
みなさま、こんにちは。 日頃より、とらいふぁーむの活動にあたたかいご支援とご関心をお寄せいただき、心より御礼申し上げます。本日は、とらいふぁーむからみなさまへ、新たに始まるプロジェクトについてご報告させていただきます。
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とらいふぁーむではこのたび、「ニホンミツバチの養蜂」に取り組むことになりました。この試みは、地域の暮らしの課題に向き合う創造的な取り組みとして、「かみつぐ助成金」(地域生活課題対応事業費)に採択され、50万円の助成を受けて実現したものです(申請にあたっては、ある事務職員が丁寧に構想を練り上げ、完成度の高い計画書を作成してくれました!)。
この養蜂を通じて私たちがお伝えしたいのは、単なる自然体験にとどまらず、「ミツバチが花をつなぐように、ケアワーカーも人と人のあいだに、信頼や感情、記憶といった目に見えないつながりを運んでいる」という、大切な役割をあらためて見つめ直そうということです。
いま、介護の現場では、ケアの仕事が「身体介助」や「処置」といった技術に偏りがちで、本来大切にされるべき「関係を育む力」が見えにくくなっています。私たちは、ミツバチの受粉のような、静かで重要な働きになぞらえて、ケアの本質的な意味を見直したいと考えています。
ニホンミツバチの羽音はとても静かで、耳を澄まさなければ聞こえません。その静けさのなかで、花と花がそっと命をつないでいます。私たちは、ケアワーカーもまた「時間」のポリネーター(媒介者)として、ご入居者とご家族のあいだに、見えない安心や共感を運び、未来の実りをそっと芽生えさせている、社会にとってたいへん重要な存在だと信じています。
ケアとは、誰にでもできる作業ではなく、その人ならではの身体やまなざしを通じて紡がれる、繊細で創造的な営みです。ミツバチが花粉を運ぶように、人と人のあいだに静かに未来の実りを育てる——そんな「ケアの受粉」の力を、養蜂を通じて社会に伝えていきたいと私たちは考えています。
このプロジェクトでは、施設の屋上(安全な場所)に巣箱を設置し、観察会などのイベントを、入居者や地域の方々とともに行う予定です。将来的には、採れた蜂蜜を活用して「とらいふハニーエール」などの製品づくりにも挑戦し、ケアという営みの「聞こえない羽音」を、地域にやさしく届けていけたらと考えています。
ささやかな試みではありますが、ミツバチとケアの営みに耳を澄ませながら、皆様と一緒に学びを深めていけたら嬉しく思います!





