いつもパドルブリューを応援いただき、ありがとうございます。
今回は皆さんにお送りするクラフトビールの仕込みの様子を紹介しながら、ビールができるまでの過程をご紹介させていただきます。
ビール作りに興味がある人もいるかと思って、専門用語もおり混ぜてみました。でもできるだけわかりやすく解説しますね。
動画で解説
まずはこちらの動画をご覧ください。それぞれの過程にどういう意味があるかは、追って文章で説明します。
麦芽を粉砕する
ミルを使って麦芽を半分に砕くことで、水に馴染むようになり、成分が抽出されます。
65度のお湯に浸ける
65度前後の温度で、麦芽に含まれるアミラーゼが活発に働き、でんぷんを糖に変えます。そう、唾液と一緒です。分解された糖が酵母の食べ物になります。この過程をマッシングと言います。
ところで、「麦」と「麦芽」ってどう違うんだろうって思いませんか?麦芽というのは、麦から芽が出た状態のものを言います。製品の麦芽は芽の部分は取り除かれています。
なぜ、芽が出ていないといけないのかというと、前述の通り、麦芽にはアミラーゼが含まれているからなのです。人がお米を食べて唾液ででんぷんを分解し、エネルギーにするように、麦も成長が始まるとでんぷんをエネルギーにするためにアミラーゼを出すのです。その力を利用するのです。
麦芽と液体を分離する
約1時間後、成分が溶け込んだ液体と麦芽のかすを分離します。液体は麦汁と呼ばれます。鍋の底は網状になっています。その構造はファルスボトムと呼ばれます。網の下からポンプで水分を抜き出すことで、液体だけを抽出できます。
またその際、麦芽の上からお湯をかけて、麦芽に残った糖分も洗い出します。これをスパージングと言います。
ホップを入れて麦汁を煮込む
麦汁にホップを入れて、1時間ほど煮込みます。これには2つの意味があります。
一つは、麦汁に含まれる変な香り(DMS:硫化ジメチル)を飛ばすこと。もう一つ、こっちが重要ですが、ホップの苦味と香り、味わいを抽出することです。
パドルで麦汁をかき混ぜる
パドルで精一杯、同じ方向に麦汁をかき混ぜて渦を作ります。鳴門の渦潮と一緒で、吸い込まれたものが底へと沈みます。これによってホップが底に沈み、液体と分離することができるのです。この工程はワールプールと呼ばれます。
タンクに移送し、酵母を入れる
液体をタンクに移送する際には、ウォートチラーという道具を使って冷却します。酵母は大体、20度くらいで活発に活動するのですが、一気にその温度まで下げないと、空気中にいる別の菌が先に活動してしまい(雑菌汚染)、腐敗したり、変な味のビールになってしまったりするからです。
20度に下がった麦汁に酵母を入れると、酵母が糖を食べてアルコールに変えます。約2週間で発酵が完了し、お酒になります。
意外とシンプル
複雑に感じられたかもしませんが、実は意外とシンプルです。
解説をじっくり読んだ後、焚き火でビールづくりを説明した動画をもう一度見てみると、「自分でもできそう!」と感じてもらえるかもしれません。
また今度、ビールの味は何で変わるのか?についても説明したいと思います。
それでは、良い週末を!