お漬物キッチンいずしとわの福富裕貴(ふくとみゆうき)と申します。
当プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。
この度、クラウドファンディングに初挑戦します。
私は10歳まで出石で育ちました。進学・就職を経て2012年にUターン、故郷である出石のまちづくり会社に中途採用され約9年間勤務しました。地産地消の本質や地域の歴史・未来を考える中で、このまちには名物「出石皿そば」のほかにも歴史の縦糸に基づいた素晴らしい資源があることに気づきました。それを磨くことでまちの魅力・可能性をさらに広げることができるのではないかと考え、地域の調査を開始。たくあん漬けと出会い、この度のプロジェクト立ち上げに至りました。
このプロジェクトでは古民家を改装しお店(カフェ)を開きます。
今回皆様には、後程ご説明します、店内のシンボルである壁画制作へのお力添えをお願い致します。
店名「お漬物キッチンいずしとわ」の「いずしとわ」には「『出石とは』どんなまちなのかを考え発信できる商品開発をする」という決意、「『出石(が)永遠』に元気なまちでありますように」という願いを込めています。コンセプトは「歴史で歴史を守る」。現在の名物である出石皿そばのように歴史にスポットをあてて光り輝かせ、そこから仕事・暮らしを生み、未来の歴史をつくり守っていくということを考え方の柱としています。
【出石とは】
出石は兵庫県北部の豊岡市に属し、江戸時代には5万8千石の城下町として栄えた歴史あるまちです。江戸時代に整備された町割りのほとんどが現在まで残っており、情緒あふれるまちなみや名物の出石皿そばを求めて年間約70万人が訪れています。まちのシンボル辰鼓楼(時計台)、お城、酒蔵、たくあん寺こと宗鏡寺などの歴史スポットや城下町周辺の豊かな自然が、多くの人々を魅了し続けています。
【たくあん漬けと沢庵和尚】
漬物の代表格といっても過言ではない「たくあん漬け」。その語源が沢庵和尚という歴史上の人物であること(※諸説あります)はご存じでしょうか?
沢庵和尚とは戦国時代末期から江戸時代初期を生きた僧侶で、10歳で出家し、京都大徳寺などで修行に励みました。のちに衰退した寺院の復興や江戸東海寺の開山に関わるなど数多くのキャリアを積みます。その中で江戸幕府3代将軍徳川家光と出会い、重用されるようになりました。ある時、和尚は家光から「最近、何を食べてもおいしくない。」と相談を受けます。後日、和尚は朝早くに家光を招き、食事の用意の間待たせておきました。しかし待てど暮らせど食事は運ばれてきません。夕方になり、ようやく家光の前に、湯漬けと二切れの漬物が運ばれてきました。それを口に運んだ家光はそのあまりのおいしさに感動したといいます。特に漬物が気に入り、和尚にその名前を尋ねます。和尚は「ごくごく一般的な保存食ですので、特に名前はございません。庶民は朝から晩まで働き、これら質素な食事をしているのです。」と答え、家光は感嘆。これをきっかけに「たくあん(沢庵)漬け」と名前がつき、全国にその名前が広まったと伝わっています。
このようなエピソードを持つ沢庵和尚。そんな彼の生まれ故郷こそ、出石なのです。
「別に出石で沢庵和尚が開発したわけじゃないやろ!」とのご指摘もあるかと思います。しかし、彼なくしては永久に名無しの食べ物だったかもしれません。代わりの利かない、彼の生まれ故郷という事実が出石にあり、それは地元にとって誇りなのです。
出石は蕎麦だけじゃない!
たくあん漬けも名物だと知らしめたい!
このプロジェクトでは、出石に残る町家を改装して
たくあん漬けを「作る場所・食べる場所・買う場所」を作ります!
