残り2週間となりました。14日。時間にすると、336時間。
時間に置き換えるとなんでしょう...すごく時間が無い様に感じて、書きながらとっても胃がキリキリしてきました。マゾなことした自分を今まさに恨んでいます。
鈍感力が長所でもある私が、夜眠れなくなるorクラウドファンディングにまつわる夢をみるなんてこと、誰が想像したでしょうか。2段ベッドから落ちても寝る人間です。
プロジェクトオーナーとしてクラウドファンディングを始めたからこそ体感する緊張感を今まさに噛み締めています。
残り、242万6千円。
目標額350万円の壁の高さに、おなかが緩い日々を過ごしていますが私諦めません。
今日の活動報告投稿では、来春からプロジェクトの仲間になってくれる地元生まれ地元育ちの〝千葉菜々ちゃん(23)〟に書いてもらった寄稿文をお届け致します。
今まさに当事者となり動き出しはじめた彼女を、心から尊敬し、そして全力で応援していきたいと思っています。
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【遠野に生まれて。】
小さな町だからこそ、もうひとつの居場所が必要だと、わたしは思う。
遠野は小さな町。
わたしが暮らしていた集落は、もっともっと小さい。
その小さなところでは、集団の中にうまく入り込めないということもよくある。そもそも人数の少ないその集団の中に自分の仲間を見つけられないと、こっそり隠れることもできないのだ。
わたしもそういう経験をしたひとり。ありのままのわたしで、集団の中に入っていくことができなかったのである。
当時、自分のまわりにあるものが全てで、それが普通だった。
そしてそこに自分が受け入れられていないと感じる時は、自分がおかしいんだと考えるのも、その時のわたしにとって普通だった。みんなと同じようにそこにうまく入っていけない自分が、ダメなんだと思っていた。
でも、自分の何がダメなのかは分からなかった。考えても分からなかったけれど、ありのままの自分でいられないということは、自分が変なんだと思っていた。本当は、みんなにちゃんとわたしを見てほしかった。
いつの間にか、自分がまわりからどう思われているかばかりが気になって、まわりに嫌われないように過ごす毎日になっていた。できるだけ自分からは何も言わず、できるだけ目立たず過ごしていた。みんなが望んでいるだろうと思ったことは、なんでもやった。でも、どんなに頑張っても、なんにも変わらない。
そんな状況が続いても、それに慣れることはなかった。何回だって、胸がキリッとした。会うといつも「元気でやってらが?」って声をかけてくれるおじいちゃんおばあちゃんも、楽しい時も心細い時もいつもそこにいて見守ってくれている薬師岳という名の山も、時間を忘れて暗くなるまで友だちや妹弟と外で遊んだ過去も、大好きなはずなのに…。
それなのにわたしは、自分もこの場所も、嫌いだった。
この場所から逃げ出せるタイミングがあって、わたしは迷わず遠野から逃げ出した。新しい場所に行って、新しい自分になれるんじゃないかと思った。逃げて、わたしはいろんな人に出会い、いろんなことを学んだ。おかしな自分を、おもしろいと言って話を聞いてくれる人がいる。嫌いだった自分の性格も、癖も、そういうところがあるから好きだと言ってくれる人がいる。
自分が思っていることと、似たようなことを思っている人がいる。
自分が思っていたことを、決してわたしを見放さず、それは違うんじゃないかと言ってくれる人がいる。そんな人たちに出会い、わたしは本当に救われたのだ。
おかげでわたしは、自分の嫌な部分も、嫌な過去も、ひっくるめてこれでいいんだって思えるようになった。まわりの人とは違っても、まわりの人にいろいろ思われたとしても、自分にしかできない生き方をしたいと思えるようになった。
小さな世界の中でがんじがらめになって苦しむんじゃなく、世界はもっと広くて多様なんだってことを、早く知れていたら…と思う。ちょっと逃げたくなった時に、そっと話を聞いて、その後なんだか分からないけど笑いあえる人に出会えていたら。
「わたしって変なんだよ」って言ったら、へへって笑いながら、「わたしもね、変なんだよ~」って言ってくれる人に出会えていたら。馬鹿げているって思っていた自分の考えを「おもしろいじゃん!」と言ってくれる人に出会えていたら。
わたしは、小さな世界で暮らす人たちが、そのような人に出会える場をつくりたい。他の人たちとは違う、自分の嫌なところも好きなところも、隠さずそのまま持って行って、素直な自分をそのまま受け入れてもらえる場をつくりたい。
きっと、そう思うのはわたしだけじゃないはず。
わたしはそういう場を、誰かにつくってほしいと願って終わりにするのではなく、そういう場をつくる一人になることにした。
わたしは遠野が大好きだ。だからこの町で暮らしていきたい。
遠野は小さな町だ。
小さくて、なんだか息苦しい町じゃなく、小さな町だからこそ、ひとりひとりが生き生きしていて、おもしろい町にしたいと思う。
千葉 菜々