
みなさま、こんにちは。
とらいふ武蔵野・運営企画推進室の井口です。
今週水曜日、とらいふ武蔵野では「身体拘束・虐待防止委員会」が開催されたようです(私はあいにく不在で出席しませんでした)。
委員会のなかで、以下に示す書面が配布されたようです(後日、職員用トイレのドアに倫理啓発として貼られているのを発見しました)。
副施設長が作りました。
この書面には、かわいらしいイラストとともに、「不適切な対応を起こさないために注意すべきこと」として、「否定しない」「急かさない」「禁止しない」「命令しない」「説教しない」の5つの注意点が分かりやすく掲げられています。一見すると「まるで子ども向けの道徳教育のようだ」と思われるかもしれません。けれども、福祉の現場でたいへん重要な(そして忘れがちな)内容です。
言うまでもなく、これは認知症介護における基本の「き」といえる姿勢であり、同時に、職員同士のコミュニケーションにおいても常に意識されるべき視点です。共通しているのは、相手に対する「想像力」や「思いやり」が大切だよね、というような感覚であるといえます。
さらに興味深いことに、これらの注意点は「植物の生育」においてもまったく同じことが言えるということです。「急かしたからといって早く育つわけではない」「命令しても葉は開かない」という当たり前の事実は、植物の生育でも、対人関係においても、大きく変わることではありません。
福祉の現場では、「支援する側が支援される」、教育の現場では「教える側が教えられる」というような構図が日常的に立ち現れます。高齢者介護とは、実際のところ利用者の方々が私たち(ケア提供者)に「依存している」というよりも、私たちを「支えている」(人間であるということを思い出させてくれる)営みである、ともいえます。
にもかかわらず、とらいふぁーむでの植物の生育を通して「人の幸せ・地域の幸せ・福祉文化の創造」という当法人の理念を実践していこうとすると、こうした比喩表現に対して、「ご高齢者様を葉っぱと同一視するとはナニゴトだっ!」「老人を植物人間扱いするつもりかっ!」などといったご指摘を頂戴することがあります(これはある意味で、想像力が豊かであることの証左と言えるかもしれません)。
このような「ずれた」批判に触れるたび、まだまだ私たちには対話が足りていないのだなぁ、と実感します。ここでもやはり、共通しているのは他者に対する「想像力」や「思いやり」なのだと、しみじみ感じております。
人間にも、植物にも、そして批判してくださる方々にも、等しく必要なものは、「他者のことなど理解しようがない(だからこそ相手のことを考え続けなければならない)」という前提に基づく視点なのかもしれません。
年齢、経歴、役職、立場に関わらず、
一緒に勉強し続けていきましょう!





