こんな奇跡が起こっていいのでしょうか。
ここのねスタッフ・保護者一同、びっくりしすぎてどうやってこの状況をとらえればいいのかわからず固まっています…。
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振り返ると約3週間前、クラウドファンディングをスタートさせる直前のこと。
保護者の方からこんな連絡がありました。
「『現金の寄付とかは難しいけどお仕事でボランティアできる部分があれば手伝いたい』という佐伯市の住宅設備の会社さんがいらっしゃいました。今バタバタしているだろうからもうちょっと先にお話ししようと思ってたんだけど『出来たら早めに直接できることをここのねで実際に見て打ち合わせたい』と今日主人に連絡いただいたそう。」
数日後、早速見学に来ていただくことになりました。
お名前を聞くと佐伯で新築・注文住宅の施工やリフォーム工事を行なっている、株式会社イースマイルの清松さんという方でした。物腰は柔らかいのに芯があるのがすごく印象的だったのをいまでも覚えています。
・校庭から水が溢れたこと
・トイレを新設したいこと
・体育館を利用しやすく改装したいこと
ここのねのいまを、包み隠さずありのままにお話ししていきました。話を進めていくと、トイレを新設するにも、現在のコンクリート擁壁(ようへき)では不十分なこと、建物自体の危険箇所があることがわかり、トイレ建設以外にも多くの資金が必要なのか…とここのねスタッフは一瞬で青ざめます。
その晩、清松さんから下記のようなメッセージが入ります。
「わたしにできることがあれば、お手伝いしたいと思います。まずは、週末手が空きそうなので、さっそく擁壁(ようへき)工事と、照明器具の交換など入らせて頂こうと思いますが、よろしいでしょうか?あと、大事なこと伝えて忘れていました。今回の件、お仕事ではないので、一切お金は頂きません。資材なども全て私の方で負担させて頂きます。クラウドファンディングにに募金するかわりのボランティアですので、集まったお金は別のことに大事に使ってください。」
よ、ようへき…???こうじ…???ぼらんてぃあ…???
びっくりしすぎた時って、本当になにもわからなくなるんですね…初めて体験しました。
そして話がトントンと進み、その3日後に、さっそくトイレの新設工事が始まったのです。
ずんずんと工事は進み、2〜3日で擁壁の基礎部分ができてしまいました。
「俺は木(もく)が専門だから、早くそっちをやりたいんだよなぁ…。」
とぼやきながらも、真剣な眼差しで作業をしている姿に「やはりプロの仕事はかっこいい!」と感動。
しかし、わたしたちの頭の中にあるひとつの疑問が浮かびます。
「なぜこんなにもやってくれるのだろうか?」
すると清松さんはこんなふうに話してくれました。
「僕はこの事業にすごく共感するところがある。だから、〇〇さんの投稿を見て、ここのねを取り組みを知ることができて嬉しかった。大変なことが多くあると思うけど、頑張って欲しいと思っているんだ。」
多くを語らず、でも真っ直ぐに芯を持って話してくれる姿に心を打たれました。
クラウドファンディングをリリースする前にはいろんなことを考えました。批判されるんじゃないか、仲間に無理させちゃうんじゃないか、保護者にもっと負担をかけてしまうんではないか、と不安で不安でたまらなく心が破裂してしまった夜もありました。
そんな中で、たくさんの応援とありがたい出会いをいただき、やってよかったと心から感じています。本当に本当にありがとうございます。
最後に、清松さんが心を動かされた保護者の方の投稿が本当に素敵だったので、それを引用してこの活動報告を終わりにしたいと思います。
ーーーーーーーーー保護者投稿を引用ーーーーーーー
保護者投稿①
実はちょうど1年前、士道がここのねに学校見学に行った日。
ちょうど1時間。佐伯から豊後大野市大野町へ。
住所は聞いたけれどここで合ってるの?
入口はどこ・・・・?
