2013/02/18 19:40

安野モヨコインタビュー『久しぶりにキャンディを描いて』




取材:コルク編集部

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安野モヨコ『バッファロー5人娘』オールカラー豪華本制作プロジェクト、サクセスを記念して『バッファロー5人娘』の主人公・キャンディーを安野モヨコが13年ぶりに描く場面を動画配信。 そして、新作準備中の安野モヨコにミニインタビュー!!
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ー久しぶりにキャンディを描いてみて、いかがですか?

不思議なことですがキャンディも年をとった感じがしました(笑)。バッファロー5人娘を連載していた当時のは男の子の要素が入っていて、少年ぽいと言うか中性的な感じ? 年をとった、というより大人っぽくなったのかもしれません。
あと目を描いてて思い出したのですが、キャンディの場合は、目と眉の間を少し離すようにしてたんですよ。今回それを忘れて、少し強気な表情になってしまいました。

ー確かに、キャンディの目元にはやわらかい雰囲気がありますよね

私のキャラクターは基本的に眉頭と目が近いのですが、この時はいつもと逆にしてみよう、と思いついて、そうしてみたのですが急いでいるとつい忘れてしまい、よく眉毛だけ修正していました。

ー安野さんの絵は、髪の毛にも特徴があるように感じますが、気をつけていることはありますか?

そうですか? いまだに髪の毛は苦手ですけどね。
私自身が描いていて気持ちのいい流れにしようと心がけています。その気持ちよさが、読んでくださっている方にも伝わると良いな、と思いながら。
バッファローの時はダリアの髪を描くのが好きでした。スージーの髪はバサバサした質感で一見ササっと描けそうなのですが、意外とスタイルをとりずらくて難しかった記憶があります。

ー『バッファロー5人娘』の単行本化について、どう思いましたか?

完結させるまで、単行本化はしないつもりでいたんですけど、じゃあ続きを描くのか?と言われると、もう描けないかもしれないと思ったんです。
人それぞれだと思いますが、一般論として、熟練するにつれて、若いころの絵にあった艶や活き活きした感じがなくなる場合もあるし、余計な線がなくなって洗練されていく場合もあります。今の私が、連載時と同じように『バッフォロー5人娘』の続きを描くことはもうできません。
若いころの、泥臭くてもダサくても、すごいエネルギーが満ち溢れている感じは、その時にしか出せないんです。若かったからこそ『バッファロー5人娘』が描けたと思ってます。
今の自分が描いたものは、「今の作品」になってしまう。それなら違う作品で続きを描けば良いのかなと考えられるようになり、そのタイミングで単行本化の話をいただいたのでふんぎりがつきました。
同じ設定でも、今描くとまた違った話になるかもしれないし、たいして変わらないかもしれない。やってみるまで自分でもわからないですし、こればかりは読んでいただけるまで何とも言えません。




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安野モヨコ『バッファロー5人娘』オールカラー豪華本制作プロジェクトは、売り切れておりましたオールカラー豪華本と複製原画の方のリターンを追加いたしまして、2月21日0時まで実施しております。
よろしくお願いいたします。
http://camp-fire.jp/projects/view/534