震災から7年を経て、ようやく徐々に集団移転が始まりました。
震災をキッカケに多くのことが起こり、2014年にオープンした百俵館ではその中でも地域の交流拠点として自立した運営をできるまでに至ってきました。
市民主導で起こったこのプロジェクトにおいて、今度は学習塾に通う学生が主体的に運営する場所としての耕人館の設計に関わることができて嬉しく思います。
【写真】耕人館における多様な学び(イメージ模型)。
百俵館と耕人館では外壁を焼杉を、使い連続的な風景を作っています。点から線に、今後さらに面的展開への余地も残しています。
建物と広場をつなぐ縁側では、勉強や休憩、子どもが遊び、塾のお迎えの親たちの憩いの場になるかもしれません。
【写真】天井剥がしワークショップには地域住民や学生が参加。
天井を剥がしたり、ヤスリがけをしたり、壁面の黒板塗装、外壁の焼杉貼りなどは、予算削減と建物づくりから自分の場所にしてもらうために実際に使うことになる人や地元の方を中心にワークショップ形式で作業も進めています。
主に自習をするための大テーブルでは、ひとりで集中できる場所、他の人に教えてもらえる場所、調べ学習など資料を広げられる場所など学習形態にあわせて場所を選べるように設計してあります。
また、地域のマルシェや集会などのイベントで使えるように椅子やテーブルは機能を確保しつつもスタッキングなど収納できるように設計しました。
このプロジェクトが、地域の課題を解決し、地域の資産になれるようにデザインをすすめてきました。これからも素敵な場所であり続けるために関わっていきたいと思ってます。
株式会社wip 平本知樹