(株)文化財マネージメントの宮本です。10月5日に、大仏の台座と光背を仮屋から新本堂に移動しました。その件について、熊谷市江南文化財センターのブログ「江南文化財日記2」の記事を下記に転載いたします。なお、移動の模様は、本日7日18時からのJ:COM「ジモト応援!埼玉つながるNews」で放送予定ですので、ご覧になれる方はぜひ。平戸の大仏 台座・光背の移動 無事に完了令和3年10月5日(火)、市内平戸の源宗寺にて「平戸の大仏」の台座と光背の新本堂への搬入が行われました。仮小屋に保管されていた輪径約2.5メートルの光背と縦約2.5メートルの台座を運び出すため、仮小屋の入り口の高さを拡大して作業を行いました。保存修理委員会や護持会、地元自治会から十数名が参加し、吉備文化財修復所代表・牧野隆夫先生の指示のもと、200キロもあろうかと思われる巨大な台座を参加者一丸となって仮小屋から運び出し、無事に本堂へ搬入しました。大掛かりで大変な作業でしたが、貴重な文化財に破損が生じることのないよう、少しずつ角度や向きを変えながら慎重に作業は行われました。今後、台座と光背は本堂内部で修復を継続します。
(株)文化財マネージメントの宮本です。10月5日に実施しました、大仏の台座・光背を新本堂に移動する模様が、J:COMで7日に放送予定です。番組名と日程は下記ですので、該当地域の方はぜひご覧くださいませ。・J:COM「ジモト応援!埼玉つながるNews」・10月7日(木)18:00~
(株)文化財マネージメントの宮本です。今回のプロジェクトで対象としている大仏、そして大仏が安置されている本堂に関して、熊谷市立江南文化財センター・学芸員の山下祐樹さんから、その保護と修理についてご執筆いただきました。3回に分けて掲載します。源宗寺本堂保存修理事業の歩みと仏像保護に向けた試み熊谷市立江南文化財センター 山下祐樹「木彫大仏坐像」の概要源宗寺本堂に安置されている熊谷市指定有形文化財・彫刻「木彫大仏坐像」は、江戸時代中期に制作された「薬師如来坐像」(高さ3.48m)及び「観世音菩薩坐像」(高さ3.93m)の二体である。木造寄木造としては埼玉県内最大規模で、全国的にも珍しい。平戸の地名を冠して「平戸の大仏(おおぼとけ)」と称されている。「観世音菩薩坐像」 「薬師如来坐像」仏像は内陣の蓮華座上に祀られ、向かって右側が「薬師如来坐像」、左側が「観世音菩薩坐像」である。薬師如来坐像は禅定印に手を結び、令和の改修時点では薬壷は無かった。また、観世音菩薩坐像は左手に持つ蓮華が失われているが、両像とも全体的な造形美が維持されている。昭和30年頃に確認された堂内棟札によると、仏像制作に関しては仏師である頓誉宗円と江戸弥兵衛が担い、漆塗り・金箔押しを塗師である中西村の喜平と沼黒村の太兵衛が担当したとされる。二体の胎内に収められていたとされる「秘伝書」は、神経痛などの妙薬として特に周知され、昭和40年頃までこれを求める人々がいたと伝わる。また、目の妙薬を販売していたとの伝承も残る。旧本堂の柱に掲げられていた絵馬
(株)文化財マネージメントの宮本です。修復を目指している大仏が安置される、源宗寺本堂の建て直しが完成しました。今回の堂内の様子です。以前は堂内が薄暗く、大仏の顔がはっきりとは見えませんでした。建て直し以前の堂内の状況しかし、今回の建て直しに際して両脇に窓をつけたので光が多く入り、今後安置される大仏もはっきりと見えるようになります。
(株)文化財マネージメントの宮本です。本堂の建て直しが概ね完成したので、現在は仮屋に安置している大仏のうち、まず台座と光背を本堂に移動します。その模様を見学できますので、平日ではありますが、ご興味のある方はぜひお越しくださいませ。日時:令和3年10月5日(火)10:00〜場所:源宗寺境内 埼玉県熊谷市平戸644