本日はoneTOkyoの演出家 大舘実佐子さんとプロデューサー カワグチマミさんの対談です!
大舘実佐子
1996年東京都生まれ。舞台演出を主とし、企画や舞台美術も手がける。「東京学生演劇祭2017」で、演出作品《今夜、あなたが眠れるように》が審査員大賞を受賞、2018年2月京都で上演予定。演劇集団フライハイトプロジェクト代表。クリエイター集団one TO kyo所属。過去演出作品は《Oklahoma!》(2017)、《今夜、あなたが眠れるように》(2017)など。
カワグチマミ
1995年東京都生まれ。幼少期から舞台に立つ。バイトAKB(時給1000円のアルバイト契約でAKB48の一員として活動するメンバー)として活動後、慶應ビジネスコンテスト(KBC)で優勝。シリコンバレーでの研修の機会を得る。2015年より、AEDの認知向上に取り組む『使おう♡AEDプロジェクト』の活動をスタート。AEDの活動がきっかけでプロデューサーを志す。クリエイター集団one TO kyo所属。
ーーそれではまずお二人とも自己紹介をお願い致します
大舘実佐子:大舘実佐子です。現在は東京芸術大学に在学中です。
カワグチマミ:カワグチマミです。慶應義塾大学に在学しています。
ーーとってもシンプルな自己紹介、ありがとうございます。それではまず、大舘実佐子さんにお聞きしたいのですが、どうして、舞台の演出を始めたのですか?きっかけを教えてください。
大舘実佐子:高校三年の夏、演出家になろうと思い立ちました。笑
とはいっても、突然そんなことを考えたわけではなくて。それまでは、趣味で12年続けたクラシックバレエで、踊り手として舞台に立っていました。師事していた先生がとにかく表現にシビアな人で、年齢や経験なく妥協を許さない人だったんですよ。先生の元で様々な表現を学び、一流のダンサーたちのパフォーマンスを見続けて来たおかげで、気づいた頃には、何が良くて何が悪いという自分の基準がわりとハッキリあったんですね。それであるとき、舞台を作るプロになりたい、とふと思いました。先生の背中を見ているうちに、いつのまにか舞台に立つ側ではなく作る側になろうと決めていました。まあ、踊るセンスが本当になかったのも決め手です!笑
ーーそうだったんですね。大学1年生から舞台を作り続けていると聞きました。行動するところが素晴らしいですね。
大舘実佐子:ありがとうございます
ーーそれではお二人にoneTOkyoをやろうと思った理由をお聞きしたいです。
大舘実佐子:演劇から始まり演劇で終わるような、大学4年間を過ごしました。大学1年で初めて演出した時、知識も経験もツテもお金も時間も、何も無かった。だから必死で、貪るように舞台を見て先輩の話を聞いて、全部吸収してやろう!と無我夢中でした。今もそう思っています。でも、以前とはまた違う部分があって、それはたぶん「現実味」で、、、ずっと夢だと思ってきたことが歳を追うごとにどんどん現実的になっていくんです。たぶん、誰もが感じている感覚ですよね。前までは、演劇に関われているだけで良し、と思っていた。けれども、それじゃあもうダメで、必死にやるとか一生懸命やるっていうのは当たり前。そのうえでどんな表現が生み出していけるかを考えなくちゃならない。当たり前なようで、本当に難しいことです。それをやるためには、自分一人の力では無理だと思いました。だから、ずっとこの4年間、一緒に戦ってくれる仲間を探していたんです。それで集まったのがこのメンバーです。きっかけは、春に演出していた舞台の本番期間中に、「よし、今がやるべきときだ!」と思ったことですね。笑 直感です。
カワグチマミ:私は、ジャンルを問わないマルチプロデューサーになるのが夢なのですが、10代の頃から大舘実佐子と仲が良くて。いつか大人になったら、お互い、それぞれの分野で有名になって、実力もつけて、一緒に舞台や世界観がある空間を作ろうね。って話していました。けど、いつかなんて絶対こない。今できることを、やっていこうって思ったのがきっかけで、oneTOkyoをやろうと思いました。
ーーお二人から迫力を感じました。仲が良いんですね。
大舘実佐子・カワグチマミ:(同時に)はいっ!!!!!
