2023/02/26 13:19

公演関係者のからのコメントや、マームとジプシーがお世話になっている方々より応援コメントを続々といただいております。初めてマームとジプシーを知ってくださった方もいらっしゃると思いますので、コメントをいただいた方との関係性と共に活動報告にも日々紹介させていただきます。
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青柳いづみ(「Light house」「cocoon」出演)

クラウドファンディングを通して、こんなにたくさんの人と出会えるなんて思ってもいなかった。
この出会いが、演劇を映像というかたちに変えて、それによってさらに多くの人と出会っていく。
そして私達も劇場でまた人と出会い続ける。
こんな風にしてあなたに出会えて、とてもうれしい。

ずっとそうだけれど、最近は毎日舞台に立つ夢を見ます。
そこにはいろんな人たちがいて、音があって光があって、
みんなが客席から私を見ていて、私もみんなを見ている。
大きな拍手の音がして目が覚める。
夢は、記憶?記録? 映像のようにして、夢の舞台は私の中だけに残り続ける。
演劇は、わたしの生きるすべて。
わたしは夢の中で、舞台裏の、あの青い闇の中で、あなたに出会えるのを今も待っている。

あのとき劇場の中で起きていたことが、
沖縄の海が、空が、においが、すべてが、
まだ見ぬあなたにどうか届きますように。


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青柳いづみさんは、「Light house」では主人公いっぺいの姉、みなと役、「cocoon」では主演のサン役を演じました。
以前よりマームとジプシーの作品を観てくださっている方なら、青柳さんの出演する舞台をご覧いただいている方が多いかもしれません。
青柳さんとは、今までに数多くの作品を一緒に作っています。

マームとジプシーは劇団ではなく、公演ごとにスタッフ、キャストが作家・藤田貴大のもとに集まり、公演が終われば解散します。
その都度で集まったメンバーを“マームとジプシー”とよんでいるのですが、青柳さんはそういったあり方の中で藤田の作品のパートナーとして、いつも作品の中核を担ってくださいます。

舞台上だけではなく、作品のアイディアを練る段階から携わっていて、今回の「Light house」「cocoon」も、わたしたちが沖縄へ行く前の事前のリサーチに一人で行っていたり、史実を調べる上での書籍をいくつも読み込んで情報を藤田に提示したり、まさに藤田がどのような作品を作りたいと思っているのか、その景色を一緒に探そうとしてくださいます。
そして、生まれた言葉が青柳さんの身体に落とし込まれたとき、言葉はさらなる広がりを持って舞台上でその景色を組み立ててゆきます。

沖縄では、生と死がとても近い世界にあるような気がしています。マブイという魂を意味する言葉があり、驚いた時やショックなことが起きた時に体内からマブイが抜け落ちると考えられています。そうやって、信仰として大切にされてきたものが、普段の身近な出来事や生活の中にもとても影響しているように思います。
もちろん、この生と死が混じり合った世界を実際に目にすることはありませんが、亡くなった人、今を生きる人、そしてまだ見ぬ人たちへ向けた言葉が同じ舞台上に並ぶ今回の作品は、そういった世界を一種、体現できたものなのかもしれません。
青柳さんは、言葉を発したその瞬間から空間を支配し、私たちは心をつかまれたように舞台上に引きずり込まれ、生も死も含めた多くのマブイに出会い、そして最後には必ずこの「今」という目の前の時間とコネクトさせてくれます。

その責任感と捧げている体力・精神力にはどれほどの重圧がかかっているのだろうと心配になるのですが、楽屋に戻るといつもご本人はけろっとしているので、それを見て安堵させられる日々です。

今回ご紹介をするにあたり、どのような言葉で書いたらいいか、とても迷いました。
しかし、青柳さんがマームとジプシーと出会ってくれて、俳優としていてくれて、そこには本当に感謝しかありません。
普段は、ワインとお洋服が好きで、おちゃめで、勝負ごとに熱く、面倒見がよく、時々クールな青柳さん。
これだけの時間を共に過ごしていますが、やはり青柳さんがどういう方なのか、掴めたことは一度もありません。彼女が舞台に立つたびに、その底知れなさをまのあたりにして、私たちは茫然としてしまうのです。
だからぜひ、みなさんがご自身で、実際にその姿を確かめていただけたらと思います。




※こちらもぜひご覧ください。

窓より外には移動式遊園地 青柳いづみ(俳優)×藤田貴大 対談

『Light house』関係者鼎談 vol.4  
橘田優子(衣装)×青柳いづみ(出演)× 藤田貴大 前編後編