標高1000mの天空の棚田からネオン煌めくニューヨークへ、
米を届ける超異質な米作り集団、the rice farm。
今回はそんなローカルとグローバルを股にかけたthe rice farmが、一風かわったクラウドファンディングに挑戦します。
こんにちは。私たちのプロジェクトをご覧いただき、ありがとうございます。
私たちは、「海外の人に満足してもらえるお米を生産しよう」という米業界の中では異質なコンセプトで、
長野県伊那市長谷にある中尾という限界集落の棚田で活動する米作り集団
「the rice farm」
と申します。
私たちは、海外市場に徹底的にフォーカスし、玄米食専用品種「カミアカリ」(胚芽が通常より3倍大きい特徴をもつ。日本で6生産者しかいない)等の希少なお米を、
という方法で生産しています。
“天空の棚田”と呼ばれる、標高1000mの棚田で生産されたお米は、香港・台湾・シンガポール・ベトナムのアジア主要都市、そしてハワイ・ニューヨークのアメリカ市場に輸出されており、2022年には約15tの輸出実績があります。
そんな私達ですが、これからは“米づくり”だけではなく、“地域づくり”にも力を入れたいと考えています。
米づくりをしている私たちが、なぜ地域づくりを始めようとしているのか、まずはその思いを聞いてください。
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地域との出会い
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私たちが作りたいお米は海外の健康志向のニーズに応えるお米です。
農薬はもちろんの事、有機肥料を含めた肥料すらも使わない、土や水などの自然の力だけで育てる「自然栽培」でお米を作っています。
この自然栽培が可能な場所を日本各地から探す中で、私たちは長野県伊那市長谷と偶然に出会いました。ここはいわゆる限界集落と言われる場所で、人口約1700人の山あいの小さな集落には、数十年耕作が放棄されていたために残留農薬の影響がない棚田が残っていました。
棚田の上には民家も農地もなく、南アルプスの源流から引いているきれいな水が流れ込みます。私たちが求める自然栽培にはうってつけの場所でした。
そして始まった自然栽培での米づくりは、初心者2人でわずか4反からのスタート。
試行錯誤の栽培を遠くから見守ってくださっていた地域の方たちは、次第に地域のこと、農業のことを教えてくださるようになり、そして年を重ねるごとに移住者や地域の人たちがメンバーに加わり、2023年の現在、10町歩120枚の田んぼを8人で管理できるようにまで活動が広がりました。
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年々高齢化と人口減少が急速に進んでいます
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限界集落で活動を始める前までは私達も知らなかったことですが、米作りをするには、単に自分の田んぼだけを耕していればよい訳ではありません。地域の人達と共同で水路や道路周りの草を刈り、獣害対策用の柵を補修し、冬には雪を掻き、寄合では集落維持の計画を練ります。中々見えにくい地道な活動ですが、そうした地域の営みがあって初めて、私達は集落で生活でき、米作りが出来るのです。
ところが、この地域で若手と言われているのは驚くことに60代や70代。地域の共同作業中に「年をとったなぁ」としみじみ呟くご老人の背中を見て、私達はふと、近い将来私達だけで地域を維持し、米作りを続けていかなければいけない未来がやってくることに気が付かされました。
「持続可能な社会」とはよく聞くありふれた言葉です。それが大切だということを疑う人は、今の時代にはおそらく少ないと思います。ですが、その社会、その未来が自分自身にとってどれだけ大切なことなのかを実感している人がどれだけいるでしょうか。私たちにとって「持続可能な社会」とは、この中尾集落でなりわいを持ち続けること、すなわちこの地で永続的に米づくりができる地域を作っていくことでした。そのためには米づくりだけをしているわけにはいかない。
米づくりを続けるには、“地域づくり”に向き合う必要がある。つまりは、地域の魅力を多くの方に知ってもらい、地域に関わる人を増やしていく必要がある。この気付きが、古民家を拠点とした新しいチャレンジに向かうきっかけになりました。
築130年、長野県中南部の伝統的建築様式である本棟造りの立派な家ですが、ある時、そんな家が解体されるかもしれない、という話を耳にしました。
集落にある古民家の屋号は「ひがし」
