)です。
コーヒースタンドだけだった前年の「オープンファーム」から、「立山農芸祭」では、音楽ライブ、フードスタンド、アートワークショップ、農家による野菜販売も新たに行うことに。特に、岩崎さんのつながりで、シンガーソングライターの山田稔明さん、作家詩人の高橋久美子さん、店主バンドの「草とTen Shoes」のライブ出演も決まりました。コロナの緊急事態宣言で当初予定の9月末から、11月3日の文化の日に開催は一度延期となりましたが、イベントパートナーの岩崎さんや出店する方々の協力でチケットは売り切れ完売。直前の10月30日に工事も終わり、無事に開催できることになりました。
イベント当日の11月3日、開場前準備の時にはあいにくの小雨。しかし、開場前にすっと雨はやみ、次第に晴れ間が覗くように。続々と牧場に人が集まり、普段は静かな牧場が賑やかな空間となりました。大人は、フードスタンドの美味しい料理を味わいながら、おしゃべりやライブをめいめいに楽しむ。子供は、馬と触れ合ったり、自由に原っぱを駆け回る。思い思いに時を過ごす豊かな時間が流れました。また、コンテナステージから奏でられる音楽によって、会場の空気は一変。田園風景の中で、人、自然、文化、動物たちが一つとして解け合う特別な一日となりました。
ところで、「立山農芸祭」は、芸術や食といった秋の恵みを楽しみながら、豊かな時間を過す場であることを願ったものです。それに加えて、もうひとつ願っていたことがありました。それはつながりから、新たなつながりや可能性を作ることです。実のところ、農芸祭は、何千人と集まる大きなフェスと比べたら、かなり小さなものです。そして、企画、告知、販売、出演、出店、会場準備と、全てつながりのある人たちの協力を仰ぎながら作った手作りのイベントです。やってきた人たちは、何らかのつながりでやって来た人たちが殆ど。そのため、アットホームな大きなホームパーティーのような雰囲気が会場に漂いました。
その中で、集まった人たちの中で新しい出会いがあったり、やりとりの中で何かを一緒にすることになったりと、ちょっとした展開もあったようです。農業、芸術、地域、自然、人々をつなぐことで新たな可能性を生めたらとの思いで始めた「立山農芸祭」でしたが、楽しみだけでなく、出会いやつながりを育む場としてもあったことは、今後の展開が楽しみなところです。
これからについては、巣巣・岩崎さんとの相談して少し工夫と改善をしながら、今年も秋にまた「立山農芸祭 22」を開催できたらと思います。白雪牧場を舞台にした「立山農芸祭」が、地域の秋の風物になる時もいつの日か訪れたらと思っています。
次回はリノベーション後の白雪牧場でどのようなことが行われているのか、休みの日の様子を中心にお伝えしたいと思います。