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皆さんこんにちは。
先日5月14日土曜日、一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会様にご協力いただき、私たちが開発したボードゲーム「グラマ」の体験イベントを実施いたしました。
今回のイベントは私たちがこれまでに行った体験会の中では最も規模の大きいものとなり、3グループに分けて合計12人の方にグラマをプレイして頂きました。ご参加くださった方々の視覚の状態は、晴眼や弱視、全盲などと様々な方に集まっていただきました。
今回の体験会では、グループになった4人全員がはじめから知り合いではなかったのですが、重さをエピソードトークを交えて表現する中で、お互いのことを理解し合い、参加者の皆さんの距離がぐっと近づいたように感じました。始まる前にはコミュニケーションゲームが苦手だと仰っていた方もいらっしゃったものの、終了後には「会話の中から人となりを知ることができて仲良くなれた」「優しさの度合いを重さで表現する際のエピソードトークが盛り上がって楽しかった」等の感想をいただくことができ、コミュニケーションツールとしてのグラマの可能性を改めて感じました。
今回の体験会で印象的だった場面をご紹介いたします。
グラマは、様々な「物の重さ」に例えながら手持ちの巾着袋の重さを表現し、4人のプレイヤーのコミュニケーションを通してそれぞれの袋の重さを揃え、最終的に巾着袋を天秤に載せて釣り合えばクリア、崩れてしまえば失敗、という協力型のゲームとなっています。
「緊張感の度合いで、巾着袋の重さを表現する」というお題でゲームを行った時の話です。
そのグループでは、囲碁協会の方が3人、私たちのメンバーが1人の4人でグラマをプレイしていました。
さて、それぞれの巾着袋は、「緊張感の度合い」で表すとどの程度のものだったのでしょうか。
一人の方が、囲碁の中のある局面で感じる「緊張感」に例えて、手持ちの巾着袋の重さを表現しました。
すると、他の方も「わかるわかる!」と、普段の囲碁の対局を思い出しながら、囲碁トークに盛り上がっていました。
わいわいと話しながらその「緊張感」を想像し、全員の巾着袋を揃えていきました。
そして、巾着袋の袋を閉じ、全員で机の真ん中に手を伸ばして天秤の上にそれぞれの巾着袋を載せていきます。
果たして結果は。
「がっしゃー-ん!」
天秤は崩れ、ゲームは失敗に終わってしまいました。
全員の巾着袋は、同じ重さに調整されていなかったのです!
ゲーム後、それぞれが巾着袋を交換して重さを確かめてみると、なんと人によって巾着袋の重さはばらばら。
「そんなに緊張するのか!」「え、全然緊張しないの?」
今回のゲームで重さを揃える基準となった、ある囲碁の局面での「緊張感」は、人によって全然程度が違っていたことが分かりました。
ゲームを通してそれぞれの価値観を知り、話に花を咲かせる。
互いを理解し合いながら、協力してゲームのクリアを目指す。
グラマの醍醐味が発揮された場面でした。
これだけの規模で体験会を開催させていただくことは初めてで、最初は不安もありましたが、今後の活動に繋がる大変充実した時間を過ごすことができました。
また、グラマの体験会後には日本視覚障害者囲碁協会様の碁盤「アイゴ」を使って囲碁を体験させていただきました。私たちのメンバーのほとんどは囲碁の初心者だったのですが、丁寧に教えて頂きながら囲碁を楽しませていただきました。
今回いただいたフィードバックを生かし、さらなる改良につなげていきたいと思っております。
お忙しい中、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。この場を借りて、メンバー一同より感謝を申し上げます。
![グラマの説明をしている様子](https://static.camp-fire.jp/uploads/editor_uploaded_image/image/2401582/d9cda9d4d3b0b1edf1461072c7dfbba4.png)
参考:
日本視覚障害者囲碁協会様のウェブサイト
https://aigo.tokyo/