みなさま こんばんは 夜分に失礼いたします。
とらいふ武蔵野・運営企画推進室の井口でございます。
今夜の武蔵野市は雨が降っています。
春の訪れを目前に、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本日は木曜日でしたので、定例のとおり、
とらいふぁーむでは午後1時頃から
「クリーンむさしのを推進する会」の方々(5名)と、
間引きや生ごみ堆肥の攪拌などの作業を行ないました。
* * *
作業の終わりに、先日から施設の職員たちで
「とらいふぁーむの敷地内に飲料の自動販売機を
設置してはどうかと検討している」というお話をしました。
敷地内に自販機があれば、施設入所者のご家族が面会に
いらしたときに便利ですし、また忙しく働く職員が
一息つく時にも有用であるうえに、より多くの人たちに、
もっと頻繁にとらいふぁーむに足を運んでもらえる機会が
増えるかもしれない、という考えからでした。
私も当初、それは良いアイデアだと思いました。
けれども、このことを「クリーンむさしのを推進する会」の方々に相談すると、
見事に全員一致で「反対する」というご意見を頂戴しました。
その最大の理由は、「とらいふぁーむらしくない」ということでした。
端的に言えば、手間のかかること、不便であることにこそ、「共生」なるものの価値を確認することができる、とらいふぁーむはそのような思想のもとに始めた活動の場所であったはずだ、ということでした。
たとえば、とらいふぁーむであの人とお茶をしたい、あの人にこれを持って行ったら、あの時の話をしたら、あの人はどんな顔をするだろうかといったことに思いを馳せて、相手の気持ちを想像すること。それこそまさしく「ケアすること」の一端であり、そのようなことを考えるきっかけをつくる場所になることが「とらいふぁーむらしさ」にほかならないのではないか。これが、反対意見を述べた方々の主訴でした。
まちがいありません。とらいふぁーむでは園芸活動をとおして、「ケアすること」(caring)とは、相手のニーズを「想像すること」(imagining)と同義であると看做しているからです。
もちろん、自販機の設置が直接的に「とらいふぁーむらしさ」を阻害することになるかどうかは、現時点では断定できません。
とはいえ、こうした話をとおして、私たちはまたひとつ重要なことを学ぶことができたと思います。それは、月並みな言いかたですが、「快適さや便利さにも増して、大切にすべきことがあるのではないか」ということです。
〈都市部の福祉施設での植物の生育〉という本活動によって、私たちはほんとうに多くのことを学ばせていただいています。
とらいふぁーむの活動にご支援をいただいた皆様に、
この場で改めて感謝を申し上げます。
みなさまにお会いできることを
関係者一同心より楽しみにしております。
今夜もよい夜を。