土-とおいちという小さなお店を、木曽路・奈良井宿にオープンしました。身の回りに美しいものを置くことの幸せ。そしてそんな作家さんが残り増える未来がいいな、と。多少高くとも、一生物のプロダクトを身の回りに。まだまだ作家さんの数が少ないのですが、ひとまず、形にすることができました。「素敵なお店だ」とか、「この商品すごい素敵...」「おしゃれ雑貨屋さんだ」などなど、嬉しい言葉をいただけるのも喜びですね。オープンして気づいたことは、我々のお店自身が、訪れてもらうための目的になる必要があること。これからはギャラリー企画も充実させていきます。ご支援いただいた皆さんも、ぜひ、木曽路に遊びに来てください。ここから先の活動は、インスタグラム等で報告していく予定です。美しい商品をあげますので、ぜひ、フォローいただけると嬉しいです。値札付きの商品で、もし一目惚れがありましたら、DM頂きましたら、郵送などもできると思います。その辺も試行錯誤ですが。ご支援いただきありがとうございました。オープンはゴールではなく始まりです。これからもできることを少しずつ続けていこうと思います。
とおいちのクラウドファンディングもいよいよ最終日!を、前にして、多くの方のご協力のおかげで、達成いたしました。ありがとうございました。ここから先、ご支援いただいた金額は全て、職人さんのサポートのために使わせていただきます。生活の周りに美しいものを。そんなとおいちが目指す世界に向けて、取材やカタログ作成などの費用にあてていきます。さて、とおいち、オープン日程も決まりました。4/16(土)に、オープンいたします。まだ作家さんの商品が足りない部分もあるのですが、まずは小さいながらもはじめてみようと思います。併せて、instagramとFacebookサイトもオープンしました。インスタ→https://www.instagram.com/tooichi.narai/FB→https://www.facebook.com/tooichi.narai/?ref=page_internalこれからの情報は、SNSを通して広報します!取り扱い作品やイベント情報などなど...。ぜひ、フォローください!
「土に還る」ことを大切にしているとおいちでは、お店の改修でもできるだけ、無垢材や紙などを利用し、集成材などを避けるようにしています。でも、それを現在の産業構造の中で行うのは難しい。簡単に施工をしてもらうとしたら合板を使うことになるし、施工工程が見えない蓋をする施工の方が楽。しかしながら、多少面倒でも、施工を可能な限り自分たちで行うことで、一つ一つの内部空間を丁寧に設えました。主として使ったのは、サワラのジョウコ材と言われる、いわゆる、丸太の一番外側で、主たる製材の余りで作られるものです。厚みが12mmくらいで2000mmの長さ、幅150くらいで、使い勝手は限られてしまうのですが、合板を使うのと変わらない価格帯で入手できます。そこで、このジョウコ材の使い方を考えることで、色々な利用方法ができないかと工夫をしました。カンナをかけると、綺麗な木目が出てきます。手をかけると、いろんな工夫ができる。あと、重厚感が欲しいところは木曽檜を使いました。そこで今回は、木曽平沢にある「大河内家具工房」をお借りして、切りそろえやカンナがけ、張り合わせ作業などを行いました。工房内観。種々の機材が揃う。長さを揃えて切り出しカンナをかけるとピカピカに!プレスして2枚を張り合わせ、棚板を作成。棚板には機械で刻みを。そんなこんなで切りそろえた部材をはめて、表は商品陳列、裏は作業スペースという二つの空間を隔てる緩い境界を作りました。さらに、店奥のギャラリースペースの壁もサワラで仕上げました。その上には、みんなの手作業で、でんぷんのりで和紙を貼りつけ。マイルドな表情に仕上がりました。もともとあったトップライトを生かした展示空間になりそうです。現場作業もあと少し!頑張ります〜。
今回は、お店の設計についてご紹介します。建築家の伊藤と、大学で建築設計を教える建築士の佐藤布武、そして、建築デザインの修士号を持っているあゆの3人で、ああでもない、こうでもない、といいながら、店舗のデザインをしました。今回は、最終の店舗デザインに至るまでのお話をできればと思います。まず、設計では、最初に、その時々の条件に適したデザインはどんなものか、それぞれ案出しをします。そこで出てきたのが次の案たち。どのように空間を分けていくのか、といった検討が続けられます。そうこうしているうちに、案の原型みたいなものが出てきます。ここでは、ルーバーのようなものを作ることと、室を区切ることが検討されるわけです。そこからいろんなパタンの検討を重ねて行きます。そうこうしているうちに、もっと良いものにするアイデアが出てきます。こういうのもいいね、とブラッシュアップを重ね、添付のような最終案が出来上がります。これまでおおよそ3ヶ月くらい。我々が大切にしたのは、土に還る改修であること。そして、商品を一点ものとして輝かせることです。簡単なようで、出来上がるまでには幾重もの検討があるんですね!続いては、施工編を!