大舘実佐子:一緒にNYに舞台を勉強しに行ったこともあります。NY研修です。
この写真は、体験型演劇の「スリープノーモア」です。
カワグチマミ:迫力がもう怖かったくらいです。あと、東北にも、アートを学ぶ旅に行ったね。あ、記事でまとまっているので、もし良ければ読んでください。
ーーいろんな場所でフィールドワークをしたことが、oneTOkyoに活かされているんだなと、インスピレーションになっているんだろうなと思いました。さて、oneTOkyoは東京がテーマだと聞いているのですが、oneTOkyoではどんなことを表現したいんですか?
大舘実佐子:入り組んだ電車の路線とか、23個に分けられた区のイメージとか、それぞれの場所に住む人とか。東京ってめちゃくちゃ多面的な都市だと思うんですよね。いいとこも悪いとこも、綺麗なとこも汚いとこもあって、その感じがすごく好きで。私、悩み事とかあるとよく山手線に乗って一周するんですよ。同じ席にずっと座っているはずなのに、窓の外はみるみる色を変えるし、ドアが空けば、違う人や空気が入ってくる。そのたびに確かめるように息を吸って、頭の中整理して、よしまだ頑張れる、頑張ろうみたいな。笑
でも、自分も悩んでるけど、周りにもそういう同年代はたくさんいて。励ますなんて偉そうなこと言いたいわけじゃなく、見に来た人たちが、自分と同じように戦ってる人がいるのなら、自分もまだ頑張れるかもと僅かでも思ってもらえたらと思ってこの企画に取り組んでいます。
ーーカワグチさんはプロデューサーさんですが、どんな関わりをされているんですか?
カワグチマミ:私は、「役者の人生をそのまま脚本にするというコンセプトを提案しました。
あと、お金を集めることを担当しています。今後、活動を積んで、協賛をつけて、大きなお金をoneTOkyoに持ってこれるようにしたいなと思っています。
ーーなるほど、大事な役割ですね。
カワグチマミ:ありがとうございます。
ーー大舘実佐子さんにお聞きしたいのですが、今回oneTOkyoでの演出を通じて「気付き」などありましたか?
大舘実佐子:え~なんだろう笑笑
若さ、って貴重ってことですかね。よく、「若い」「若くない」っていう基準で人って考えるじゃないですか。「まだ若いから」とか「もう若くないから」とか。普通に考えれば、自分の年齢って長い人生のなかではまだまだ若くて、経験も考え方も何もかも未熟だと思うんです。でも、それでいいんだな、って思いました。私たちには私たちにしか出せないエネルギーがあって、それは今だけのもの。5年経てば、またそのときにはその時の良さや魅力があるはず。だから、今の自分が持てる力を出し惜しみするのが一番もったいないことだと思います。
ーーはい、その通りですね。それでは、この舞台のテーマである「東京」に関する質問なのですが、「東京の思い出の場所とエピソード」を教えてください。
大舘実佐子:わからない!笑多すぎる!笑え~……九段下かなあ。
小中高12年間の通学路でした。毎日靖国神社の坂を上って学校に通っていました。靖国神社で行われている桜祭りや御霊祭りには例年通っていました。笑
色んな思い出全部ひっくるめて、青春の記憶がいっぱい詰まった場所です。
カワグチマミ:私は、豊洲ですかね。豊洲に、ダイジョースタジオという稽古場があり、汗と涙の場所です。私が一番成長した場所だと思う。歌、ダンス、演技、タップ、を学びました。教えてくださった先生方が一流で、舞台を見ると、プロデューサーや演出家、歌唱指導や、振付師として参加されているのが常で。先生方に本物を教えていただいた経験は今の私を作ってくれています。
ここで出会った仲間とは今でも良きライバルです。
ーーそれでは今の将来の夢を教えてください
大舘実佐子:舞台の演出家になること。演劇の世界で生きて行くことです。
カワグチマミ:私は、自分の感性、経験を生かした、「カワグチマミ」にしかできない仕事を追求し続け、「カワグチマミ」の世界観を生み出したいです。
ーーお二人ともお忙しいなか、お話してくださり、ありがとうございました!舞台とっても楽しみにしています