話し合いで問いを深める雑誌『syn magazine』
創刊号となる本誌の特集テーマは「よい話し合いとはなにか」。言語学、コミュニティデザイン、地域行政、組織開発、建築、商社、イノベーションなどの領域で活躍する13人の方々との話し合いのプロセスを収録しています。
本日は、その中の巻頭インタビューについてご紹介します。
「話し合いを支える人の条件 ー 2020年代以後の話し合いの行方」
-------------
山崎 亮(やまざき りょう)さん
-------------
syn編集部の多くは、東日本大震災が起こった2011年以降に大学に入学し、地域づくりを学びました。当時の「震災復興」の取り組みは多くの注目を集め、それをきっかけにまちづくりのワークショップや住民参加型の総合計画づくりが全国へと広がっていきました。当時は「人の絆」や「話し合いから生まれるコミュニティ」の可能性がさまざまなメディアで取り上げられ、議論を生んでいたように思います。
その「話し合い」の時代を代表されていたのが、コミュニティデザイナーの山崎亮さん。住民参加と話し合いの時代を象徴的に体現し、「コミュニティ」の魅力を広く世に知らしめたお一人です。対話の場づくりをとおして、人々のをエンパワーするその姿は、まるで魔法のようでした。
私たちが学生時代に学んだ「つなぐ・ひきだす」という姿勢は、コミュニティデザインの考えや実践とも重なる部分が多く、編集部一同、山崎さんから多くを学ばせていただいたといっても過言ではありません。
そんな私たちがよい話し合いを問うのなら、まずは数多くの対話の可能性と限界をみつめてきた山崎さんの時代認識を語っていただこう。そう思い、今回お話を伺いました。
人と人がつながる仕組みをつくり、住民たちが地域の課題を自らの力で解決することを目指すコミュニティデザインは、どのような社会的背景の中で求められ、いかにしてコミュニティを再生してきたのか。また、「話し合い」はどこから来て、今後どこへ向かうのか。記事では、コミュニティデザインの歩みを振り返りつつ、「話し合い」が当たり前になった時代の“これから”を探りました。
専門家の役割を捉え直す「2つの分水嶺」という考え方や、コミュニケーションにおける肯定と否定の役割、これからの場づくりの可能性など、山崎さんがいま考えていらっしゃることが詰まった内容になっています。
そして、挿絵を担当いただいたのは、イラストレーターの中島 花野さん。
山崎さんが語る「専門性の問題」を解きほぐすような、私たちの生活の一幕を描いてくださっています。
お手元に届いた際は、ぜひじっくりと楽しんでいただけると嬉しいです。
『syn magazine』のクラウドファンディングはこちらにて実施中です。