「難民受け入れ」と聞くと、国が主導するものというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は世界各国では民間が主導した取り組みもたくさんあります。
●難民をNGOが受け入れるとは?
2020年末現在、故郷を離れて避難した難民・避難民の数は8,240万人に達しました。2011年のシリア危機以降、過去10年間毎年数百万人の単位で増え続けています。これらの難民・避難民となった方々の中には、障がいを負ったり、寡婦、孤児となる等、緊急に保護と支援を必要とされる方々がいる一方、その約40%は18歳以下の若者・子どもで、ひとたび安全が確保されれば、学びを続けて、社会に貢献したいと考える方々も多くおられるのが現状です。
この未曽有の事態に対応するため、現在各国政府による難民の認定、第三国への定住の受け入れに加えて、市民社会が主導して、留学、就業、家族呼び寄せ、人道受け入れ等の方法で、難民となった方を受け入れる動きが、世界に広がっています。2018年には、国連総会で「難民に関するグローバルコンパクト」が合意され、「政府による定住を補完する第三国への受け入れの道筋(Complementary Pathways of Admission to Third Countries)」として、定式化されました。そして、欧州、北米、南米、そしてここ日本で、NGO・NPO、宗教系組織、大学・教育機関、企業、自治体等が、政府と協力して、難民の背景を持つ方々を受け入れ、支えて、社会に貢献してもらえるようにする動きが広がっています。
パスウェイズ・ジャパンが進める市民社会主導の難民の受け入れは、このようなグローバルな潮流の中で、アジアでの先駆的な取り組みとして、進められているものです。現在まで、宮城、千葉、東京、京都、沖縄の5都府県の日本語学校と国際基督教大学への受け入れを進め、各地域で日本語学校・大学を中心に、企業・NPO・宗教系組織・市民等、受け入れに関わるコミュニティを拡げてきました。
今回のクラウドファンディングでは、こうした市民社会と強固に結びついた受け入れを加速させ、1人でも多くの若者に新しい未来の道筋を提供することを目標としています。受け入れに関わるコミュニティの拡大には皆様のご協力が必要不可欠です。
ご支援のほどよろしくお願いいたします。