「最初聞いたときは ふざけんじゃねぇよって思ったんだけどよぉ。」
衛生部長の提案で例年どおり害虫駆除をすることにした町内会。まだ行方不明の人もいる中で少し気が憚れる、そんな思いもあった様子。
でも、今日いざ始めてみたら、たくさんの人が応援に集まってくれて、
引きこもりがちだったお宅のお父さん、お母さんも挨拶に顔を出してくれました。
「ああ、やって良かったなぁ。」と思えたんだそうです。
「町はこれから少しずつ日常を取り戻していかなきゃいけない」
そんなことを話してくれた町の皆さんでした。
国際赤十字も採用する「あいまいな喪失」理論は大きな災害のあと、家庭や地域の恒例行事が凍結することを伝えています。
町内会が一致して、日常を取り戻す努力をしようとすることで、地域のレジリエンスが強められていきます。
それと同時に反動もありえますから、そこはうまく私たちがフォローしていきたいと思います。(精神福祉専門職の方の素晴らしい知見をいただきました)
個人が地域が現実的な生活と向き合っていく、この時期にこそ、人の温かな支援が必要です。
親族が流され涙されながらも、泣いてちゃ浮かばれないからなと気を立て直すお父さんがいます。
明日の仕事があるのか、また身体の不調という不安を抱えているお母さんがいます。
土石流を震えながら目撃してしまって、思い出すと蕁麻疹がでると訴える女性がいます。
いつもそうなんですが、
私たちの本当の支援はここからスタートするのです。
地域の力となり、支えとなり、痛みを共にする仲間となりたいのです。
いずれ私たちはここを去っていきます。
だからといって、誰もが今でも心が繋がっていて、遠く離れていても、いつも応援していますし、応援してくれています。
それは東北でも、朝倉でも、日高でも、館山でも、長野でも、そして熱海でも。
全国各地からの心温まるご支援とともに、今しばらく熱海伊豆山地区にて伴走サポートを続けてまいります!