企業研修型の厚真町地域おこし協力隊として株式会社たのしいで働いている、デザイナーの三木なつみです。8月に移住してから、あっというまに2ヶ月が経ちました。「たのしい」で原木しいたけのお仕事をしながら、少しずつこのまちのことを学んでいます。
先日、まだ夜の色が濃い午前3時にあつまを出発して、樽前山に登ってきました。朝陽に染まっていく夜明けの勇払原野。言葉や写真ではお伝えしきれない美しさです。
厚真町の土壌は、樽前山の火山灰と勇払原野の豊かな水源によってなりたっています。町の約70%を森林が占め、その4割に天然林が広がる緑の大地には、100を超える湖沼が点在しています。
旧石器時代以降、15,000年の人々の歴史があり、多くの土器や化石も発掘されています。北が夕張山地、南は太平洋に挟まれ、厚真川の流れに沿って山から丘、平野や湖畔郡、海岸の砂浜まで変化に富む南北に長く、林業にも農業にも適した豊かな土地だったようです。太古は、細かい入り江がたくさんある海だった勇払原野。
地震が起きたときに6000箇所もの土砂崩れが起こり、大地が滑るように崩れてしまいましたが、むき出しになった地層からは生命の歴史を垣間見ます。
林産物である森の恵みしいたけは、アイヌの人たちが暮らす時代から、干して保存食にして本州と交易に出していたのだとか。
美しい朝日を眺めながら、地層に想いをはせながら、乾燥しいたけが「梅干しくらい親しみのあるおうちの常備品」になりますように……!と心の中でそっとお祈りしてきました。
樽前山は、8合目まで車で行くことができるので、山頂まで片道1時間程度の登山で地上とは別世界に。活火山の煙がもくもくとたちのぼり、支笏湖とかわいい苔も楽しめます。
11月からは、山道が閉鎖されるようなので、秋ならば10月のうちに訪れてみてください。