Check our Terms and Privacy Policy.

「紙の」雑誌を新しくつくり、ゆっくり考える場を取り戻したい。(宇野常寛責任編集)

現在の支援総額

7,579,881

505%

目標金額は1,500,000円

支援者数

1,129

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/07/12に募集を開始し、 1,129人の支援により 7,579,881円の資金を集め、 2021/08/20に募集を終了しました

エンタメ領域特化型クラファン

手数料0円から実施可能。 企画からリターン配送まで、すべてお任せのプランもあります!

このプロジェクトを見た人はこちらもチェックしています

「紙の」雑誌を新しくつくり、ゆっくり考える場を取り戻したい。(宇野常寛責任編集)

現在の支援総額

7,579,881

505%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数1,129

このプロジェクトは、2021/07/12に募集を開始し、 1,129人の支援により 7,579,881円の資金を集め、 2021/08/20に募集を終了しました

このプロジェクトを見た人はこちらもチェックしています

#モノノメ の付いた活動報告

thumbnail

■連載「ひとりあそびの(おとなの)教科書」の収録のために、都内某所でウニモグを走らせてきました宇野です。ちょっと編集作業が佳境になってきて、この進捗報告を書く時間もなかなか取れないのですが、なんとかやっています。ワクチンも無事二回目を接種して、特に副反応らしい副反応もでることもなく、当日も翌日も普通に仕事をしていました。正直言うと、ちょっと拍子抜けで、高熱が出て他にものが食べられないときのために買っておいたハーゲンダッツのアイスクリームが2個、冷蔵庫に眠ったままになっています。さて、昨日は都内某所にこの『モノノメ』創刊号の最後から2番めの収録に出かけてきました。目的地は湾岸の、とある緑地です。その目的はひとつ。あるトラックのラジコンを走らせることです。この記事は雑誌の巻末に載せようと思っている僕の連載エッセイで、「ひとりあそびの(おとなの)教科書」という通しタイトルを考えています。実は僕は去年から、中高生向けの新書を書いていて、いろいろあってもうとっくに出ているはずのものが出ていないのだけれど、その新書のタイトルが『ひとりあそびの教科書』と言います。これは、僕が「みんな」でワイワイ遊ぶのではなくて、「ひとり」で遊ぶからこそ見えてくる世界の豊かさを伝えたくて書いた本なのだけれど、この本のメッセージは大人にも有効だと思って、その大人版を『モノノメ』で書いていこうかなと考えた次第です。僕は「大人の遊び=飲み会」になっているのがものすごく嫌で、飲み会も飲み会が好きな人も苦手で、特に出版業界の一部ーー思想とか批評家あの界隈ーーは業界のボスに忖度して取り巻きがボスの敵の悪口を言って盛り上がる醜悪な文化がはびこっているところがあって、そして僕自身もそういったものときっぱり手を切ることでとても広い世界に出られたし、人間関係にも恵まれたという実感があります。ちょっと話がそれましたけれど、僕はずっと前から「大人の遊び」=「飲み会」という等式に違和感があって、そこで大人の、それも「ひとり」の遊びの世界をどんどん開拓していこうと考えていました。それでラジコンのトラックなのか……と思う人も多いと思います。しかし、だまされたと思って読んでみてください。ちなみに僕らはラジコンには実はそれほど詳しくないし、実はまともにさわった経験も数えるほどです。そんな僕がどんな動機でラジコンで遊ぼうと考えて、そして実際に手にして、組み立てて、走らせにいって何を感じ、考えたのかをエッセイにまとめようと思っています。そこから、僕の考えるひとりあそびの時間のよさとは何かを、感じ取ってもらえたらと思います。ちなみにウニモグはメルセデス・ベンツの発売しているトラックの名前です。なぜ、サンダードラゴンでもホーネットでもなくウニモグなのか、も書いておくので、それもお楽しみに。『モノノメ』の支援はこちらから!


