つい一昨日の2月17日、大田区議会議員・おぎの稔(@ogino_otaku)さんと、ラジオパーソナリティの白饅頭(@terrakei07)さんが開催するトークイベントにゲストとして参加してきました。
テーマは
学校や会社などの社会的包括からこぼれてしまった我々は、いかにその後の生を生きていくのか。そういうテーマについて論じ合うイベントで、極めて現代的なテーマについて論ずることのできたイベントだったと思います。
本イベントで強く話題に上がったのが「中間共同体の喪失」です。
病気や事故などの偶発的な原因によって学校や会社などからドロップアウトしてしまった人たちにとって、再び社会に参加していくためには「途中のステップ」が必要になってきます。ダイレクトに社会復帰をすることは、特にメンタルヘルスの問題においては極めて難しい。
ダイレクトにフルタイムの就業や就学を目指してしまうことは、単に困難なだけでなく、「失敗」という負担を当事者に与えることにもなる。時には病んだひとたちに、最期のトドメを刺すようなことにもなりうるわけです。
それはよくない。ではどうすればいいのか。
上の図のようなダイレクトな社会復帰の方法ではなく、ステップ・バイ・ステップで、中間共同体を通して、少しずつ社会参加をしていくという在り方が「ドロップアウト以後」においては望ましいのではないか。そのようなお話が、イベント内では広く語られました。
「中間共同体」というとなんだか難しい響きですが、なるべく簡単に表現すれば家庭・学校(職場)以外の「第三の場」とでも言えばわかりやすいかと思います。
「家庭」ほど固定的でなく、学校や職場ほど機能を求められない場。
それは例えばシェアハウスのような生活空間かもしれないし、
イベントバーやサークルなどの「趣味のたまり場」的なものかもしれない。
もちろんデイケアや自助グループなどの準医療的な場であるかもしれません。
とにかく、そのような「場」、中間共同体的なもの、そういったものが衰退していくにつれて、どんどん社会に余裕がなくなり、人々が孤立し、ドロップアウトし、社会復帰もできず、苦しくなっている。
そういった現状をなんとかしないといけないんじゃないか。
そのような話題が広く語られたイベントでした。
トークイベント後、イベントバーエデン(@Eventbar_Eden)さんで二次会があり、そこでこんなお話がありました。
「全国の自助グループや支援者団体のデータベースを作るっていうメンヘラ.jpのプロジェクトは、要するに中間共同体の見直しだよね」
それな!となったので、ここに引用させて頂きます
「メンヘラの孤立を解消したい」という主題で「リアルコミュニティとのつながり作り」「多面的な社会支援の見える化」などと言葉を尽くして自分の作りたいものについて語っていたのですが、それは中間共同体を再発見し再び見出していくことに他ならない、と参加者の方のお言葉で改めて気づいたわけです。
我々は、既に存在し細々と活動しつづけている中間共同体たち。自助グループ、ピアサポート、各種コミュニティ、そういった中間共同体を再発見・再評価し、当事者が(そして医療者が)それら共同体にコミット出来る世の中を目指します。
この分断と孤立の21世紀において、
メンタルヘルスの問題が複雑化・深刻化する世の中において、
それこそが今強く必要とされていると思うからです。
メンタルヘルスにおける中間共同体を再発見していくという本プロジェクト、募集期間も残り6日となりました。1人でも多くの方に「共犯者」になって頂ければと思います。
共に、この寒々しい世界に一石を投じましょう。
みなさんのつぶて、そのひとつひとつをお待ちしています。