地域の中でも庄屋クラスの古民家「ひがし」は、地域の歴史を物語る文化の象徴でもあります。そんな貴重な建物を、管理が難しくなったから、という理由で簡単に消滅させていいのだろうか?いや、そもそも、地域作りを新たに始めようとしている私達にとって、この古民家こそ最適な拠点なのではないのだろうか?そう考えた私達は、解体直前、家主の快諾を得て思い切って「ひがし」を取得し、大規模な改修工事に踏み切りました。
明治期に建てられた古民家は、時代の流れのなかで随所に手が加えられていましたが、改修が始まりそれらを剥がしていくと、床下からは囲炉裏が、天井からは立派な梁が、と様々な歴史が現れました。改修にあたって大事にしたことは、建築された当時の姿を限りなく尊重すること、そして、これから先もずっと使い続けられる建物であること、の二つです。
130年前に建てられた建物が、2023年をターニングポイントとして、100年後にも地域の拠点として輝いている。そんな未来を私達は描いています。
昨年の5月に改修を終えた「ひがし」は、現在、私たち農業生産法人の休憩所・事務所・賄い食堂として活躍し始めました。拠点が出来たことで、田舎暮らしや農業の体験希望者を受け入れることが可能になった他、地域のおばあちゃんの郷土料理を教わるワークショップや、地域材で作った竈門で炊飯をするイベントなど、私達の活動はより活気に満ちたものになりつつあります。
ただ、欲張りなことを言えば、まだまだ「ひがし」を拠点にした活動は、“会社や地域の人に限ったもの”という感も否めません。せっかく魅力的に改修された「ひがし」には、是非、日本中、いや世界中から足を運んで頂ける魅力的な空間にしたいと考えた時に、なにか欠けているものがあると感じました。それが、「庭」なのです。
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「家」から「家庭」に。外に開かれた古民家「ひがし」へ
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建築士の方がよくおっしゃる言葉に、こんな言葉があります。「家には、庭があって、初めて家庭になる」と。
そう言われると、確かに「家」は家族(我々にとっては会社)が内々で使う建物ですが、そこに開放的な「庭」が加わることで、初めて「家」は社会に開かれた空間になるような気がします。
天気の良い日に、庭で遊んでいる子供達を見て通行人が微笑んだり、庭仕事中に手を止めて近所の方と世間話をしたり、あるいは猫が自由に昼寝をしていたり。そんな光景は、確かに庭があってこそで、庭のないマンションやアパートでは起こり得ないことです。
立派な古民家である「ひがし」には、地域づくりに繋がっていく開かれた庭が必要だ。
そう考えた私達は、「ひがし」に魅力的な庭を備えることで初めて開かれた拠点になると考えました。
日当たりと風通しが良く、様々な木と植物が配置された庭のテラスからは、田植えや収穫体験をした田んぼが眺められる。
旬の野菜やキノコ、鹿肉のBBQをテラスで食べながら、新しい地域づくりの構想話に花を咲かせる。古民家にそんな素敵な庭があれば、「ひがし」を訪れたい人はもっと増えるのでないでしょうか。
ただ、「ひがし」の改修が具体的に動き出したころ、世の中は新型コロナウイルスにより経済が停滞。材料費の高騰、入荷遅れなど予期せぬ出来事によって当初の想定以上の出費がかさみました。そして、建物周辺の整備に着手することができていません。皆さんと「ひがし」を中心とした地域の拠点とした場所づくりをしたい、そして完成した時には長野県長谷中尾に足を運んでほしい。そのためにテラスと庭の整備を皆さんと一緒に行っていきたいと考えています。
この古民家を再生するにあたって、数々の古民家再生をしてきたプロの設計士さんにお願いをしました。
有限会社かわかみ建築設計室
http://kawakami.org/
梓設計企画
今回の庭の設計・工事は、素敵な提案をして頂いたとちどちランドスケープ室さんにお願いしたいと思っています。
とちどちさんのコンセプトは、「循環する庭」。
普通の庭は管理していく中で出た雑草や樹木を外に持ち出して整理しますが、
「循環する庭」ではその庭で発生したものは出来るだけその土地に還元していく、という考え方です。
「ひがし」では庭だけではなく、広葉樹を植える森、落葉等を一時的に保管するバックヤードまでをも設計し、「ひがし」独自の循環を作りたい。もちろん、多くの方をお招きするエントランスにも凝り、石畳や竹柵、ベンチ、芝など、日本の伝統的な奥行きある迎賓空間も用意します。
庭に植えるウメとカキは季節には恵みを、ヤマザクラやヒガンバナ、レンゲは訪れる人の目に彩りを与えてくれるでしょう。築130年の古民家にそんな庭があれば、足を運んでみたいと思う方が増えると思いませんか?
