今回の取材で、はじめて動いている工場を見せていただきました。
重厚な機械がいくつもある工場は、高低差を利用したいくつもの工夫がありました。
醤油造りの行程は、下記の7行程と意外とシンプル。
1.原料加工(小麦を炒る→大豆を蒸す→合わせる)2.醤油麹を作る→3.もろみを仕込む
4.発酵を待つ(櫂入れ)→5.もろみを搾る→6.火入れ→7.瓶詰め
それほど複雑ではありませんが、このひとつひとつの行程に
長年の経験に裏付けられた職人の感覚が潜んでいます。
その集大成が、工場の仕組みに組み込まれ、息づいていました。
その工場のポテンシャルが最大限に活かされて炒るのが「原料加工」の行程です。
原料加工から、もろみを仕込むまでを11月下旬から2月頃の寒い時期に行います。
小麦を炒る→大豆を蒸す→合わせる
この行程は、大きな炉を使う重労働です。
小麦と大豆が1階と2階を行ったり来たりしながら、原料加工が進みます。
1階にある小麦を炒る炉で小麦を炒ったら、2階に上げて、砕きます。
砕いた小麦は、1階に溜まるので、そこに麹菌を混ぜ込みます。
その間、2階に大豆を上げて、温度を管理しながら蒸します。
大豆が蒸し上がったら、もう一度小麦をクレーンで上げて大豆と混ぜ、
混ざったところで、また下に落として、麹室に運び入れます。
この後、温度管理された室に、3日ほど置くと醤油麹のできあがりです。
工場の中を、上がったり下がったりしながら、醤油造りが進みます。
決して近代的な工場ではありませんが、効率をしっかり考えて作られた
お醤油造りのシステムがありました。
人間の力で動かす機械のひとつひとつも一緒になってお醤油を造る。
人馬一体ならぬ、人機一体となった工場は、人と機械と細菌たちが共に働く場所です。
明治屋醤油の本では、この工場の仕組みもわかりやすく解説する予定です。
どうぞお楽しみにしていてください!