thumbnail

 定期刊行の雑誌を新創刊することで、僕がやりたかったことの一つが小説を掲載すること、です。いろいろ考えに考えて、依頼したのは浅生鴨さん。僕が知り合ったのはもう10年以上前で、彼がまだNHKにいたころでした。その後すぐに、NHK_PR1号としてちょっと変わったかたちで有名になっていって、2014年に退職、その後「浅生鴨」というペンネームで作家として活躍しているのはみなさんもご存知ではないかと思います。 僕の最初の依頼は短編集『猫たちの色メガネ』の1編のようなもので、短くてもいいから強烈な読後感を残すもの、ただしSNS的なザラついた感じではないもの、というものでした。我ながら抽象的で、書くほうとしては困る言い方だな、と思うのだけれど、浅生さんならこういう言葉から、たとえそれが誤解であったとしても何かを受け取って、創作の手がかりにしてくれると信頼していたからです。 で、ここからが問題なのですけれど、僕がお願いしたのは原稿用紙40枚(16000字)程度の短編だったのですが、上がってきたのはなんと100枚(40000字)の中編でした。おいおい、勘弁してくれよ、と苦笑いしながら受け取った原稿を読み始めたのですが……気がついたら夢中で読み耽って、最後まで一気に読み通していました。そして次の瞬間、僕はスタッフに台割の組み換えと、イラストレーターの選定を相談していました。 タイトルは『穴』。この「穴」とは何か。ネタバレになるので詳しいことは書きませんが、僕の解釈ではこの「穴」は、それが空くことで僕たちの生きるこの世界の息苦しさを解消してくれるものです。しかし、その穴は空けようとしても、空けようとしてもどんどん自分たちの手で埋められてしまう。そんなシステムに僕たちの世界は覆われている。「穴」はどこにあるのか。どうすれば、埋められない「穴」は存在できるのか。浅生さんの深い絶望と静かな怒り、そしてこういった感情をじっと熟成することで想像力を遠いところまで持っていこうとしているのが伝わってくる小説です。久保田寛子さんの挿絵イラストも、ラフをいただいていますが、とても素敵です。お楽しみにお待ち下さい。


thumbnail

宇野です。この新雑誌「モノノメ」創刊にあたってのクラウドファンディング、おかげさまで順調に進んで、いま237%、438人の支援が集まっています……。とても、とても嬉しいです。実はこの創刊号、クラウドファンディングはちょっとびっくりするくらいの大反響なのですけれど、その反面、広告営業がさっぱりで……やはり、もう少し分かりやすく人が集まりそうな(インフルエンサーがズラッと並ぶ、みたいな)目次がないと難しいところが多くて、このクラウドファンディングがないと結構、いや、かなりマズいことになるところでした(本当に、感謝、感謝です!)。少し言い訳じみたことをさせてもらうと、確かに今回は部数も流通も絞ることを最初から打ち出しているのですが、その代わりに可能な限り読者の一人ひとりとしっかりとかかわっていこうと考えています。だから、ターゲットを「わざわざこの本を探しに来てくれる人」と、逆に「完全に偶然通りかかってこれを手にとってくれた人」に絞っています。意図的に「何か世間で流行っているものをチェックしよう」という意識の人は除外しています。既に存在しているどの流れに乗ると自分が高く売れるかとか、周囲にでかい顔ができるかという人は読者にいらない、と考えているわけです。なぜならば、僕たちが考えているのは、ここから新しい価値を生むこと、だからです。なので、もし僕らのこういうスタンスに興味を持ってくれる企業で広告を入れてくれるところがあれば、単に読ませて終わり、ではなくて一緒に読者とのエンゲージメントをつくっていくようなことができればいいと思っていますし、置いてみたいという書店(に限らず、あらゆる店舗やスペース)が手を上げてくれたら、僕も(さすがに小部数すぎると物理的にしんどいですが)ガンガン可動しますし、それをきちんと売り切る努力と、やっぱり読者との関係性づくりのようなことが一緒にできたらなと思っています。地味な陣地線をコツコツ重ねることとで、少しずつ数を積み上げることもそうですが、それ以上にSNS的な空中戦では見えてこないものが見えてきたり、あまり他のプレイヤーが持っていない別のカードが手に入るのではないか、そんなことを考えています。興味を持ってくれた人は、気軽に連絡をください。https://slowinternet.jp/contact/ まで、お待ちしています! 


