こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。
残り12日、よろしくお願いいたします。
今週末は中央競馬でG1 マイルCSが行われます。
既に女傑・グランアレグリアがこのレースで引退を発表しているこのレース。
自分が大学2年生の時にクラシックを走っていた彼女が引退するのは、なんだかとても寂しいです。
さて、マイルCSはG1という、JRA…もとい競馬の中で一番格式の高いグレードレース。
一般的に見て、このG1を勝利した子達は繫殖入りすると思われています。
事実私も、この業界を知る前まではそう思っていました。
ところが現実は厳しく、G1を勝ったからと言って繁殖入りが確定するわけではありません。
ダービースタリオン等のゲームでは牡馬の場合1勝で種牡馬入りが確定、牝馬の場合は無条件繁殖入りが約束されますが、現実は違います。
となると当然、その後の行き先が確定しない場合も出てきます。その場合、多くは乗馬を目指すことになると思われますが、乗馬も簡単ではありません。リトレーニングが必須です。
リトレーニングとは、言うなればF1マシンを自家用車につくりかえることと同義とたとえた人がいました。レースで速く走るために調教されてきた馬を、今度は人を乗せてゆっくり歩く練習を積ませるのがリトレーニングです。
そしてセラピーホースを目指すのであれば、このリトレーニングは避けて通れません。
サラブレッドは速く走るために作られた品種。そんな彼らがいきなり「人を乗せてゆっくり歩いて」と言われても、恐らく無理でしょう。
勿論、パークにいて乗馬で相棒となるような馬達は、しっかりリトレーニングを終了しています。最近はナグラーダも、このセラピーホースとなるトレーニングを積んでいる事と思います。
実は自分は、引退馬支援をしっかりと考える前、何の気なしに「リトレーニングはしないで、預かり先だけ増えればなんとかなるんじゃないの?」と思っていました。
恥ずかしい話です。
仮に、リトレーニングも何もしないで生き長らえることができたとします。
ですがその時、「乗馬」「ホースセラピー」というコンテンツはこの世から無くなってしまうのではないでしょうか。
また、汚い話になりますが、乗馬等で微々たる収益を運んできてくれた彼らにとってリトレーニングは、いわゆる「仕事を覚える研修」です。
それを行わないという事は、遠からず彼らの仕事を奪うことになります。
仕事が無くなれば、収益もなくなる。牧場の経営も傾き始める。
そうなってしまえば結果的に、救えたはずの命を救えなくなってしまうこととなります。
だからこそ、乗馬過程においてのリトレーニングは「必須」です。
そして、リトレーニングを終えた彼らを受け入れてくれる引き取り先も、十分な数があるわけではありません。
だからこそ今、引き取り先や牧場の方々を支援したい…そう思っています。
それでは皆様、また明日!