おはようございます!
とらいふ武蔵野の井口でございます。
今朝は、地域包括ケアシステムの中での「とらいふぁーむ」の役割について、お話しさせてください。
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いわゆる「2025年問題」を直前に控え、私たちとらいふ武蔵野も例外なく、要介護者数の増加と労働人口の減少が高齢者介護業界もたらす影響を実感する中、「介護人材の確保」を始めとした喫緊の課題に多く直面しています。
武蔵野市には「テンミリオンハウス」や「いきいきサロン」等、すぐれて先駆的と言える高齢者福祉事業があります。それだけでなく、「ケアリンピック」や「認定ヘルパー制度(いきいき支え合いヘルパー事業)」など、市独自の“現場目線”での実務者支援システムもあります。こうした取り組みは、「公民連携」というダイナミックかつ柔軟なチームワークを有し、他地域や他の活動分野への普及・発展も期待できるという「モデル性」も包含されていると言えます。
いっぽうで、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、人と人との触れ合いや、「つながり」を意識できるような交流はますます少なくなっています。「コスパ」や「タイパ」といった言葉を耳にする機会が増え、「人間関係」は「コスパが悪い(≒面倒臭い)」と考える人が増えてきているという報告もあります。武蔵野市においても、「ちょっとしたことも気軽に頼みあうことができない」というような地域も多い状況であるといえます。
そのような状況の中、「温かい人間関係のある、『新しくて懐かしい』地域社会をつくろう」という目的のもと、令和4年9月19日に「とらいふぁーむ事業」は活動を開始しました。失われつつある「互助」の重要性を確認し合い、子どもから高齢者まで、障がいがあるなしにかかわらず、地域に暮らす誰もが気軽に交流できる居場所を、「農福連携」というキーワードをもとに創出していくことを宣言しました。
「尊厳の保持」とは、「その人が、その人らしくいられること」であると要約できます。であるとすれば、「尊厳」と「居場所」はセットで考えなければなりません。なぜならば、「ただ単に生活ができる場所」(space)では、「その人が、その人らしくいること」は困難だからです。したがって、「人間としての尊厳が守られる居場所」(place)を作ることが重要であると言えます。とらいふぁーむは、地域包括ケアシステムにおいて、そのような「居場所」(place)の役割を担う存在にほかなりません。むしろ、とらいふぁーむは入居者・入居者家族・地域住民・職員たちの「居場所」になることによってこそ、その価値を最大化することができると言えます。
こうした理由を踏まえて、活動開始からもうすぐ3ヶ月となるとらいふぁーむでは、さまざまな勉強会やイベントの開催を計画しています。とらいふぁーむで形成される人間関係には、助け合いだけでなく、子育て支援、実務者への研修や勉強会、住民への介護予防運動、防災・緊急支援ネットワークの確立など、広く公益に資する可能性が含まれています。
とらいふぁーむが、多くの方々にとって少しでも有益な「居場所」となれるように、私たちはこれからも尽力して参ります。引き続き、応援(ぜひご参加も!)をよろしくお願いいたします。
今朝の武蔵野市はあいにくの雨天ですが、
よい1日をお過ごしください。
とらいふ武蔵野
井口 佳亮