内に閉ざした「ひがし」ではなく、外に開かれた「ひがし」が完成することで、これまでは会社や集落に関係していた人が出入りしていた空間が、きっと一般の方にも興味をもってもらえる空間になると思います。
庭を入口に、古民家・田舎暮らし・農業・自然・芸術等々、どんなジャンルの方にも「ひがし」に入ってきてもらいたい。そして、一緒に地域で出来ることを模索し、この集落を気に入ってくれた方には是非移住をしてほしい。それが、私達が「ひがし」の庭を整備することで作りたいきっかけです。
庭のコンセプトは「循環する庭」ですが、多様な方達も「ひがし」を通じて循環していくようになれば、そんな嬉しいことはありません。
先に述べた「庭」の理想は、私達だけの力では決して実現しません。「庭」という“モノ”が必要なのではなく、「庭」という空間によって生まれる十人十色のストーリーの誕生こそ、私達が実現したいことだからです。
自然に寄り添い、季節の移ろいを感じながら豊かな食卓を囲み、古き良きものに囲まれた暮らしを良いと感じる皆さんと、「ひがし」の完成プロセスから新たな出発を共に歩みたい。それが、プロジェクトを本クラウドファンディングで実現したいと考えた理由です。
天空の棚田からネオン煌めくニューヨークへ、お米を届けた私達は、次はニューヨーカーすらも来たいと思う魅力的な古民家「ひがし」を完成させたいと思っています。そんなビジョンに共感してくださった方には、是非ご支援を宜しくお願い致します!
・近所のおばあちゃんに地元の伝統料理を教えてもらう会
・お正月飾りを地域のおじいちゃんに教えてもらう会
・オーガニック料理のシェフを招いて食事会
・地域の子供達と一緒に田植えや稲刈りをしたり、岩魚の掴み取りや五平餅を作ったりした食育の会
・土間にできた竈門を使った体験イベント
ぜひこの場所で体験してもらいたい。
・体験は竈門でご飯を炊いて、みんなでおにぎりを食べる
・田んぼを一緒に耕し、休憩としてこの場所を使ってもらいたい
・憩いのテラスの作成
・庭園のメンテナンス
■プロジェクト実施スケジュール
プロジェクトの進捗等により変更となる場合があります。
1月20日 クラウドファンディング開始
2月28日 クラウドファンディング終了
3月下旬〜 リターン品の送付・提供開始
■お問い合わせ
本クラウドファンディングへのお問い合わせは、本ページ「メッセージで意見や質問を送る」ボタン、または下記までご連絡ください。
リターンのご紹介
●お礼メッセージ 3,000円
●the rice farm オリジナル日本手ぬぐい 5,000円
●輸出専用カミアカリ、特別国内発送(1kg)+オリジナル手ぬぐい+お礼メール 10,000円
●輸出専用カミアカリ、特別国内発送(5kg)+オリジナル手ぬぐい+お礼メール 30,000円
●「ひがし」の宿泊体験(お米お土産・農家の食事・農家体験付き) 1組2名 50,000円
●「ひがし」の宿泊体験(お米お土産・農家体験付き) 地元ジビエ料理付き 1組2名 80,000円
●古民家設計士による出張相談【長野県】 50,000円(出張費込み)
【長野県内限定】古民家再生を手がけた一級建築士の1日出張相談
・定員:5人まで
・内容:新築からリノベーションまで、一級建築士が現場へ出張して住まいづくり・空間づくりのご相談にのります。
(新築の場合)ヒアリング、敷地確認、プラン1案作成
(リノベーションの場合)ヒアリング、現状調査、プラン1案作成
