醸造家の務めってなんでしょうか。
「お酒の味をイメージして形にすること?」
いやいや、そうではないのではと私は思います。
「その土地の風土を体得して醸すこと」
ではないでしょうか。
土地が現れたもの、それが米、水。
特に水の要素は大きい。当醸造所は現在地下水を使うことができております。
以下は、保健所に提出した、分析結果の一部。
赤線を引っ張ったところをご覧いただくと硬水です。
今まで私はここまで硬い水で仕込んだことがありません。そして、今の所、「めっちゃ元気に湧く水」のようです。そりゃもう、驚くべき速さで湧きます。
元気に湧くのは良いのですが、酵母が栄養をちゃんと摂って、しっかりアルコール発酵を長く継続してもらうためには、工夫が必要です。水の量、温度、糀の配合やひね具合、、、。
早速明日の仲仕込みより修正します。醪が健全に発酵するよう、お務めいたします、という感覚ですね。
どんな酒になるかは、未だ私にもわからないのです。だから、面白い。願わくば、ここ長浜の、伊吹山と琵琶湖の間にあるこの長浜の土地が見える酒になってほしい。それができたら、本望でしょう。
土地を知ることから始めています。