オペレーション・ブレッシング・ジャパンの緊急災害支援チームは、緊急避難から生活復旧のフェーズに入った熱海市伊豆山で心のケアのための支援を続けています。
先週8月6日㈬、私たちは、「おしゃべり」しながらのドライブで心を癒していく、「おしゃべりドライブ」を運行しました。
第三者が話を聞き、悲しみや喪失感など負の感情のケアや気分転換につなげるのを目的としています。
口にできない「痛み」に寄り添う
参加した7名の方々を乗せて伊豆山を出発し、真鶴岬を回るコースを走ります。
車内では、皆さんが「天気が良いね」「こんなところ久々に来た」と顔をほころばせて話を弾ませる場面もありました。
しかしその笑顔の影で、家や知人を失くし、強い悲しみを抱えている方も少なくありません。
真鶴の海を眺めながら、自分たちで手作りしたお弁当を広げて食事をともにする時間は、皆さんが「生きている」という感覚を取り戻した時間でもありました。そしてそれは、長い避難生活のなかでは味わえない感覚でもありました。
鮮やかな青の海と空、潮風のにおい、そして葉擦れの優しい音…ホッと一息つける木陰に集まり、皆さんでランチ。
広げたお弁当はどれもとても美味しそう!
まだ行方不明の方々の捜索が続いていて、公に楽しんだりすることは憚れる8月を迎えている被災地。
長引く避難生活や生活再建に追われて、悲しみを口に出来ない人も多く、悲嘆を抱えたまま孤立してしまうケースもあります。
しかし、地域が困難に対して柔軟に対応していくためには、住民おひとりお一人の「心のレジリエンス(回復する力)」が欠かせません。
このレジリエンスを引き出すために、コミュニティーによる人と人の関わり合い、そして会話を通して感情をケアしていくことが効果を示すのです。
この日参加してくださった70代の女性は、「気持ちを発散できた。家で1人の人もいるから、わいわいと話せたのが良かった」と最後に笑顔を見せてくれました。
私たちは、今回の災害で皆さんが抱えている怒りや罪責感、落ち込みといった心の負担を、少しでも言葉にできる環境を作り続けたいと思います。
私たちの支援活動は、災害によって心理的・物理的な喪失を被ったひとりひとりの「生活者」を見つめて支援していくことを信条としています。
生活者のニーズに対して、地域がもつ資源をつなげていき、足りない部分を私たちが補っていくことで地域コミュニティーを励ましていく「災害時ソーシャルワーク支援」。
この生活者の集まりである、小さな小さなコミュニティーから回復力を引き出し、それを地域に少しずつ波及させて、災害に負けない地域づくりを進めていきたいと思います。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、ひとり1人の生活のニーズに応じた支援を行いながら、少しでも多くの被災者が一日も早く日常を取り戻すことができるよう、引き続き支援活動に取り組んでいきます。
皆様の心温まるご支援をどうぞよろしくお願い致します。
▼詳細はこちらをご覧ください