4年前から、亜細亜大学の経営学部ホスピタリティマネジーメント学科のゼミで
日本於伝統花嫁衣装をご覧頂きながら着物文化について講義しています。
一番最初に説明したのは「染め」について、金色に輝く秋山先生の打掛からです。
藤原紀香さんの結婚式の衣装をお作りになられた秋山章先生の
作品です。本手書き友禅金彩工芸の素晴らしいものです。
染めの中の手描き友禅に金箔で豪華さを出したものです。
紀香さんが、秋山先生の衣裳を着ることになり京都のアトリエに
通い、様々なことを学ばせて頂きましたが、「華やかに対しての概念が大きく変
わりました」とおしゃっています。こんなに金箔をかさねてていても、決して
見せかけの派手さではなく、それが真の「華やかさ」であることを知りました。
とおっしゃっています。金は錆びない永遠の繁栄を表しています。
次は縫と箔を説明しました。
2枚目の打掛ですが、引箔相良刺繍四季花文様
これこそバブル期の贅を尽くした芸術的な打掛です
。上品な金と銀の引き箔の地に相良刺繍で四季の花々と美しい野鳥の活き活きと
した様子を表現した一枚の絵の様な打掛です。「梅に鶯」も粋な構図は慶事のお
もてなしの心配り。薔薇の花や、艶やかな牡丹、子孫繁栄を表わす紫陽花が見事
に咲き誇る春の花々と、秋の風情を表わす高貴な紫色の桔梗や、漆箔と刺繍で描
いた紅葉の贅沢な逸品です。
最後に、西陣織の織について説明しました。
織といますのは唐織と書きます様に古来より中国から渡来いたしました。手織の技術が西陣の職人の技と
日本の美意識の高さから独特の絢爛豪華に昇華させたものです。
織り上がるのに長い年月を要します。
昔はお蚕さんとおまで付けて家の中で桑の葉を食べさせて育てたシルクですから糸からが違います。
いまは輸入の糸です。この3枚目の打掛は恐れ多くも昭和61年に英国のダイアナ妃が日本にいらし時に
、献上した打掛のレプリカで当時3億円と言われたものです。
桐竹鳳凰麒麟紋という非常に貴重な文様で一番格式のある文様です。
私が収集している打掛の中には麒麟が描かれているのはこの一枚だけです。