ここに至るまでの背景を少しご説明します。
Uターンしてきて約9年間務めた地元の会社では、主に特産品の仕入れ・販売、開発を行う「いずし観光センター」に配属され、名物「出石皿そば」の知名度・ブランド力のすさまじさを目の当たりにしました。京阪神方面を中心に多くの方が蕎麦を食べにやって来て、おみやげも蕎麦を中心に蕎麦関連のお菓子や食品がおもしろいように売れていきます。
その一方で「蕎麦屋以外に飲食店ないの?」「蕎麦以外に何を楽しんだらいいの?」という声。またアレルゲンゆえの、そば粉を使用した菓子・食品市場の縮小(=新商品開発のハードル上昇)や、マンネリ化も一因と考えられる観光客の減少。「出石=蕎麦」それが強みであり弱みでもあることに気づかされます。
沢庵和尚という偉人を出した史実と逸話。沢庵和尚ゆかりの宗鏡寺(すきょうじ)では毎年、住職の働きかけで地元の小学校や農業高校、有志の方々による昔ながらのたくあん漬けづくりが行われています。
更に調査を進めてわかってきたのが、出石皿そばに続けと特産品化に取り組んできた地域の方々の存在。専用の大きな工場があり、各生産者から大根を買い上げてたくあん漬けに加工し、出荷・販売していた時代があったことを知ります。しかし生産体制や採算との兼ね合いなどの課題が重なり、生産・製造は終了、市場から姿を消したとのことでした。私が2012年にUターンしてきた時には既になかったので、かれこれ10年は経過したことになります。工場も閉鎖・破却され残っていません。
市場から姿を消したものの、地元の大切な歴史資源としてたくあん漬けを大切に思い、誇りに感じている方々がいる…「ここだ、これだ!」と直感的にそう思いました。
現在のもう一つの課題が地元での主原料調達。主に寒冷地で育つそばですが、出石の属する但馬地域は年々亜熱帯化している関係で生産が難しく、地域内での生産・調達が大きな課題となっています。それゆえ今の地元の風土でも安定供給できるもの、それを名物・特産品化する道を探るべきと考えました。地元で無理なく生産されたものが地域内外の人により消費され、地元の経済も農業も元気になる。そのような形に微力ながら寄与したいと思います。
【2018年度 作ってみる!売ってみる!】
2018年夏、たくあん漬け用の大根を作っているという農家さんのところへ赴き、大根をお願いしました。「〇〇(工場をしていたところ)もアカンかったんやで、難しいんちゃうか?」と言われながら、9月に種をまき11月半ばに収穫。
1ヶ月棚干しした後、ぬか床へと漬け込みます。約3か月発酵・熟成させ、2019年3月末に発売。屋台にて対面販売の形式をとり約200本が完売、無事に第一弾を終えることができました。
【2019年度 継続とブラッシュアップ】
2019年冬。2回目の棚干し・漬け込みも無事に終え、2020年春の新漬け販売を待つのみとなりました。その間、新たな出会いがあります。「わしらのたくあん漬けも商品化できんかな?」と現れた地元のおじちゃんたち。噂を聞きつけて来られたようでした。「わしらのたくあん漬け、米とよう合うと思うんだ。おにぎりにしたら売れんか?」と派生商品の提案まで。聞いてみると何年か前から研究・試作を重ねているが、販売をおこなう場所・設備・人員・資金がないという壁に苦しめられていました。
試食してみると、これまた、おいしい。
「せっかくおいしいのにもったいない!」
早速、おにぎり化にチャレンジ。豊岡市内のおにぎり屋さんとのコラボが実現し、新漬け販売前におにぎりの販売イベントを行うことに。結果は大好評・完売でした。「わしらの漬物が売れたで!」と、おじちゃんたちの笑顔が印象的で、生産者さんのモチベーションが上がる瞬間を目の当たりにしました。
この時、たくあん漬けにはそのものを作る以外にも、それを加工する場所、食べる場所、売る場所があればもっと飛躍できる可能性があると強烈に感じました。
ここまではいい流れでしたが、かねてより感染拡大を続けていた新型コロナウイルスの影響により、新漬けのイベントは中止に。さらに私も突如として部署異動を命じられ、引き継ぎ手もおらずプロジェクトは暗礁に乗り上げました。
【2020・2021年度 準備と再始動】
感染拡大による様々な規制、異動によるプロジェクト中断。しかしこれは、2年弱事業を行ってみて見えてきた課題・可能性を整理するいい機会になったと捉えています。特に衛生面を主としたハード面の整備、事業のコンセプト・方向性は観光センターのキャパを完全に超えていました。尖ったことをするには新たにその拠点が必要という答えにいきつき、会社を辞めて独立することを決意。事業計画を作成し今日に至ります。
現在、たくあん漬けに関して様々な取り組みが行われていますが、専属で作る人・売る人がいません。そこで私が生業とする人になり、その拠点を作ることにしました。
もともと出石が属する但馬地域は稲作をはじめ農業が盛んで、たくあん漬けの原料である大根、相性のいいお米、その他の食材が豊富に揃っています。地産の食材を加工して、地域内外の方がそれを消費し、生産者さんもまちも元気になる、そんな形で地域経済への貢献を目指します。
お漬物キッチンいずしとわは、以下の事業を考えております。
①漬物カフェ
カフェ、いわゆる飲食店として事業を行います。ランチにたくあん漬けや地元の食材を使用した漬物を組み込みます。現地で生産・加工を行うことで安心安全、新鮮なものを提供でき、将来的には製造業関係への発展にもつなげられたらと考えています。また、ティータイムにはコーヒーやお茶、スイーツを提供します。そば屋以外の飲食店、特にカフェが少ないという出石の弱点をカバーする狙いもあります。
②商品開発
たくあん漬けなどの漬物は将来的に漬物製造業につなげ、各地に出荷できる体制づくりを目指します。漬物以外にも、出石の素材を「出石とは」をテーマにブランド化し、プロデュースする構想もあります。今回のリターンに組み込んでいて店舗でも使用予定の「出石焼フリーカップ」はその第1弾です。
③コワーキングスペース
出石初のコワーキングスペース・レンタルスペースとして機能させます。IT技術の進歩や昨今の情勢の中で、急速に変化している働き方や日々の過ごし方。都会では充実しているコワーキングスペースやレンタルスペースも地方はまだまだで、出石は現在ゼロです。ゼロゆえにどのくらいの需要があるか未知数です。欲しいと思っていた方、あれば使ってみたいという方、ぜひともご利用ください!