thumbnail

■『モノノメ』の誌面デザインの検討会をしました宇野です。いま、『モノノメ』は7割型原稿が集まってきていて、だんだんとデザインの方に作業の比重が移ってきています。ただ、今回はここが大変です。新創刊なので、デザインのコンセプトからやり直さないといけないからです。せっかくあたらしく定期刊行の雑誌をつくるのだから、デザインだけではなく、判型や使用する紙まで含めてゼロから考えてみたい。そう考えて、実は水面下で何ヶ月も話し合ってきたのでした。『PLANETS』 はvol.8からvol.10まで、基本的には同じデザインのフォーマットを使用していて、あのときもしばらく考えて、悩みに悩んであの判型とデザインのフォーマットをつくっていきました。あのとき僕が考えていたのは、インターネットのウェブサイトのような雑誌のデザインです。シンプルで、フラットで、読みやすくて、視線をジグザグさせたり、文字と画像を重ねたり絶対にしないということ。そして、対談や座談会を中心に目次を組むことにしていたので、それに特化したレイアウトのパターンをいくつかつくること、でした。(今回のデザインを担当する館森則之さんには、何度も、いろいろなパターンのものを出してもらっていて、本当に感謝しています。)今回の『モノノメ』は、いままでの『PLANETS』に比べて「書きもの」の比重が圧倒的に高くて、そこをどう見せるかが一番の鍵です。あと、写真をたっぷり見せたい記事も多いので、それをどう贅沢に見せるか。この二つが課題です。そして、僕と一緒に読者も少し年齢を重ねているので、ほんの少し、「大人」にしたい。これまでの『PLANETS』は僕の中では「28歳の雑誌」なのだけど、今回の『モノノメ』は「33歳の雑誌」です。その「33歳感」をうまくデザインや印刷、製本に落とし込めたらいいなと思っています。ほんの少しの差かもしれないですけれど、これが意外と難しい。そしてこの難しさを超えていかないと表現できないものがあるわけです。ちなみに、今回は「モノ」としていいものにしたいということも考えていて、一緒にベースから造っていけるところということで、藤原印刷さんにお願いすることにしました。(写真は館森則之さんと藤原印刷の藤原章次さんです)。もちろん、批評誌なので文字が主役なのですが、写真を始めとしてビジュアルにもこだわり抜いています。モノとしての見た目や質感もいろいろ挑戦することになりそうです。そして、これが重要なのだけど文字と違って、誌面のデザインや印刷、製本周りは僕はその道のプロフェッショナルからの提案をジャッジするだけで、なんというかテキストよりも無責任にどんどん意見が言える立場にいます。館森さんや藤原さんには本当に申し訳ないけれど、これが無限に楽しい。デザイナーから上がってきたレイアウトに、ああでもない、こうでもないと考えているときが、僕は雑誌づくりでいちばん楽しいです。ああ、無責任クリエイティブって本当に楽しいだけで最高だな、といつも思っていることをここに告白しておきます。クラウドファンディングは8月20日(金)まで実施中です。詳しくはこちら。


thumbnail

都内某所に○○の取材に行ってきました宇野です。昨日は「モノノメ」創刊号の最後から3番目の取材に都内某所に足を運んできました。創刊特集のテーマには「都市」を選びました。ただ、従来の都市論とはかなり毛色の違ったものになると思います。だからグローバルな都市間競争のなかで東京がどう生き残っていくかとか、都市開発計画を地域コミュニティがハックすることで「街づくり」が盛り上がる、とかそういう「儲かりそうな」話とか「ほっこりするいい話」を期待されているとちょっと肩透かしかもしれません。その代わり、僕が考えているのは一度「人間の目」を捨てて都市を読むというものです。コロナ・ショックの波が東京に押し寄せたとき、具体的には最初の緊急事態宣言のとき、僕は無人の都内を走るのが好きでした。そこには人間が人間のために造った都市から人間だけが排除されている奇妙な空間が広がっていました。空も川も、建物も道路も、木々も花も、鼠もゴキブリも何事もなかったかのようにそこにいた。僕はこのとき、考えました。一度人間「以外」の目から都市を見てみよう、と。人間間のコミュニケーションと都市を考えるとき、僕たちはいまサイバースペースにはまだ担えない実空間の機能とは、という視点からしか語ることができなくなっている。だからあえてここはそうではなくて、都市という空間そのものを、土地そのものを考えてみたい。人間が他の人間と交流するための場ではなく、他生物や事物に触れる場としての都市を考える。人や街の生物やモノや建造物がそこに存在し、変化する条件を考える。こうした視点から現代の都市を再照射することで、最終的には別の角度から人間にとっての都市を考えることに回帰する。そのような、特集を考えています。そして昨日はその最後の取材として、ある生物の姿を追いかけて都内某所に足を運びました。そこはトラックとコンテナとその生物の街で、東京の一部とは思えない街でした。人間が主役から退場したその街は、ある意味、僕が考えた今回の特集にピッタリの街だったと思います。僕たち人間の街をバックヤードとして支えているのは、このような人間外が主役を務める街です。そしてそこで、出会った彼/彼女たちは、1匹1匹性格が違っていて、梅雨明けの暑さに対しても日陰を縫うように移動する個体もいれば、茂みの中から出てこない個体もいて、中にはすべてのやる気を失ってぐでっと寝転んでいる個体もいました。この街で、彼ら彼女らがどのように過ごし、どのような問題に直面しているのか。そんな彼ら/彼女らの視点から、人間の街をもう一度考えなおしたとき、何が見えてくるのかといったことを記事にしていこうと思っています。写真、可愛く撮れたので楽しみにしておいてください。クラウドファンディングは8月20日(金)まで実施中です。詳しくはこちら。