クラウドファンディングキックオフイベントとして開催した宮沢賢治朗読音楽会「銀河ノコモリウタ」夜の部は神戸塩屋の美しい洋館、旧グッゲンハイム邸で開催しました。
この場所はもう何度訪れたかわからないくらい歌わせていただいたり、このように読ませていただいたりと大好きな場所です。
昨年は文化庁の芸術支援を受けて開催、今年も山で出会った多くの樹木を運び込み、旧グッゲンハイム邸に森を作りました。
竹、松、樫、ススキ、クロガネモチ
彼らがやってくると風がどうっと吹き始め、辺りはまるで黄金の野原になる。そしてことばは歌うよう。
光が、空気が、そうありたかったように静かな神聖さで満たされ、音もかたちもずっと長い間そこにあり、きっと何ものも変えることはできない。植物たちが差し出す手を、そっと握りかえす。どんぐりと赤い実の首飾り。
植物を設置した場所に美術家安野谷昌穂さんが作品を飾ってくださいました。
ものがたりは「どんぐりと山猫」「銀河鉄道の夜」より、「農民芸術概論」と、詩を少し。
飛び入りゲストではモデルのmihoちゃんに精霊の役で出ていただきました。
今回はマキュマルーンワークスのフジノマキさんによる「スパイス香る森の玉手箱」も登場。わたしが奈良薬王寺で育てているオーガニックホーリーバジルと夏至摘みのレモンバームのお茶、自然栽培の鬼柚子と土佐文旦でauwa rokko△さんに酵素シロップも作っていただき、みなさんに豊かな大地の滋味も味わってもらったり。
遠くは鳥取からも、また今回のリターンである朗読レコーディング参加権を購入くださった方々も関東から来てくださり、あたたかで静かな熱に満ちた夜になりました。
2ヶ月にわたって走り続けてきたクラウドファンディングもいよいよ明日28日23:59で終了します。
支援くださっている皆さまには、本当に感謝でいっぱいです。
持ちすぎてきたわたしたちはもう、多くのものはいらなくて、コンクリートの下で息を潜めている何億もの種の銀河を想う。ひとしずくの水に全ての螺旋が描かれている。わたしたちがほんとうのほんとうに見たい世界。
命があって、生きているって、不思議で面白く、なんという豊かさなのだろうと感じています。
photo :Masahiro Iida
「銀河ノコモリウタ」
kawole/歌手
管啓次郎Keijiro Suga/詩人
柴田元幸/翻訳家
小島ケイタニーラブ/シンガーソングライター
辺口芳典/詩人・俳優
渡辺 亮/パーカッショニスト
Isa Guitarra/ギタリスト
安野谷 昌穂/美術家
kawole