今回は伊豆大島実験で使用する不整地走行実験用の ローバー車輪の製作を紹介します。 月の地表はレゴリスという走行しづらい特殊な砂に覆われており、 さらに障害物も多い可能性があるので、 ローバーには高い走行性能が求められます。 今までの惑星探査ローバーは車輪の数を増やしたり、複雑なシステムを使い、 これに対応してきました。 しかしローバー自体の重量やサイズが大きくなり、 運用には仕方なく高いコストがかかってきました。 この問題に私たちは車輪の径を大きくすることで対応しようと考えています。 技術開発のリードをする吉田教授の研究によると高い走行性能を実現する上で、 キーになるのは車輪の径の大きさだ、ということで、 それによって、より効率よく走行性能を上げることを目指しています。 成功すれば少ない車輪数、シンプルな構造で、重量を抑えることができ、 ローバーの開発や運用コストを大幅に下げることができます。 そこで伊豆大島では、 これから作るプロトタイプモデルに適切な車輪径を選定するため、 いくつかのサイズの車輪を作成し走行試験を行い、データをとる必要があります。 が残念ながら現状、資金が潤沢にあるわけではありません。 サンプルの車輪はホームセンターなどで売っているウレタンフォームを、 自分たちで成形し作ります。これが結構タフな作業なんです。。 伊豆大島の実験まで残すところも少なくなってきました。 メンバーはこの活動とは別に仕事をしているため、 なかなか時間をとることが難しいのですが、仕事帰りや週末を活用し、 急ピッチに準備を進めています! WLS金田
CAMPFIREにプロジェクトを掲載して20日以上が過ぎました! 多くの皆さんにローバープロトタイプモデルの開発資金を支援いただき、 本当に感謝です! そしてCAMPFIREのプロジェクトがSUCSSESした際、 すぐにプロトタイプモデルの開発に入れるよう 私たちも着々と準備を進めております。 その1つが今月末から行う 伊豆大島無人観測ロボットシンポジウムでの実験。 このシンポジウムは伊豆大島噴火に備え、 火山災害時の観測に役立つロボットの研究を進める目的で 毎年開催されており今年で第4回目になります。 無人観測ロボットは噴火が起こった際、 人間が近づけない火山に、出来る限り接近し、 火山ガスの発生や火山灰の体積量を観測し、 適切な避難のための情報を収集、 被害を最小限に抑えることが期待されています。 その無人観測ロボットには主に2点の機能が求められており それは“遠隔操縦”と“不整地走行”です。 簡単に言うと、「人が近づくことの出来ない荒地を探査する」機能なのですが、 私たちが惑星探査で求められるロボットの機能と、かなり近いものになります。 それなのでこのシンポジウムには、私たちホワイトレーベルスペースのほかにも JAXAをはじめ宇宙系の研究機関も多く参加しており、 研究者たちがお互いに情報交換を行いながら、 火山観測ロボット研究を進めています。 宇宙開発の技術はこんなところで実は役立っているのですね! また、実験フィールドになる伊豆大島の裏砂漠と呼ばれるエリアは、 月の地形に似ており、ここで実験ができるということは、 私たちにとっても非常に貴重な機会になります。 そんな伊豆大島裏砂漠で私たちは2つの実験を行う予定です。 1、 ローバーの不整地走行試験 2、 ローバーカメラからの間接視認による障害物識別試験 これで得られるデータは両方ともプロトタイプモデルの開発には欠かせないものです! そしてCAMPFIREでのプロジェクトがSUCCESSすれば、 プロトタイプモデルの開発にいよいよ入ることができます、 皆さん引き続きご支援をお願いいたします! また準備の状況など今後もアップしていきますのでお楽しみに! WLS金田