(簡単な自己紹介)こんにちは!とおいち運営チームのひとり、佐藤あゆです。塩尻市地域おこし協力隊として2021年に任期満了後、ご縁あり今回「土-とおいち-」を企画・運営をすることになりました!農と狩猟採集に興味があります。先日の2022年2月に第一子を出産し、最近は子育てに奮闘する毎日です。(移住のきっかけやこれまでの仕事など)筑波大学で6年間、建築、特に農村部の建築を学びを通して、伝統的な家屋や集落の魅力、活用の仕方、まちづくりの分野に興味を持ちました。そんな大学生活の中、塩尻市地域おこし協力隊の募集内容に心惹かれ応募し、2018年に就任しました。(https://shigoto100.com/2017/11/shiojiri.html)参考までに、上記リンクが当時の協力隊の募集記事です。当時大学生で何の経験もない自分にとって、「0から1はつくれない」というこの募集記事のタイトルは大変応募の後押しになりました。移住のきっかけ、よく聞かれるのですが、正直、当時そんなに深くは考えておりませんでした。大学で建築や、ちょっぴり遺産保護・活用のことなどを学ぶ中で蓄積された悶々とした気持ちが都市部以外の場所で働くことを選ばせたような…。とにかく、やってみようと、そんな抽象的な決意のみで移住してきたような気がします。実際移住してみて、殊の外不思議な縁を感じることがあり、すっかり愛着を持ち任期終了後も居ついてしまい、今に至ります。(移住してからの仕事)任期中の三年間は空き家バンクの運営・空き家持ち主への意識調査が主な仕事でした。傍ら、空き家対策の一環として「ふるもの市」という活動を、木曽平沢という職人の息づく街にて、先輩の協力隊と始めました。元々、先輩の協力隊…今井さんが空き家から排出されるふるものを個人でできる範囲で引き取りをしていたこと、買い手がつかないほど傷んでしまった築100年を超える町屋造りの建物を賃貸でお借りできた事、色々な条件が重なり、「空き家から排出されるふるものを引き取り、販売し、築100年を超える町屋造りの建物の改修資金を稼ぐ」という「ふるもの市」はスタートします。自分たちの手で出来る事をやっていこう。と、建物の改修から始まり、ふるものを磨き、壊れかけたものは繕いリメイク。ふるものを自分たちで繕っていくだけではなく、お客さん個人個人で繕い使っていくことを推奨し、店内には「DIYコーナー」を設えました。たくさんのキレイなものがあるこの時代に、あえて古いものを手をかけて繋いでいく意義は何だろう。そんな事を考えながら三年間、ふるもの市を続けてきた気がします。(一つは、単純にふるものがカワイイから、なのですが。笑。)資金も少ない中、ふるもの市の活動は全く洗練された形で進んだわけではなく、有りものを使う素朴さ(というか粗野)で行われてきました。一方で、せっかく職人さんの多く住む木曽平沢に位置するふるもの屋ですので、職人さんの腕でキチンと治して販売する構想は前々から描いておりました。そんな中、「土-とおいち-」店舗の活用の話を頂き、ふるもの市の次の一手としての「ふるものお直し事業」を現実的に考え始めました。(とおいちを企画した理由)せっかく頂いた店舗活用の話だったのですが、自分一人で活用するには勿体無い立地だったこともあり、木曽で暮らすうちにできた友人たちに声をかけ、移住者である自分たちが、木曽地域に還元できることはないか?と考え、至ったところが「土-とおいち-」です。ふるもの市の「ふるものお直し事業」も、いち店子として出店させていただく他に、「土-とおいち-」では木曽地域の職人さん・作家さんの制作する作品を陳列します。木曽地域には、伝統的な職人さんも未だ少なくなく、私も4年この地域で住む中で、多くの職人さんと知り合うことができました。印象的だったのが、職人さんたちは客商売とはいえ個人対個人の付き合いを大切にして居り、それは私の今まで抱いていた商売のイメージとは違ったものでした。私たちのような世代には継承されてこなかった、職人さんとのお付き合いの仕方。「ふるものお直し事業」や「土-とおいち-」を通して、そういった文化の素敵な部分をお伝えできたらいいな。と思います。(自分の理想はどんな暮らしなのか)私自身があまり外に開いていない性格のため、スゴク個人的な話になってしまうのですが、老後は森の中に小さいオフグリッドの小屋を建てて猫と暮らしたい。笑。来るべき老後のために、日々できることを増やしていく、学びのある日常はたのしいなあと思います。木曽地域の山超えたお隣に、小曽部という地域があるのですが、そこに畑を借りていて。細々続けて三年も経つといろんな縁も生まれてきて、去年は「こそこそ部」という小曽部で活動する農的ユニットを結成しました。先述した畑を活用し、主体的に学びつつ色々挑戦してみよう~というゆるい部活動ですが、藍を栽培・発酵立てするという中々に本格的なことに挑戦しました。※こそこそ部の活動はこちら。部員募集中です。(https://www.instagram.com/kosokosobu/)そんなこんなで、漆芸を習って見たり、藍染をしたり、行商したり、畑を開墾して見たり、熊の油を絞って見たり、獣の解体を教わって見たり…私の暮らしの、何一つ切り取っても洗練されたものは見当たらないのですが、何というか当分はそれでいいのだ、という気がしています。そもそも、伝統的な木曽地域の物作りが、有りものを活用して素朴な生活の道具を作っていた、と聞きますので、身の回りのものを活用して、ぼちぼちやっていけたらいいかなあと。そんなぼちぼちした生活が楽しいもので、そんな気持ちが「一般社団法人生活民芸舎」の立ち上げにつながった気もしています。全体を通して、あまり「土-とおいち-」に関係ありませんが。ハハハ。こんな感じです。では、「土-とおいち-」でお目見えしましょう!