こんにちは!
鹿肉専門キッチンカーのあかりんご(@akaringo252588)です!
いつも応援いただき、本当にありがとうございます!
初の活動報告となります今回は、クラファン本文に入りきらなかった私たちの思いについてです。
今の鹿肉イメージの、ここを変えたい。
私たちの原点とも言える3つの課題意識と、それをどうしたいのか。
ぜひご覧頂けると嬉しいです。
鹿肉って、どんなイメージ?
初めて鹿肉を食べる人に聞いてみると、必ず言われることがあります。
「かたそう、くさそう」
残念ながら、このようにかたい、くさい鹿肉は存在します。
その原因は、お肉の下処理と調理方法にあります。
鹿肉を調理する際、膜や筋が残っていると、それがくさみの原因になるのです。
また、鹿肉がかたくなる原因は、調理方法にあります。
お肉を作っているタンパク質は、65℃以上で加熱すると強く収縮する性質があります。
よって鹿肉を強火で加熱すると、かたくなってしまうのです。
ですが逆に言えば、徹底的な下処理を行えば、驚くほど鹿肉の味が変わります。
かたくなる原因である筋を丁寧に除去し、筋繊維が収縮しない温度でじっくり中まで火を通す。
私たちはこういった食べるための処理を徹底し、美味しい鹿肉料理を作ることで「くさい・かたい」といった偏見を壊します。
鹿がお肉になるまでには、大きく分けて3つのプロセスがあります。
第一に、ハンターさんが山で鹿を捕獲すること。
第二に、捕獲した鹿を山から下ろしてくること。
第三に、鹿をお肉として食べられるように解体・精肉すること。
こうした手順を経て、鹿はお肉として販売したり、猟師さんが自分で食べるなどして活用されています。
ですが一方で利用されず焼却・埋没処理されることも少なくありません。
農林水産省によると、捕獲された全体数のうち、食肉などとして販売するために処理施設へ運び込まれた鹿の割合は9%でした。
その他91%は、猟師さんが自家消費する分を除けば、廃棄されていることになります。
地域によっては、この処分の割合は全体の6割ほどになるそうです。
処分に至る理由としては、処理施設が地域内にない、捕獲場所から処理施設までの距離が遠くて肉が痛む、食べ切れないくらいのお肉がとれて冷凍庫に入らない…などが挙げられます。
近年、鹿資源の活用はこうした廃棄問題をきっかけに、大きな流れとなっています。
ジビエ料理店やジビエ革を使った製品も増えてきました。
「捨てられる命を無駄なく使おう!」というキャッチコピーも目立ちます。
ただ…
捨てられているから使うのか?
もったいないから活用するのか?
私たちは違うと思います。
私たちは、廃棄を減らすためにキッチンカープロジェクトを行うのではありません。
鹿肉が美味しいから、鹿肉料理を皆様に提供したいのです。
目指すのは「鹿肉は美味しいから食べる」が当たり前になる世界。
私たちは鹿肉の美味しさを追求し続けることで、鹿資源の利用概念を問い直します。
害獣(ガイジュウ)とは、畑や田んぼに入り農作物を荒らす動物のことを言います。
私たちは野菜や穀物を食べて美味しいと感じますが、それは鹿にとっても同じなのです。
こうした動物によって農作物にどれくらい被害が出たのかを表したのが、こちらのグラフです。
令和元年には、農作物被害金額は158億円。
そのうち、鹿による被害と予想されるのは33%を占める53億円となっています。
平成22年の239億円をピークに、農作物被害額は低下してはいるものの、未だかなりの規模で被害が起きていることが分かります。
こうした被害により、農作物の収穫量は減ります。
それに加え、畑を荒らされた農家さんは心理的な重荷を抱えることになります。
長い月日をかけて育てた作物が一夜にしてなくなってしまう。
こうした経験が離農に、そして耕作放棄地の増加に繋がっていくこともあるのです。
これは紛れもない事実であり、被害を受けた農家さんにとって鹿は「害」です。
獣害は早急に解決すべき課題であり、現在では国や自治体が獣害対策に力を入れている他、電気柵やセンサーを取り入れた獣害対策装置が開発されたりしています。
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農業にとって憎き存在である鹿。
ですが…鹿は畑を荒らす悪者でしかないのでしょうか?
次の章では、少し角度を変えて、1万年続く日本人と鹿の関係について、お話ししようと思います。
(続く)