店舗について
店舗については、空き家を改修します。実は私、子どもの頃に家の都合で出石から隣町へ引っ越したのですが、その実家が20年間空き家のままでした。今回はそれを改修・店舗化することで、まちの活性化や空き家改修の例の一つとしても役立てたいと思います。
現在、5月のオープンに向け、急ピッチで工事中です。
コロナの影響で材料・部品の入荷が遅れ、現場は大苦戦を強いられていますが、なんとか頑張っています。
資金の使い道・実施スケジュール
【資金の使い道】
この工事の内装部分の総仕上げとして、店内に壁画を用意しようと考えています。
今回、皆様に、この壁画の制作費用へのご協力をお願い致します。
絵を描かずシンプルに仕上げることも一つですが、店舗・施設としての特色を出すこと、コンセプトを視覚的に表現し発信していくことを大切にしたいと考えました。たまたま座った席から壁画が見えて、思わず写真を撮ってSNSにあげてしまう、そのような状態まで行けたら最高かなと思います。
制作は地元のデザイナーさんにお願いしております。前職で出会い、一緒に店舗づくりや商品開発を行ってきた大切な仲間です。壁画に関しての実績も多数あり、お店の注目度アップに大きく貢献されています。今回は作例の紹介にとどまりますが、このように店舗の世界観を表現したいと思います。
テーマは「出石とは」と「『いずしとわ』とは」。
実現のため、何卒お力添えをお願い申し上げます。
【内訳】
集まった資金の用途内訳は以下の配分を予定しております。
・壁画制作 195,000円
・リターン制作 60,000円
・送料・雑費等 9,000円
・CAMPFIRE手数料 36,000円
【実施スケジュール】
・2022年4月下旬 :クラウドファンディング開始
・2022年5月23日(日):クラウドファンディング終了
・2022年5月25日(水):壁画制作
・2022年5月26日(木):オープン
※訂正とお詫び
誠に勝手ながら、下記の通り、スケジュール変更を致しましたこと、お知らせ致します。
・2022年6月上旬 :壁画制作
・2022年6月30日(木):オープン
これまで大急ぎで工事・開店準備を進めて参りましたが、コロナ禍による資材高騰・入荷延長からくる工事の遅れを取り戻すことができず、加えて軽微ではございますが、追加工事が必要な点も発生致しました。
建築現場との度重なる協議の末、開店を約ひと月遅らせる決断を致しました。楽しみに、そして期待を寄せて応援頂きました支援者の皆様、誠に申し訳ございません。
また今後、当プロジェクトにご賛同頂ける皆様におかれましても、何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
リターンにつきましては予定通り準備し、お約束通り6月にお届け致しますので、楽しみにお待ち頂けますと幸いです。
引き続き、皆様を気持ちよくお迎えできるよう、全力で現場づくり・準備を進めて参ります。
何卒、お願い申し上げます。 お漬物キッチンいずしとわ 福富 裕貴
リターンのご紹介
このプロジェクトにご支援いただいた皆様には、以下のお礼をご用意しております。
・3,000円 お礼のお手紙
・5,000円 お食事券5,000円分(1,000円×5枚)
・5,000円 コワーキングスペース利用券20時間分(2時間500円×10枚)
・6,000円 いずしとわオリジナル出石焼フリーカップ(2個セット)
・10,000円 お食事券10,000円分(1,000円×10枚)
・10,000円 コワーキングスペース利用券40時間分(2時間500円×20枚)
・50,000円 一日貸切(ランチ・ドリンク・スイーツ付 ※20名様まで)
詳細はリターン紹介コーナーにてご確認お願い致します。
出石=たくあん漬けとしての知名度はまだまだ低く、厳しい船出を覚悟しています。観光センターでたくあん漬けを始めた頃は、空き家を改修して漬物を作る拠点にするなどはまだまだ先のこと、そこまでしなくていいかなと考えていたので、思いがけず早くにこの時が訪れました。
ですが最近、私がまちを出てから20年間も実家が空き家であり続けたこと、Uターンしてきてまちづくりの会社で働き、商品開発・たくあん漬けと出会ったこと、訪れた挫折もゆっくり事業再開について考えるいい機会になったこと、全て必然だったように感じています。
まちの未来のため、
出石は蕎麦だけじゃない!たくあん漬けも名物だと知らしめたい!