●【県外】古民家再生を手がけた一級建築士の1日出張相談 100,000円(出張費別)
・定員:3人まで
・内容:新築からリノベーションまで、一級建築士が現場へ出張して住まいづくり・空間づくりのご相談にのります。
(新築の場合)ヒアリング、敷地確認、プラン1案作成
(リノベーションの場合)ヒアリング、現状調査、プラン1案作成
●ジビエ農泊(罠猟体験+解体+ナイトサファリ)+ざんざ亭・長谷部さんのジビエ料理 1組2名 100,000円
●オーダーメイド米作り体験(棚田オーナー)+体験時のひがし宿泊無料 300,000円
●農学博士による自然栽培稲作のマンツーマン・レクチャー(栽培期間)+ひがし宿泊無料 500,000円
●カミアカリを原料としたあなただけの加工品開発(せんべい、日本酒、化粧水、、、) 1,000,000円
the rice farmを応援頂いている皆様、今回のクラウドファンディングがきっかけで知って頂いた皆様、私達のプロジェクトをお読みいただき、ありがとうございます。
the rice farmは、まだ設立6年目の若い集団ですが、皆様の支えにより、ようやく“街づくり”を始められるステージに入れたと思っています。街づくりでは、やることは山積み。是非皆様のお力添えを頂いて、アクセルにブーストをかけ、日本全国で進んでいる農村集落過疎化の問題に一石を投じたいと思っています。
是非ご支援を宜しくお願い致します!
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る”循環する庭”着々
2023/04/14 11:56本日は朝から、梅の木の植林がスタートしています。花で庭を彩ってくれることに加え、季節には果実をもたらしてくれるあの「梅」です。地域には梅仕事のプロフェッショナルの方がいるので、ひがしの庭でとれた梅を材料に技術を教わりながら、梅干しや梅酒をつくる算段なのです。次の日曜日には、ひがし庭斜面に広葉樹を植える予定。落葉や枝を採集して堆肥をつくり、梅の木のまわりにまき、実りをより豊かにしてもらう、と。世代を超え、物質も循環し、人も循環する。計画は着々と進行中です。 もっと見る
米づくり・まちづくりの活動が世界160ヵ国で放映されました!
2023/03/24 09:05先日取材頂いた内容をNHK Worldで放映して頂きました。放映国はなんと世界160ヵ国。まだ見ぬ土地の誰かに、我々の活動を届けることが出来て感無量です。放映では、山奥の限界集落と、販売先であるシンガポールどちらも紹介して頂き、我々の活動のグローバルかつローカルな側面を取り上げて頂いています。そして今回クラファンのテーマでもある古民家”ひがし”も。番組はオンラインでも視聴可能ですので、是非ご覧ください!https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/3004936/ もっと見る
リターン準備着々。もうしばしお待ちください!
2023/03/17 15:42クラファンリターンの準備が着々と進んでいます。玄米にポジティブなイメージを持っていない人にこそ、食べて欲しいのがこのカミアカリ玄米。玄米特有のえぐみ、くさみがなく、独特の甘みとサッパリ感でどんどんと食べ進められるのです。来週中には発送できると思いますので、リターンにカミアカリを選んだ方はもうしばしお待ちください! もっと見る
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