そんな不安を抱きながら旧商店街のような道を進むと
この昭和な街並みにニコッと笑顔の背の高いこうちゃん(スタッフ)がいました。
「こんにちは~!いいタイミングでいいですから、あちらへどうぞー!」
見学が始まる時間は決まっているけれど、こちらのタイミングを優先してくれる。
士道の日常といえば、
カウンセリング・病院・またカウンセリング・・・・。
外に出るときはそんな用事だけしかなくて
またかよ、みたいな士道だった。
「えー、やっぱ行きたくないな」
初めての場所に、大人さえ戸惑う。
私もどんな藁にすがる思いで出会いのチャンスをうかがっていたので
ここのね自由な学校の見学も
「とりあえずどんなところか見ておきたい」というくらいだった。
まだまだ発展しかけ、いやスタートラインにも立ってないほどの校舎と呼ばれる酒蔵。
それでも「ここは自分たちで貼ったんすよー!」なんて
夢を現実に、着実に進んでいるプラスの空気を一瞬で感じた。
その日はほぼ説明だったが
その間に手作りのかりんとうとゆず茶を出してくれたことを覚えている。
今考えると持ってきてくれたあの子も
普段前に出ないような子なのに、おそらくチャレンジして運んできてくれたのだろう。
こうちゃんの学校教育方針を聞けば聞くほど
私にはないものを持っていて新鮮だった。
先日「ハイキュー」という漫画を見ていて
マネージャーが言った言葉
「今までにない思考を思い知るのは、いた気持ちいいです」
まさにこんな感じだ。
学校教育というものは「こういうもの」「こうあるべき」
それがどんどん崩れていく。
「すごくいい。大家族みたい」
そんな士道の帰りの一言で、今の生活に導かれた。
私は普通の、一般家庭の、公立小中高へ通って大人になった。
父が言っていたことに
「佳子は失敗を経験していないので」
と人に紹介していたのを今でも覚えている。
失敗とはなにか?
負けることでなく
自分が思い描いていたこと以外の経験をすることだと思う。
私の人生の中で一番の「思っていた以外の経験」それが
子どもの不登校だった。
その経験を経て2年、ここのねに出会って丸1年。
出会いにケーキでお祝いしたいくらいだ。
士道の不登校がなければ
こんな考えの人たちに会うことはなかったし
今ではこの経験を通じて子どもに本当に感謝している。
たぶん自分も変わった。こえのかけ方さえも変わった。
一生懸命って、それだけ人を突き動かす。
その一生懸命が一人ではなく、
困っていたら手を差し伸べる人になりたいとも思う。
困っても迷惑かもと勝手に遠慮していた自分から
知ってもらって決めてもらうステージへ。
マイノリティーが不正解とは限らない。
自分にとっての豊かさや幸せの価値観が近い人が周りにいると
みんな幸せになるような「家族」のような存在。
それは子どもたちの「いってきまーす!」を見ればわかる。
毎朝、重力に負けたかのように体が動かなくなっていた
子どもたちのことを思い出すと涙が出るが
それは多くの今に至るまでの「経験」だと思う。
もうその経験は、十分。
長くなりましたが
大人も子どもも一生懸命な走り続けている大切な学校。
そんな出会って365日。
少しでも、皆様のお力を貸していただけると嬉しいです。
保護者投稿②
息子が不登校になったのは、小5の九月。
学校に行かないというので息子の好きなものは全部禁止しました。ゲームも取り上げ、通っていたサッカーにも行かせませんでした。(今となっては本当に反省しています)
小生は佐伯の写真舘の3代目に生まれ、何不自由なく育ててもらって、友達にも恵まれ、小中高すべて柔道部のキャプテンをしたり、バンドをしたり充実した学生生活を過ごしてきました。
ですから最初は不登校の息子の気持ちに寄り添うことができず、ぶつかることも多々ありました。
よく【今は寄り添ってあげて下さい】とアドバイスされましたが、これが難しいんです。僕が不登校を経験してないからです。
夫婦で不登校に関する色々な情報をかき集め
なんとかしなければ、と思い、色んなアクションをしました。
公的な支援教室、病院の小児精神科、大学の心理学部のサポート教室、カウンセリング、フリースクール各種、何をやっても状況は変わりませんでした。
でも夫婦で必死に行動したこの期間、色々な出会いもいただきましたし、改めて夫婦で色んな話をしました。
我々夫婦にとっては必要な時間であったと感じております。
関係各所の方々には本当に感謝をしております。また地元や業界の仲間もこの状況をサポートしていただき、改めて自分が恵まれた環境にいることに感謝しております。
そして1年前にはこの【ここのね自由な学校】と出会い、子供たちが、自分たちの意思で1歩踏み出しました。
我が子から本当に学ばさせていただきました。
今後も子供の選んだ道を応援するために、親としてベストを尽くす所存です。
クラウドファンディング終了まで、残り14日、2週間となりました。
しかし目標としているセカンドゴールの450万円までは、倍以上の開きがあります。
トイレの新設の基礎工事は奇跡によって始まりました。だからこそどうにかして、早くトイレを校舎の近くに、いまよりも数を多く用意して、子どもたちが精神的にも身体的にも安全な環境にしてあげたいと思っています。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。