こんばんは!
「山田耕筰ピアノ音楽プロジェクト」実行委員長の山中です。
先日、杉浦よりピティナとのコラボ企画についてご報告させて頂きましたが、続いてピティナの福田専務理事より貴重な応援メッセージを頂きましたのでご紹介させて頂きます。
ピティナのような全国組織のトップが個人レーベルの企画の公益性を評価し、直々にメッセージをくださったことにただただ感激です。私たちも山田耕筰の貴重な未発表ピアノ作品を掘り起こして世に出す、という大それたプロジェクトを世に問うにあたり、大きな覚悟を要求されましたが、それに気持ち一つで応えてくださった福田専務理事の今回のご判断に心から敬意を表さずにはいられません。
このプロジェクトは、損得ではできません。
何よりも、山田の一連の作品群が日本ピアノ音楽の一つの原点としての永遠の価値を持つと考えられるだけに、それをこのまま眠らせておいて良いのか、という強い危機感がありました。
現在、日本国内においてさえ、西洋の大作曲家と比べて日本人作曲家の作品を率先して採り上げる、という習慣は定着しているとは言えません。
確かに、西洋音楽の偉大な伝統を仰ぎ見て行き過ぎるということはありませんが、西洋の歴史に学び批判的な視点を持つこととと同じくらい、西洋音楽と日本人の出会いという瑞々しい体験をポジティブに捉え返し、その感情に自信を持つ、ということは大切だと思います。
滝 廉太郎や山田耕筰といった作曲家が、永遠の価値を有するのはまさにこの点ではないでしょうか。
彼らが西洋音楽に出会ったときの新鮮な驚き、その豊かな感情を楽音に込める術を心得ていたからこそ、彼らの音楽は現在でも尚、私たちの心を捉えるのではないでしょうか。
その青い未熟さの中に宿っている瑞々しい精神は、今日それぞれの立場で西洋音楽と向き合う私たち一人一人に勇気を与えてくれるに違いありません。
前置きが長くなりました。
それでは、福田専務理事のメッセージをご紹介させて頂きます。
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この活動に賛同し、個人としても支援します。
共感した理由は大きくわけて二つあります。
まずは一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)の目的と合致することです。
ピティナは設立当初、日本人の音楽作品普及を目指す団体でした。その目的は今も持ち続けています。ピティナ・ピアノコンペティションの課題曲には多くの日本人作品を入れていますし、ウェブサイトの「ピティナ・ピアノ曲事典」でもその情報を充実させています。
また、関係者の皆さんそれぞれが必要性に駆られて進めている今回の活動は、公益に適うと考えました。ポピュラーでない曲を演奏することは集客・販売面では不利ですし、未知の作品が必ず素晴らしいわけでもありません。しかし、クラシック音楽黎明期の日本を代表する山田耕筰の作品を探求することは、我々音楽従事者のルーツに立ち返ることでもあります。
このプロジェクトはピアノ音楽研究・文化振興に資するものと信じています。
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