*今回はIDJを企画・運営しているオーガナイザーの紹介第一弾です。トップバッターは今年の夏からMITに留学し、アメフトで鍛えたリーダシップでばりばりと勉強にもIDJにも取り組んでいる生川さんです。*
建設会社からMITへ
初めまして、オーガナイザーの生川です。私は、大学院修了後に日本の建設会社に就職し、主に国内の建設工事現場で働いてきました。その中で、これまで国内で培ってきた建設技術の高さを肌で感じ、それを海外にもっと展開していきたいと思うようになりました。一方で、近年のITや自動化、AI等の他産業の急速な発展に建設業が十分に追随できていないとも感じました。今後建設業がさらに発展していくためには、他産業やベンチャー企業との連携が不可欠だと思うようになりました。そこで、どうやったら異業種とうまく連携できるのか?もっと海外展開ができるようになるのか?ということを学びたいと思い、MITへ留学することを決めました。
SDM (System Design Management)コースでの学び
MITでは、SDM(System Design and Management)というコースに所属しています。SDMは「世界中の大規模で複雑な問題を解決していくリーダーを育てる」ことを目的としていて、メーカー、ソフトウェア、システムエンジニア、国家機関等、様々な業界を経験した人が世界中から集まっています。まだ最初の学期のため、基本的な内容を学んでいる段階ですが、授業の課題では仮想の自動車メーカーのプロジェクトをチームで取り組むといった実践的なものです。異なるバックグラウンドを持つチームメイトと課題に取り組むのですが、最初はお互いの常識や考え方がうまく共有できずに苦労しましたが、お互いの意見をうまく統合でき、それぞれの得意なところを結集できると想像以上の成果が出ます。その時は達成感と共に、こうした連携が大規模で複雑な問題を解決していくことにつながるのだろうと感じました。
IDJの取組
MITに入学するタイミングで在校生の方からIDJを紹介していただきました。IDJは日本の技術力をMITの学生にアピールすることでMITと日本の企業の連携を深めることを目的としていて、まさに自分自身がやりたいことと一致していました。そして、私がSDMのコースで体感している、異なるバックグラウンドを持つもの同士が連携して大きな成果を出すことが実現できる取組だと思います。
IDJの活動はMITの学生と日本の企業の両者にとって有意義なものだと思います。まず、MITの学生にとっては、日本の高い技術力を自分の目で見て感じられることが魅力です。残念ながら、アメリカの学生にとって日本は技術力が高いというよりも、アニメや日本食のイメージが強いのが現状です。一方で、MITの学生は良いものは良いと素直に認めるところがあり、そして良いと思ったらすぐに行動に移します。IDJの活動を通して日本の技術力が高い、もっと知りたいと感じたら、IDJが終わった後も自ら日本との連携を求めていくと思います。実際に前回の訪問先へインターンをした学生もいます。また、日本の企業にとっては将来MITの学生とのビジネスチャンスがあることが有意義だと思います。日本の企業がMITの学生と交流する機会は決して多くありません。IDJの活動で訪問した時に実際にMITの学生とディスカッションを通して新たな視点に触れることで、海外との連携をより推進していくきっかけになると思います。さらには、将来的にMITの学生と協同でビジネスができれば、企業としてさらに飛躍できると思います。
2017年1月の懇親会の様子
IDJの1度きりの活動で何かが急激に変わるものではないと思います。しかし、IDJは日本の企業とMITの学生がお互いの魅力を感じる絶好の機会だと思います。これをきっかけに両者の関係が深まれば、日本企業とMITという場所も環境も異なるもの同士が連携し、将来大きな成果を上げるものと確信しています。