皆様のお力、ぜひともお貸しください!
よろしくお願い致します!
店舗情報
お漬物キッチンいずしとわ
【住所】兵庫県豊岡市出石町材木11
【店主】福富 裕貴(ふくとみ ゆうき)
【SNS】Instagram「izushitowa」で検索
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る無事開店!※報告遅れ申し訳ございません。
2022/07/06 00:26こんばんは。掲題にございますように、お漬物キッチンいずしとわは、6月30日(木)に無事オープン致しました。まずは応援頂きました皆様に深く御礼申し上げます。そしてご報告が遅れ誠に申し訳ございません。なかなか日々の業務の流れがつかめず、いっぱいとなっておりました。。。早速ではございますが、今回の工事のビフォーアフターを画像で確認してみたいと思います。まずは外観。骨格はそのままなので、旧家の面影を感じつつ、シックでかっこよくなった印象です。次は内部。今回のプロジェクトで制作できました壁画をはじめ、店舗内外に渡り納得のいく仕上がりとなった中でお客様を迎えることができ、幸せに思います。改めて、改装のビフォーアフターの画像を確認しましたが、特に店内はほとんど面影を感じないほどに変貌を遂げています。ですが、きれいにお化粧されたその下には旧家の骨格や壁面が今も生き続け、この建物を支えています。キレイに生まれ変わった店内でお客様にお漬物ランチを提供し、笑顔を頂くことができました。たくあん漬けがメインになりうることはなかなか難しくはございますが、メニュー提供の中で、あるいはこれからの商品開発の中で、しっかり出石の個性として、大切な歴史としてお伝えしていけたらと思います。 もっと見る
壁画制作!
2022/06/29 03:45こんばんは!お待ちかね、本日ついに壁画制作が行われました!今日まで、どんな内容がいいか、あーでもない、こーでもないと思案を続け、納得のいくデザインにたどり着き今日に至ります。テーマとしては「出石とは」及び「『いずしとわ』とは」など、店名やコンセプトに沿ったものを、というところからスタートし、突き詰めるうちに「お漬物キッチンいずしとわ」の象徴であるたくあん漬けの生産・製造工程を表すことになりました。種まきから漬け上がりまで、約半年間に渡る工程を分かりやすく表しています。手描きならではの優しいタッチが、絵に温かみを与えてくれていますね。それでいて、壁画ゆえの独特の存在感・迫力。ぜひ実物をご覧頂きたい仕上がりとなりました。それもこれも、みなさまの温かいご支援があったからこそ実現したこと、本当にありがとうございます。当初から抱いていたわくわく感をはるかに超えたものとなりました。もっと魅力が伝わる写し方もあったのでしょうが、あまりにも嬉しく、取り急ぎこちらにて失礼致します。オープンまであと少し。頑張ります! もっと見る
徐々にお店らしく!
2022/06/22 00:04こんばんは!いよいよ工事も終盤となり、表向きの様子も明らかになってまいりました。これからは看板などの装飾をつけていくような形になります。改修前6月20日時点シャッター代わりの格子戸が閉まっているので、全貌といわれてもまだピンと来ないかもしれませんが、、、。壁色は赤土風に、2階部分は城下町の町家らしく格子をあしらったつくりとなっております。キッチンには厨房機器も入ってきており、外観同様、それらしくなってきております。これからさらに設備関係・こまごました備品をひっきりなしに搬入し、セッティングしていくことになります。そしてこのプロジェクトでは肝心要、壁画の制作は6月27日~29日のうち、一日をまるまる使って行われることになりそうです。さて、どのようなイメージが出来上がってきているのでしょうか…?あーでもない、こうでもない、と校正を繰り返し、方向性としては「お漬物キッチンいずしとわ」らしさを強く打ち出すイメージとなりました。乞うご期待です! もっと見る
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